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うつ病患者の再生物語  作者: はなかみ
ミーミル
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今度こそちゃんと森に行こう

初めて投稿しています。

更新頑張ります。拙い部分も目に付くと思いますが、気長に見守って頂けると喜びます。


目が覚めた。とても寝覚めの良い朝だ。


背中とおしりと足の裏の痛みは何かを忘れさせてくれるくらいには俺の意識を激しくノックした。


「ふぁーぁ。さて今日も1日の始まりだな」


〖お、起きたか。というか、お前よくあんな硬い板の上で寝てられるな〗


「布団の存在の有難みを思い出させてもらったよ。そういうみんなは何処で寝たのかな?」


〖俺たちに寝る。って概念はない。この見た目も適当に象ってるだけだからな〗


「そうなんだ。便利そうだね」


〖まあな。さてと、行くか?〗


「ああ。綿花の花を最優先でお願いしたい」


〖また目的は食べ物以外なんだな…まぁついでに行けるさ〗


そうして朝靄の中、木の精霊と森の中へと入っていく。


しばらく進むと茂みの中から凄まじい速さで何かが迫って来た。


「ん?なんだ?」


〖あぁ、ジャイアントファングボアだな。猪の魔物さ〗


「なるほど」


そう言いながら軽く避けると木を3本ほどなぎ倒して止まったボアは再びこちらに向かって突進してくる。


〖そいつは倒さなきゃいつまでだって追ってくるぜ。たとえこの森の外に出ても匂いを頼りに何処まででもな〗


「うーん。そうか…自然の摂理だね。弱肉強食」


〖そいつは別に肉食じゃあないぞ。ただ追って来るんだ〗


「え、なんで?意味あるの?その追いかけっこに」


〖魔物なんてそんなもんだ。理不尽な存在なんだよ。俺ら精霊の眷属も襲われて消されてるからな〗


「そっか。じゃあしょうが無いね」


ボアが迫り、もう牙がかかるかといったタイミングでシールドを張る。


ボアはそのまま突っ込みグキっという音を立ててその場にくず折れた。


「ああ、衝突のエネルギーを逃がせ無いと自分の衝撃に耐えられないのか…」


そのまま倒れたボアに手を触れ組成を調べてみると…


…別に普通の猪と同じだね。牙と心臓の横にある石に魔力が宿ってる。

意味も無く襲いかかってくる原因は見当たらないけど…

あ、でも、普通の猪も縄張りに入ってきた者には突進してくるか…


〖おーい。ずいぶん長く考え込んでるみたいだが。どうすんだ?コレ?ちなみに街に持って行くと凄い金になると思うぜ。食べても美味しいみたいだしな〗


思考に入ると時間が飛ぶのは祝福をお返ししても変わらないようだ。


「そっか。それなら持って行こうか」


〖簡単に言うなよ…どうやって運ぶんだ…〗


「前に考えた方法があるんだ。ちょっとだけ待ってて欲しい」


そう言うと俺は宙海へと移動する。


意識を拡散させて条件の合う星を探っていく。

…見つけた。


そこに向かって飛ぶ。


大気は存在しないので大気の代わりに魔力を巡らせて星を包み込む。


有害な宇宙線や物質を排除し侵入出来ないようにした。


その上で1番近い恒星からの熱エネルギーを引き寄せる割合を増やすようにする。


更に、地殻の物質を熱を蓄えられるように組成を組み直し、整頓し易いように重力は軽くなるように構成し直す。


後は戻るだけだ。


「悪い。待たせたな」


〖いや、5分も待っちゃいないんだが…何か良い輸送方法でも見つけたのか?今消えたみたいに〗


「運ぶのは今の方法でも良いんだけど、保存の方法は少し工夫しなきゃならなかったんだ。でも、これで作物でもなんでも腐敗させること無く、常温で保存が出来るよ」


〖またぶっ飛んだことを言い出すもんだな。どんな物でも腐敗から逃れることなんて出来なかろうに〗


「見てみるかい?」


〖いいのか?〗


「君たちに秘密にすることなんか無いからね」


そう言って光の壁を出現させる。


ボアを魔力で浮かべながらその先に進むと木の精霊も付いてきた。


〖ーーーー〗


何か言ってると思うのだが、何も分からない。


空気無いもんね。


魔力でパスを渡して思念で語りかける。


(ごめん。いろいろ配慮が足りなかった)


(ーあ、こうか。いや別に気にしちゃいねぇ。それよりなんだここは?辺り一面真っ暗で星がやけに輝いて見えるぞ)


(ここは宙海だよ。星の外側に広がる無限の空間さ。俺たちの住む星はあの輝きの中のただ1つなんだ)


(はー…今までで1番驚いたぜ…俺たちの住む星があの中のどれか1つってんならなんであんなに小さいんだ?人1人乗れやしないだろう?)


(それはとてもとても遠いところにあるからさ。光がどのくらいの速さか知ってるかい?)


(あぁ、光の精霊から聞いたことがある。自分はこの星を1と数える間に7周は軽く回って来れるって言ってやがったぜ。その時は笑い飛ばしてやったが…まさか…本当なのかその話?)


(ああ、それで大体合ってる。で、ここから見える…そうだな…あの星にここから移動しようと思えば、その光の精霊が5年間一瞬も休まず移動し続ける必要があるくらいには遠くに離れているのさ)


(凄いスケールの話してやがるが、全部本当のことなんだよな?)


(もちろん。そういう事を突き詰めた学問があるんだよ。ちなみに、まだ俺もたどり着いてはいないんだが、魔法もこの学問で説明がつくものらしい)


(俺たちの存在もか?)


(…それは分からない。…俺は友達を解析したりしたくは無いからな)


(じゃあ、その友達として俺がお前に頼んでもか?)


(それは…)


(悪い。無理を言ったな。忘れてくれ)


(いや、俺の気持ちの問題なんだ。いつか気持ちの整理が付いた時には協力して欲しい。頼めるかい?)


(ああ。約束する)


(さて、思わぬ話にはなったけど…ここに置いておけば腐敗することなくいつまでも状態を保存しておける。この場所は記憶しておいて直ぐにさっきの扉を開けるようにしてあるから出し入れ自由だ。という事で帰ろうか)


(ああ。)


最後に周囲をくまなく見渡した木の精霊と俺は元の森に帰って行く。


ボアに倒されてしまった木が目に付いた。


「この木もちゃんと使ってやらないとな。俺は一旦家にこれを置いてまた戻ってくるよ」


〖今度は5も数えない内に戻ってきやがったな。で、大丈夫か?この先に進んでも〗


「ああ、もちろん。よろしく頼む」


しばらく歩いていると一面に広がる綿花が目に入る。


「凄いな。俺が宙海で過ごした場所みたいだ」


〖それも気になるが…花の方はまだ種になっちゃいないみたいだな〗


「ああ。それなら大丈夫だ。綿毛にはなってるのがあるからこいつには家にそのまま来てもらおう」


慎重に根を包み込み、土ごと1株を浮かべると家に置きに行き、鉢に植え、また直ぐに戻る。


〖さて、次に行くか?〗


「ああ。よろしく頼む」


そうして採取を続け、元の地球でみかけた香辛料、種籾などを集めて行った。


特に収穫だったのは果樹だろう。時期が良かったのか結構な種類の果実を手に入れることが出来たのであった。

誤字報告、感想、ご意見は必ず目を通して返信して行きますので気が向いたらご指摘・ご意見をお寄せくださいm(_ _)m

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