38 超ゾンビバスターズ
新千歳空港ICで皆と別れた俺達は、再び高速に乗り苫小牧を目指し進んでいた。
途中カギの付いた車があったので、オッサン、早見さん、内田さん、佐倉はそれに乗ってもらっている。
俺はトラクターのままだ。
何かと重宝し過ぎてもう離れられません。
そして、苫小牧西ICで高速を降り、苫小牧市街へと道を急いでいた。
焦っていたとはいえ、苫小牧の街中を大きく迂回してしまった。
なのでゾンビと遭遇する確率は高いが、真っ直ぐ行ける環状線を選んで走っている。
別れた皆には、大橋と阿澄が付いているとはいえ心配だ。
それから暫く進むと、住宅や学校等が見え始め、ようやく苫小牧市街に入る事ができた。
事故車両やゾンビを跳ね飛ばしながら進んでいると、トラクターの前に一人の男が飛び出して来た。
ゾンビかと思って轢こうかと思ったが、「助けてくれ!」と男が叫んだので急停車する。
後ろの車もギリギリ止まれたようだ。
でもオッサン、少し当たったぞ?
後ろを見るとオッサンが手を合わせて謝っている。
飛び出して来た男は、この先にある小学校の先生で、救助を呼びに外に出て来たそうだ。
小学校には、まだ数人の子供達が屋上に残ってるという。
車から出て来た早見さんが話しかける。
「あれ?イリノ君?」
「えっ?早見か?」
「うん。久しぶり」
どうやら知り合いのようだ。
しかし敬語じゃない早見さんは新鮮だな。
「札幌にいたはずじゃ?」
「こんな状況になっちゃったから逃げて来たの」
「そうするとその人達も札幌から?」
「そうだよ。皆でね」
「こっちはトマツが小学校にいるよ。他は連絡がつかない」
「皆、無事だといいけど」
他と相談した結果、俺達は小学校に向かう事にした。
早見さんの友達のためならしょうがない。
子供を見捨てるのも嫌だしね。
イリノ君をトラクターに乗せ案内してもらい小学校に着くと、屋上には六人の小学生と一人の女性がいた。
ゾンビ?サクッと停止させたよ。
でもさっき使ったばかりなのに、久しぶりに使った気がするのは気のせいかな?
力の事はイリノ君には軽く説明しておいた。
「アナ、トマッチャン!」
「ツル、ハヤミー!」
「会えて嬉しいよ」
「私もよ」
久しぶりの再会に抱き合う二人。
最初に言い掛けたのが気になるが、ここはユリユリを楽しむ所だろう。
暫く堪能したあと、イリノ君に話しかける。
「それで助けたのは良いがこれからどうする?」
「ここから東へ行った所にある高校に、友達がいるから様子を見に行こうと思う」
「子供達は?」
「あそこにスクールバスがある。カギは持ってるいるんだが、ゾンビが邪魔で動かせなかったんだ」
「ああ、あれか。それじゃあ行くか」
「一緒に来てくれるのか?」
「友達の友達は友達だろ?」
「ありがとう。超ゾンビバスターズ結成だな」
「なんだそれ?」
「いや、こっちの話だ」
意味がわからないし、早見さんも「友達、友達」と不満そうに呟いているし、あまり気にしないでおこう。
俺達は何事もなくバスに乗り込み、小学校を後にする。
その間も力を使いまくり、子供達から恐れられたので少し寂しい。
「さあ、皆!そっちはほっといて遊ぶッスよ!」
と佐倉がフォローしてくれたので嬉しかったが、ほっとかれるのも寂しいぞ?
他は、内田さんはトマツさんにアプローチ?をしており、オッサンは足が臭いので避けられている。
ドンマイ、オッサンと俺。
しかしやっぱりこの力はチートだよな。
展開が楽で良い。
イリノ君の案内で到着した、友達がいると言う高校は既に壊滅していた。
校庭も校舎の中も捜索したが、生存者は誰もいなかった。
ゾンビの中にも友達はいないみたいだ。
ただ頭に釘が刺さっていたゾンビが気になる。
「どうする?」
「ここから更に東へ行った所にも高校がある。もしかしたらそっちに非難したのかも」
「それじゃそっちにも行ってみよう」
「助かる」
高校を出て交差点に差し掛かると、炎上したバスが転がっていた。
大き過ぎてトラクターでは動かすのが無理だったので、道を迂回してから次の高校へ向かった。
そして到着した高校には無数に倒れたゾンビと、その中心に佇み高笑いをあげる女性がいた。




