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プロローグ
初登校で拙い文かもしれませんが、よろしくお願いします。
肌に絡みつくような霧。空に瞬く星。息をするような雲。それらを照らす月光。
幻想的な、それでもって現実的な風景の中を一つの影が疾っている。
――――走るではなく、疾る。
そう表すほど、この影の移動するスピードは速いのだ。
街を縫うように、走る。疾る。奔る。
どこに行くかも不確かなような足取りでその影は疾走する。
ふと街に耳を向けると、何やら騒がしい声が聞こえてくる。
「うへぇ・・・・やっぱ落ち着いてくれないかぁ・・・・」
影が呟いた。
「どうしてこうなっちゃったんだろう・・・・・」