No.3 運命の選択
「もう一度言っておきますが、僕は転生することは望んでいないので・・・」
「では次に、スキルを選択していただきます!」
この女神、話聞かない人なんだね・・・・
「この世界には、固有スキルのほかにすべての種族が取得できる共有のスキルがあります。そのスキルを選んでいただきますね。」
・・・・ペースに飲まれてはだめだ。落ち着け自分。
「スキルはある一定の条件をクリアすると取得することができるので、ここで選択するスキルは取得することが難しいスキルを選ぶことをお勧めします。」
・・・・よし、心機一転異世界で頑張るとしよう。そうとでも意気込まなきゃやっていられない。
「えっと、どんなスキルがいいとかありますか?」
どんなスキル・・・・どうせ生きるなら永く生きたいよな。まぁ、吸血鬼ってだけで寿命長そうなイメージがあるんだけど。無難なところは耐性なのかな?
「耐性ってスキルになるんですか?」
「はい!スキルなしでも耐性は得られるのですが、その耐性の熟練度を上げることでスキルとなります!」
「えっと、じゃあ耐性スキルお願いします。」
「はい!ほかにはどのようなスキルをお望みでしょうか?」
ん?もっととれるかな?
「耐性スキルは、とるスキルメモリが少ないのでまだまだ選べるんですよ!」
なんと。スキルメモリとな。
・・・・・・・閃いた。ちょっと聞いてみよう。
とりあえず基本的なことから聞いていこう。
「スキルメモリってなんですか?」
「はい!スキルメモリとは、基本スキルが入る容量です。一般的には100が上限なんですが、『メモリ上限解放』などのスキルを持ってる人は上限が上がります。」
これはいい。それを取ろう。
「では、メモリ上限解放もお願いします。」
「はい!残りのスキルメモリは56+?となります。いかがなさいますか?ここですべてのスキルメモリを埋めてしまうか、転生後に試行錯誤しながらスキルを取得していくか、生き方は人それぞれですからね!」
?ってなんだろうか。
「?ってなんですか?」
「レベルを上げるに応じて、メモリ上限が上がります。」
なんと。思ったよりも良いスキルだ。
よし、ここまでは順調だ。本題へ入ろう。
「スキルメモリって、基本スキルの容量なんですよね?ってことはそこから派生とかしたりするスキルは別枠のメモリがあるんですか?」
仮に、派生のスキルがもっと大きいメモリだったら有用そうな基本スキルを取っておけば派生スキルでウハウハって寸法だ。
「はい!基本スキルの熟練度を上げると、スキルを派生させることができます。派生スキルにメモリは必要ありません。」
キタ!これはもらった!これで良いスキルにありつければ一通りいい生活ができるのではないかなぁ。そうと決まったら早速ほかのスキルも選んでしまおう。そうだなぁ、身体能力が上がるスキルがいいよなぁ。
「身体能力が上がるスキルとかありますか?」
「はい、ありますよ!『筋力補正』『耐久補正』『敏捷補正』そして、それらより各値は劣りますがすべてを強化する『身体能力強化』があります。」
ふむ・・・・そこまでなにかに特化する予定とかないし、身体能力強化でいいか。
「では、身体能力強化でお願いします。」
「承りました!残りスキルメモリは36となります!」
ん・・・あとは荷物が多いのは嫌だな。なんかないかな。
「荷物とかを収納するスキルとかありますか?」
「はい!それなら、荷物を収納することに特化した『収納魔法』と、空間に作用して荷物を収納する『空間魔法』がお勧めです。」
ふむ・・・どっちでもいいな。どちらにしようか神様の言うとおり。
あ、空間魔法かな。
「空間魔法でお願いします。」
なんか適当な決め方だったけどいいよね。自分のことだし。
「はい!承りました。残りスキルメモリ26となります。」
んー、思っているよりも減らない。あとはどうしよう。特にやることもないし多芸になるのも一興だな。
「お勧めのスキルとかありますか?お金に困ったときとかに使えるようなスキルがあったらうれしいんですけど。」
まぁ、お金を稼ぐ手段は大切だよね。
「そうですね。なら、『空間把握』と『トレース』はどうでしょうか?今から貴方が転生しようとしている世界は地図が高値で取引されるので、お金には困らないと思いますよ。」
よし、それでいこう。お金は大切。お金は大切。
「それでよろしくお願いします。」
「はい!承りました。残りスキルメモリは6となりましたが、まだ選択しますか?それとも残りのスキルメモリを熟練度に割り振ってしまいますか?」
・・・・ナニソレ。そんなの聞いてなかった。この神様色々と抜けてるわ。
「そう・・・ですね。ではそれでお願いします。」
「スキルメモリ1に対して熟練度を1上げることができます。では、お好きなのをお選びください。」
うーん、上げるのがめんどくさそうなのを上げておくか。
「耐性に全部振っておいてください。」
これでいいよね。痛い思いするの嫌だし。
「はい!ありがとうございます。これで大まかな転生の手続きが終了いたしました。こちらで色々と処理することがあるので、しばらくお待ちください。」
ヴォン という音とともに女神の姿は見えなくなった。
「僕のこれから、どうなるんだろうなぁ・・・・」
呟きとともに、はぁ というため息が漏れた。
意味が分からないところがあったら申し上げてください!改稿します!