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第3章13話

第3章13話


「疲れている所に来て貰ったのは、悪霊に河瀬の分家の悪霊が混じっていると言う情報と、他の神達からの文句が出ているのでな」


「他の神様達からですか?」


「自分の所も同じ問題を抱えているのに不公平だ、と言う訳だ」


「……明日希望を聞いて周ります」


「済まんな。それと、河瀬の分家の者が悪霊になっているらしい。特に処刑された女や兄弟が中心にな。知世は明日からの討伐は参加禁止だ。出来れば、悪霊退治騒ぎが終わるまで城に居なさい」


「行かなければ問題は無いのでは?」


 知世さんが納得出来ないらしい。


「知世が行かなくても、河瀬の屋敷を狙われる可能性も有る。狙いは明らかに知世だ。悪い事は言わん城におれ」


「知世さん、お言葉に甘えて城に居なさい」


 俺にも言われて渋々城に居る事になった。


「全てが終わる間、城の守りを私だけでは辛いのでな。知世に手伝って貰えると助かるのだ」


 水神様もなかなか上手い事を言う。


 と言う訳で、知世さんは今晩から浄化の為に城住まいとなった。


 知世さんが1度帰って来て身の周りの物を持って城に行った


『そう寂しがるな。数日の事だ。』


 水美が慰めてくれるが寂しいものは寂しい。


『悪霊に取り憑かれるよりマシだぞ』


『そうだよね』


 分家の連中は死んでからまで迷惑極まりない。


 早朝に起きて神様巡りをすると、悪霊騒ぎが起きているのは川端村から水郷境までに特定されているらしい。

 川端村と言えばタマ五郎さんと初めて会った村だ。分家の攻撃も此処からだった。

 明るいうちに川端村に聞き込みに行く事にした。


 前に入った食堂で聞いてみる。


「悪霊騒ぎは起きてません?」


「起きているよ。最近、急に夜中になると増えるので護符を張って夜は誰も外に出ないよ」


「最近何か変わった事は?」


「除霊師を自称する婆さんが護符を売り歩いているけど、怪しいので誰も買わんで水郷境神社の護符を皆で使っているよ」


 オヤジさんが笑って話している。

 此処にも神様は居るのだが、無人の神社だから水郷境神社の護符になってしまう。

 年始に水郷境神社の神官が来て配るらしい。


「その婆さんに会える?」


「夜中になると村外れの空き地で、護摩を焚いていると言う噂だけど危なくて誰も見に行って無い」


『怪しいな』


 水美が完全に疑っている。


 水郷境に帰って神様達と打ち合わせをした。


「俺は、その除霊師とやらの諸行を見てから悪霊退治にしたいのですよ。その婆さんが悪霊を召喚している張本人なら退治してからの方が効率的ですから」


 水郷境神社の本殿で5人の神様達と話しを詰めている。


「なら私も手伝おう」


「我もじゃ」


「手伝うぞ』


 3人の神様達が手伝ってくれる事になった。残りの2人も希望したのだが、まだまだ力が戻って無く危ないので遠慮して貰った。


「暁九ッに此処に集合で良いです?」


 反対は無かったので、今晩0時集合となった。



 屋敷に帰ってヤヤさんの昼飯でもと思っていると水神様がら連絡で城に行く事になった。


「呼び出して済まんな。今日の予定を聞きたくてな」


 除霊師が怪しいので、それから片付ける事と、神様達が3人手伝ってくれる事を伝える。


「そんな怪しいのが居るのか?」


「はい。それが現れてから悪霊が増えたらしいので、除霊師では無く悪霊を召喚している可能性が高いと睨んではいるのです」


「暁九ッに水郷境神社で良いのか?」


「はい」


「宣姫と天狗を出すから」


「あれ、天狗さん久し振りですね」


「立候補して来た。宣姫も天狗も呪われる事が無いので、安心だしな」


 確かにそういった意味では安全だ。夜の約束をして水美と水の里に行って身体を休めることにした。



 午前0時前に全員揃ったので、簡単な打ち合わせをする。


「召喚していると見えたら即座に攻撃しましょうよ。神様達は悪霊が居たら悪霊をお願いします。婆さんは俺が明るくして宣姫が浄化、天狗さんが除霊で着いた途端に同時に試して、どれかに反応したら各自得意な攻撃をするのでどうです?」


 全員納得で神様達は確認無しで、全員で浄化を即座にかける事になった。


 天狗さんに運んで貰って川端村の村外れに全員で飛んだ。

 上空に出たので仕事は楽そうだった。眼下に

婆さんと悪霊の群れが居た。


「光を」


「「光球」」


「「「「除霊」」」」


 打ち合わせ無視で天狗さんと宣姫がいきなり光球を婆さんに飛ばした。神様達と水美が除霊だった。


「グギャー」


 悪霊達が悲鳴と共に青く燃えて消えて行く。婆さんが反撃して火球を飛ばして飛び上がって来た。


『「氷弾」』


「「光球」」


 俺と水美が氷弾、宣姫と天狗さんが光球を撃った。婆さんの動きが予想外に速く水美の氷弾しか当たらない。

 神様達が結界を張って逃げれなくしている。婆さんが宣姫に火球を再度放つが宣姫がそれをかわしている時に、俺と水美と天狗さんが光球を撃った。


「ヴギャー」


 婆さんが青い炎に包まれ燃え上がった。


「人では無かったのう」


 神様の言う通りだ。人では無い何かだった。


「結構手強かったな」


 天狗さんが汗を拭っている。俺と水美だけなら、もっと苦労していただろう。


「村の中を確かめましょう」


 全員で手分けして村の中で8体の悪霊を退治した。


「分家の3男が居ました」


「兄弟の霊がまだどこかに居るな」


「取りあえず神様達の里を綺麗にしてからにしましょう」


 全員で順番に神様達の元の里に行くと、1つの里に5~6体の悪霊が居た。人口が少ない分、悪霊も少ないが周囲も徹底的に探索して安全を確保して行く。

 5つの里の浄化を終えたのは明るくなる寸前だった。


「結構時間が掛かった。残りは明日だな」


 分家の関係者が3男のみとは思えないので、探して歩くしかない。


「済みません。明日もお願いします」


「哲司さんだけでする仕事じゃ無いですよ」


 宣姫もやる気充分なので期待しておく。


「じゃまた明日というか、もう今晩ですね」


 既に朝になっていた。




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