ミニル
初めて投稿しています。
更新頑張ります。拙い部分も目に付くと思いますが、気長に見守って頂けると喜びます。
【またか…】
おもむろに起き上がってミニルは意識を澄ます。
【今度は大陸の…あの国か】
そうしてミニルは光に包まれ、雄々しい姿にと変わり飛び立った。
とある国。その王城内。
「ですが、良いのですか?ソフィーの地で学んだものによれば、知識を授けた者はこの技術を使ってこの世界の人々が豊かな生活を送れるようになる事を望んでいると言っていたと…」
「はっ、綺麗事よ。使える力があるなら使うものだろう」
「しかし、利己的に力を振るえばその報いを受けるという噂も…」
「くだらんな。一体どうやってその報いとやらが振るわれるというのだ?」
「それは…分かりかねますが…」
「そんな有り得もせんことに怯えてこの好機を逃してたまるか。炭鉱の採掘に使う火薬のおかげで新たな兵器が山と作れた。我が国の今の武力をもってすれば周辺はおろか大陸全土を手中にできるやもしれんのだぞ」
「………」
「他の国も技術のおかげで豊かになったと聞く。それらを支配してみろ。我が国は決して揺るがぬ大国としてあり続けるだろう」
【やれやれ…愚かなことよ…】
「なっ‼」
「誰だ貴様?」
【何故周辺の国がそれを考えていないと思うのだ?】
「護衛の兵士は何をしておった‼誰か‼」
【無駄なことよ。我の結界があるのでな】
「け、結界だと!?」
【我は神竜ミョルニル。愚かな行いに天罰を下す者なり】
光を纏い竜の姿になるミニル。
「し、ししし、神竜…だと…」
「何故だ?何故この場に…」
【知れたこと。うぬらの愚かな企みについて話をしに来てやった】
「まさか…こんなことが…」
【教えてやろう。ミーミルの教えを受け、その考えに及んだのは貴様らが最後だ。その上で、何故今まで他の国は行動を起こしていないのであろうな?】
「ま、まさか…」
【その通り。全ての国に警告をしてある】
「………」
【まったく…余計な手間を増やしおって…貴様らが余計な事を考えなければ、かの地で穏やかにあの方と過ごせるものを…貴重な時間を奪いおって…】
「………」
【いっそ1つくらいは見せしめに消しておいた方が良いのかもしれんな…のう?そうは思わんか?】
そう言ってギロリと2人を睨め付けるミニル。
「「ししし、神竜様‼ご慈悲を…何卒…何卒…」」
【はぁ…もう良い。ゆめゆめ忘れるなよ?あのお方を悲しませる故、容赦はする。しかし、同じ過ちに2度は無い。いくら世代を隔てようとも次は必ず根絶やしに滅ぼしてくれる‼】
再び人の姿に戻るミニル。
「あ、ありがたき幸せ…」「末代までしかと受け継いで参ります」
【フン。して、武器は…あそこか…】
2人には一瞥もくれずに、ミニルは歩き出し、窓から飛び上がり再び竜の姿へと変わる…
【あのお方の想いを踏みにじりおって…】
そう呟いて城の武器庫へ向けてブレスを吐いた。
景色を切り取ったように何も残さず消え去る武器庫。
ミニルが竜の姿になり飛び立ったのを見て窓に駆けつけた2人は、その光景を見た後に放心し、砕けるようにその場にへたりこんだのであった。
その後、ミーミル。
「おかえりミニル。今日は新しい3番目の列車が無事に走り出せた宴だ。大いに飲んで食べよう」
【はい。ルーク様。楽しみです】
宴も盛り上がり、縁もたけなわとなった頃。
「ミニルすまないな…いつも辛い役割を背負わせ、悲しい思いをさせて…」
【ルーク様…良いのです。ただ…】
「ただ?」
【神が私にこの役割を与えた時に裁きの時を寝て待つようにした意味が分かった気がします】
「そうだな…いつも潰さに人の愚かな行いを監視しているのは辛いだろう。だから神様は裁きに至るまでの過程を人間の自浄能力に預けたんだと思うよ」
【お分かりでしたか…】
「ああ。ミニルが望むなら今からでも…」
【ルーク様。確かに元の形に戻れば楽にはなりましょう。しかし、今日のような楽しい時間も同時に失います。ルーク様に会ってから今日までの日々は私の宝物です。この星に生まれ、過ごした長い時間の中にこんな素敵な輝きは今までありませんでした】
「そうか…」
【はい。貴方と共に在れるまではこのミニルをどうかお傍に置いてください】
「ああ‼もちろんだ。さぁ飲もう。もっともっと充実した時間にしなきゃもったいないだろう?」
【はい‼】
宴の時間はさらに賑やかに過ぎていく。
あくる日。
幸せそうな顔で樽を抱えて眠るミニル。
そんなミニルをひどく優しい顔で見つめるルークがいた。
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