夢の母親
ユリと話したお客が、「良くわからないので、明日も来ます!」と言っていた。なんかすごい会話だ。
ケーキを2個食べる人、3個食べる人、色々な人がいる。でも一番不思議だったのは、熱いお茶と、冷たいお茶を両方頼んだ人。
注文が落ち着いているので厨房を見に行くと、
「少しだけ赤いのがきれいですね!」
「ふふふ、リンゴらしいでしょ。30分冷凍して、冷蔵に移します。私が忘れていたら教えてください」
「はい!」
「わかったにゃ!」
ユリが作ったものをリラと話している最中だった。
リラはクッキーを作りながらユリと話していたので、少しだけ、ユリを手伝った。
お店に戻り、時計を見るとユリが頼んだ時間から28分が過ぎていた。
そろそろ言いに行けば良いかな?
「ユリー、30分にゃ!」
「あ、ありがとう!」
ユリはココットに入ったものを冷凍庫から出し、冷蔵庫に入れ直していた。60個だけ出したままにして、持ち手の無いカップから赤いゼリーを出してココットに乗せていた。
もう一度そのカップにゼリーを作るらしい。
リラはクッキーを作っているままなので、お店を見ることにした。
モンブランのおかわりの他、マロンパイも頼まれる。マロンパイは、少しだけ温めてから出すので、時間がかかる。
これって、両方とも、栗のお菓子だ。よく見ると、更に栗ご飯を食べている人がいる。よほど栗が好きなんだろうなぁ。
クロッカンと黒猫クッキーはセットでよく売れた。
黒猫クッキーはともかく、クロッカンは250☆だと言っているのに、双方で、1000☆か、2000☆払っていく人が多かった。
「こんにちは。受け取りに参りました」
「少し待つのにゃ」
お店がおわる時間の頃、38個の人たちが来たので、ユリを呼びに行った。
どうせ一人では持ちきれないのだ。
「ユリー、モンブラン取りに来たにゃー」
「はーい」
箱が多いので、みんなで持っていった。
もう閉店になるので、空いたテーブルがあって、そこに乗せていった。
モンブランとクロ猫ッカンとマロンパイは全部売れた。
ご飯の時、ユリが明日のケーキの仕上げを見せてくれた。
棒のお菓子と、リラが作った小さな葉っぱクッキーを乗せて、リンゴに見えるようにするらしい。
「リラちゃんに作ってもらった葉っぱクッキーと、揚げパスタを使って、リンゴに仕上げます。パスタを2cm位に折り、中心に差し込みます。その横に葉っぱクッキーを添えてリンゴのムースの出来上がりです」
「わー!リンゴになった!」
「リンゴみたいにゃ!」
「名前は、ラ・ポンムです。リンゴという意味の外国語です」
枝と葉っぱがついたら、とたんにリンゴになった。それまでは、半球が乗ったココットだったのに。
「とりあえず、みんなでご飯を食べましょう」
味も美味しかった。
リンゴのゼリーと、リンゴ入りのムースらしい。
持ち帰り分は、上に飾らず、袋に入れて箱に添えるとユリが言っていた。
そのあと、昼にユリが聞いていた大根おろしを作ることになった。
あの真っ黒い野菜は、切ったら中は真っ白だった。ユリが厚目に皮を剥いて、ソウとマーレイが削っていった。
中は美味しそうだ。
ユリはゼリーをココットにのせ、又ゼリーを作ってから終わりだと言っていた。
お店が終わったあと、ソウの部屋を訪ねた。
「ソウ、聞きたいことがあるにゃ」
「なんだ?ユリに内緒か?」
「特に内緒のつもりは無いにゃ。ユリにはわからないことにゃ」
「俺がわかることなら答えるぞ?」
「マーレイの妻、リラの母は、どこにいるにゃ?」
「離婚した訳じゃないが、実家に帰っているらしいぞ?」
「リラは、王都に働きに行っていると聞かされているらしいにゃ。兄も帰ってこないと言っていたにゃ」
「マーレイはなんだってそんな嘘を教えてるんだ?」
「いくら働いても暮らしが楽にならないから、母親が王都に働きに行っていると言うのは嘘だと思うとリラが言っていたにゃ」
「マーレイに詳しく聞いてみるよ」
「頼んだにゃ」
これで本当の事がわかるだろうと思う。




