09ミスリルメイ4
「災難に見舞われる」と言われたからと、ここで退いたら冒険者の名折れだ。
だからと言うわけではないが、一行はその忠告を無視する事に決めた。
彼らが得ている情報によれば、この遺跡には古の『ミスリル鍛冶師』が、封印の眠りに着いている筈であり、その鍛冶師を連れて行くのが今回のお仕事である。
そしてかの『ミスリル鍛冶師』は、溢れんばかりの才能を妬まれて、この場所に幽閉されたと聞く。きっとこのメッセージも嫉妬に狂った輩の戯言に違いないのだ。
「しかし『恐ろしい災厄』と言わぬ辺りが、ワタクシには逆に恐ろしいのですが」
などと一行の探索係である酒樽紳士が呟くが、皆、あえて聞こえぬ振りをする。行くと決めた以上、不安になる情報などもう聞きたくない。
「よし、行くぞ」
レッドグースが丹念に調べた後に、アルトが腰の差し料に手を掛けたまま慎重に金属の扉を押す。鉛のひんやりとした感触が手から伝わり、アルトは一瞬身震いをした。
扉の先は当然暗かったが、開けた事で差し込んだ日の光で覗き込んでみれば、一人が通るのがやっとな幅の、急な下り階段がある。
レンガ塔がずいぶんと細いと思ったら、遺跡本体は地下にあるようだ。
「ひとまず、危険は無さそうだな」
眉の上に掌をかざし暗い階段下を眺めて、アルトはホッと一息つく。階段の突き当りにはドアがあるように見え、そこまでの間に怪物や敵らしき影は無い。
「ではお邪魔しますかの」
それを聞きつけたレッドグースは、すかさず松明を灯してアルトの脇をすり抜け、下り階段へと足を踏み出した。通路の罠を疑って進む為だ。
ゆっくりと壁に手をつき、視線を鋭くあちこちに這わせながら急階段を進む。松明なので淡い光ではあるが、それでも狭い通路を照らし上げるには充分だった。
そして突き当りへたどり着く。
アルトが先に見極めた通り、そこにはやはり鉛製のドアがあった。ドアにはまた、魔法語の短文が刻まれていた。
「『この先、進むべからず』だって」
スキル『言語学』でアルトが読み上げると、一行に緊張が走った。
上の扉に続き、これで2度目の警告である。本当にこのまま進んでも大丈夫なのだろうか、と言う不安が再度生まれる。
本当にただの妬みで封じられた『ミスリル鍛冶師』がいるのだろうか。もしかすると、大きな思い違いがあり、実は魔王でも眠っているのではないだろうか。
ドアの罠を調べ終えたドワーフに場を譲られ、アルトは重厚なドアを前に冷や汗と共に固唾を呑んだ。
「ホ、ホントに行く?」
「そお訊かれると、難しいところやね」
一同の中でアルトの及び腰ばかりが目立ってはいるが、皆、元々平和ボケした日本人である。それがこうも厳重に忠告されると、回れ右したくなるのも仕方が無い。
さらに言えば、問題に対する解答を出した所で「ファイナルアンサー?」などと問われると、とたんに不安になるのもよくあることだ。
一同は暗い急階段の下、鉛のドアの前でしばし立ち往生である。
「アタシは借金無いから、どっちでもいいにゃ」
「よし、行こう」
結局、このねこ耳童女の一言で、決心せざるを得なかった。
上の扉同様に鍵はかかっていない様で、アルトが慎重に押すとドアは素直に開いた。
先日ある縁で訪れた、とあるレストランの扉に比べてずいぶんとスムースな開閉振りで少しビックリだった。遺跡だと言うのに、誰かが手入れでもしているのだろうか。
「いえ、劣化防止の魔法でしょうね」
疑問に答えるのは、マーベルのベルトポーチがすっかり居所として定着した、薄茶色の宝珠だ。
言われてアルトは納得する。そう言えば、大魔法文明時代の遺跡が綺麗に残っているのは、そうした魔法が今でも効いているからだと、以前にも聞いた事を思い出した。
疑問にひとまず区切りをつけて、開いたドアから先を覗くと、やはり狭い廊下が少しだけ伸びて、その先にまたドアがあった。
今度のドアは木製で引き戸の様だった。
「一本道やね。迷わんでええけど」
「この規模なら『実は封じられてるのは魔王でした』って事は無さそうですな」
モルトが拍子抜けとばかりに洩らすと、レッドグースは先のアルトの不安をあげつらえて言う。一瞬、憮然とするアルトだったが、すぐに思い直して頷いた。からかわれた事より感心の方が強かったからだ。
確かに、本当にすごい災厄が封じられているなら、もっと厳重で、もっと仰々しい神殿でも用意しそうなものである。
少しばかりの安心を得て足取り軽くなった一同は、酒樽体型のドワーフを先頭に短い廊下を進み、木製引き戸前までたどり着く。
ここまでたどり着く前の、2枚の鉛扉に比べると、引き戸はいかにも貧相で、その上、何度も開け閉めしたような使用感があった。
「誰か住んでるんじゃないだろうな」
「ふむ、確かに。かすかな物音がしますな」
緊張から軽口とばかりに呟いてみたアルトだったが、ドアに聞き耳を立てたドワーフ中年の即答で、ギョッとして息を潜めた。他の一同も急ぎ両手で口を塞ぐ。
「何人にゃ?」
小声でマーベルが訊ねる。が、レッドグースは曖昧に首を傾げた。
「足音は聞こえませんな。ですが、何かが動く音がかすかに聞こえる気がするのです」
物音はするが足音はなし。さて何だろうと一同は頭を捻る。
「何かの装置とかやろか?」
「それならティラミスの出番でありますな」
「いや、足音を立てない怪物かもしれない。這いずる、ナメクジとか」
「ふむ、強いて言えば衣ズレの音に近いですな。後は水の音?」
いそいそと額を寄せ小声で話してみるが、ちっとも具体像が浮かばなかった。結局、その後に出た、ねこ耳童女の言葉に従うしかなかった。
「もう面倒にゃから突撃かけるにゃ」
色々と悩んでも、最終的には進むか退くかの2択なのだ。
まず先頭。引き戸の正面にアルトが立つ。腰を低くし、左手を『胴田貫』の鞘、右手を柄に添え、いつでも抜打ちできる構えだ。
そしてそのすぐ脇。アルトの足元に身体を預けるように身を屈めているのがマーベルだ。彼女の役割は引き戸を開けることである。
これが普通の押し開けるタイプのドアならば、アルトが蹴り開けながら突入するのも容易だ。
しかし、今、対峙するのはスライドドアである。足で開けるのは困難だろうし、手で開ければ、その分、抜打ちするにもタイムラグが発生してしまう。
そこまで考えた上での配置だ。
だが、得意げな高校生コンビのフォーメーションに、薄茶色の宝珠は苦笑いを漏らすばかりだった。
「まぁ、戦闘が始まったら敏捷順の行動になりますから、その一瞬のタイムラグは関係ないんですけどね」
とはいえ、まったく無意味でもない。これだけ警戒と心構えをしておけば、イザと言う時に先制攻撃を受ける可能性が低くなるだろう。ラウンド制バトルのこの世界で先制攻撃を許すと言う事は、1ラウンド丸々、何もせず蹂躙されると言う意味なのだ。
ちなみに抜き身で突入しないのは、一応前回の反省からの発想だ。もし相手に敵意が無かった場合、刀身振りかざして突入すれば、何の大儀も立たないのである。
「開けるにゃ」
「おう」
リズム良くやり取りすると、マーベルは勢い良く戸を引き開け、同時に後方へと転がった。立ち回りが始まった時に、アルトの体捌きを邪魔しない為だ。
アルトは開かれた戸の内部に素早く視線を渡す。この一瞬で彼が判断すべき事は割りと多い。部屋の広さ、家具類の有無、中の者の動向。そして敵か味方か。
しかし、この若いサムライはその重要な判断を下しあぐねた。なぜならその部屋の光景は、完全に彼の想定の範囲外だったからだ。
部屋は六畳一間。中央に「ちゃぶ台」としか表現しようの無い、低い丸テーブル。そして彼らに背を向けるように、テーブルに着いて正座しているのは白い骸骨であった。
「え?」
先走って抜き掛けた『胴田貫』を鯉口に収めて、ポカンと口を開けるアルト。もう一度目を擦ってよく見れば、骸骨は両手で湯飲みを持っているし、テーブルには急須や茶筒が並んでいる。レッドグースが聞いたかすかな水音は、茶を注ぐ音だったのだろうか。
そして骸骨のちょうど向かい辺りのテーブル上には、先の潰れた黒い『鍔広三角帽子』が無造作に置かれていた。
「え?」
あまりに予想外すぎて頭が真っ白になったアルトは、助けを求めて仲間を振り返る。しかし仲間たちもまた同様にポカンと口を開けていた。
しばし沈黙。するとどこからとも無く声が降って来る。
「おうおうおう、ノックも挨拶も無く開けるたぁ、どういう了見でぇ。お母ちゃんに見られるとマズイ類の書物を熟読中だったらと思うと、怒りを通り越して恥ずかしくなって来るじゃねーか」
非常に良く通る渋い小父様声なのだが、言っている内容が非常にアレだった。
もしやこの白骨が喋っているのかと注目してみたが、彼は「我関せず」とお茶をすすっている。当然、骸骨なので口内を通った液体は、そのまま膝を濡らした。
「どこを見ている、このとんちきボーイアンドガール。俺様が美男子過ぎて、眩しさのあまり視界に入らないのかあい?」
そう言われても、と一同は今一度部屋を見回してみる。あるのは正座する骸骨、ちゃぶ台セット、そして『鍔広三角帽子』だけだ。
と、その時、『鍔広三角帽子』の黒い地に、血の様に赤い穴がベロンと広がった。いや、穴ではない。どうやらそれは口だった。
「帽子が喋ったにゃ!」
瞬間、目を輝かせたねこ耳童女が、ヌルリと素早い身のこなしで、ちゃぶ台上の『鍔広三角帽子』をゲットする。ゲットして、ひっくり返したり引っ張ったりする。
「ぎゃー、何しやがるこのロリっ娘め。痛い痛い痛い。やるならもっと優しく、こう、撫でる様に、気持ちよくなる様に」
だが無視して、かの帽子を指先でクルクルと回し始めるねこ耳童女。
「やめてー、とめてー。怖くておしっこ漏っちゃうよー」
これが非常に良いバリトン声なので、奇妙としか言い様がない。マーベルはいよいよ気持ち悪くなって来たのか、眉をひそめて『鍔広三角帽子』を骸骨の頭にそっと乗せた。
「ふぃー。酷い目に会ったぜ。だがあのねこ耳っ娘め、俺様に恐れをなしてついには退きおったわ」
「ええと、なんやろこれ」
「うむ、その、何でしょうな。ただ、無性にイラっと来ますな」
目を瞑って聞けば、ナイスミドルが目蓋に浮かびそうな声色で言われているだけに、小馬鹿にされている様にも聞こえるのだ。しかも目を開けてみれば、その正体は奇妙な帽子だから唖然とする。
だが理解が追いつかない面々など置いてけぼりで、かの黒帽子は大口を歪めていやらしい笑いを浮かべる。
「さあて、お前らよくも俺様を弄んでくれたな。目ぇーにモノ見せてくれるぜ? 先生! やっちゃって下さい」
その言葉の先は、彼の身の下にいる白い骸骨だ。骸骨はゆっくりと頷いて、両手で持っていた湯飲みをちゃぶ台に置いた。
「でも骸骨やろ?」
「ええ、骸骨ですね」
骸骨は低レベルの不死の怪物だ。先日、別の場所で会って見知ったので、特にスキルもロールも必要なく判別できた。
この言葉に黒い『鍔広三角帽子』はカチンと来たらしい。
「おうおうこの方を、そんじょそこらの、ただの骸骨と思うなよ」
「なんにゃ?」
手拍子気味にマーベルが問う。奇妙な帽子は骸骨の頭上で誇らしげに鼻を鳴らした。
「寺社生まれの骸骨Tさんとは、あ、このお方のことでい」
この辺りで、黙って聞いていたアルトの何かがプチンと切れた。
「破ぁ!」
掛け声と共に『胴田貫』をスラリと抜き放ち激しく打ち下ろす。それは戦闘フェイズもラウンド制もブッチぎるほどの唐突さだ。
大上段蜻蛉の構えから繰り出される手練た一撃は、骸骨の左肩から右脇腹までを、まるでバターの様につるりと斬り裂き、すぐさま返す刀が横薙ぎに胴を真っ二つにした。一撃必殺、クリティカルヒットである。
「GM、『ツバメ返し』使いました」
「承認、しました」
なぜか事後でも許可が下りてしまう不思議あった。
ルール的に言えば、アルトの急襲により戦闘フェイズが開始され、他メンバーの手番をすっ飛ばし、そして一撃の下に終了した。と言う体裁だろうか。
「お前もやんのか、ああ?」
「ひえええ」
はらりと落ちた『鍔広三角帽子』は、この物騒なサムライのギラリとした視線にその心を折られ、床にジワリと水溜りを作った。
「お、お茶ですから」
すこし黄色がかった液体に思わず目を背けた面々に、黒い帽子はおずおずとそう言い訳をした。
お茶とは言え、畳にシミを作ったままにしておくのは、精神衛生上よろしくないとの事で、モルトは部屋から雑巾を探して後片付けを始める。ついでにマーベルは残骸となった骸骨を箒で集めて、部屋の隅へと追いやった。
10分ほど掛けてあらかた片付くと、各々はちゃぶ台の周りに集まり、勝手に席を決めた。ちゃぶ台の中央には、件の生きた帽子がそっと置かれる。
「これ、どうするにゃ?」
マーベルが矢筒から矢を1本取り出し、ちゃぶ台上の謎帽子をつつきながら問う。しかしその答えを持つ者は今の所いない様だった。
「どうしましょうなぁ。まぁ良く燃えそうですな」
「いらないならティラミスの研究材料にするであります」
酒樽と小人の不穏な会話に、かの帽子は一度ビクンと震えてちゃぶ台から跳ね上がり、そのまましばしフヨフヨと滞空する。先程、戸の前で聞き耳を立てたレッドグースが聞いた衣擦れは、彼が飛ぶ音だったようだ。
「そそそ、そんな辱めを受けるくらいなら、いっそ殺せ。さあ殺せ」
帽子はもう自棄になってちゃぶ台にビタンと落ちて潰れた。人間で例えれば、大の字になっているイメージだろうか。
「え? 殺せ?」
「ぎゃーらめぇ、僕チン何も悪くないんですぅ。善良なナイスガイなんですぅ」
アルトが片膝をたてて『胴田貫』の鍔を鳴らすと、帽子はすぐさま元の様にシャッキリと鎮座しなおした。アルトもまた、小さく舌打ちしてから元の様に座りなおした。
まだ数分と経っていないと言うのに、皆この帽子との会話に疲れ始めた所で、モルトがちゃぶ台に肘を突きながら言う。
「結局、あんた何なん?」
「ふん、俺様みたいな立派な侠を前に、よくも『何者か』などと問えるものだ。ところで、カラスと机が似ているのはなぜ?」
一同、もうこのいかれた帽子と会話する事を諦めた。
おかしな『鍔広三角帽子』は捨て置く事として、一行は改めてその六畳一間を見渡した。
すると入って来た引き戸の向かいの壁に、もう一枚、引き戸がある。アルトは溜まったイライラをぶつけるかの様に、無言で進み勢い良く開けた。
その途端、頭上から金ダライが落ちてきた。
グワンと派手な音をたててアルトの脳天にヒットしたタライは、そのままゴロンと床に落ち、また派手な音をたてる。同時にいかれた帽子がけたたましく笑い出したので、若サムライは大股で戻って帽子を床に叩き付けた。
マーベルが続けてタライを帽子に被せて、なぜか部屋の隅にあった漬物石を置くと、アルトの溜飲は幾らか下がったようで、険しかった顔付きが少し戻った。
「グレたアルト殿が更生しましたな」
その様子に酒樽紳士と頭上の小人は大きく頷くのだった。
ちなみにタライがアルトにヒットした時、薄茶色の宝珠の内部で『ダメージダイス』が振られたが、最終的には『鎖帷子』の防御力で事なきを得た。頭に装備が無いのにダメージは減少される、と言う矛盾は言いっこ無しである。
さて、この部屋を出ると、また細いレンガ造りの廊下だ。今度は少し歩いた先で左右に分かれており、正面の壁にはまた魔法語が刻まれていた。
「『進むなと言ったのに』」
素直にアルトが読み上げると、一同は困惑気味に眉根を寄せた。3度目の忠告文だが、だんだん内容が御座なりになっている様な気がする。
先のいかれ帽子のせいで緊張感や不安は吹き飛んだが、一同はやはりどうしたものかと思案した。
今度は進むか退くかではなく、右か左かの選択だ。通路を覗き込めば、どちらもすぐドアに突き当たっているようだった。
「また何か書いてあるんやないの?」
思いついてモルトが言葉を投げかける。忠告の意図の逆を突けば、新たな忠告文がある方向が当たりと言う事になるだろう。と言うのが、その後続いたモルトの論だ。
「なるほどなるほど。ではアルト殿」
レッドグースはカストロ髭を撫でつつ感心して見せてから、前衛係の背中を押した。アルトは臆病風を思い出した様で、ビクビクしながらも渋々両通路を数歩進んでドアを確かめた。
果たして、どちらのドアにもメッセージはあった。右側のドアが『寝室』。左側のドアが『浴室』だ。
そして調べた結果、どちらの部屋も室名札どおりの部屋だった。
「こりゃ迷宮入りであります」
「もうとっくに入ってますがな」
などと迷走しつつ調べまわると、『進むなと言ったのに』のメッセージがある壁に、隠し扉があった。
開けて進むと、『玄室』と言う室名札と共に『来ちゃったか。もう知らないんだからね』と殴り書かれた、少し立派な造りの扉があった。
「もう少し妹っぽく読み上げてくれませぬか」
それがメッセージを読んだアルトに対する、おっさんの感想であった。男子高校生に妹っぽさを要求する当たり、男の娘もいける口なのかもしれない。
ここだけには鍵が厳重に掛けられており、レッドグースは自分のリュックから見慣れぬ小箱を取り出し、中に入っている細長い道具類を手にして扉に挑んだ。これが『盗賊』の七つ道具、『スカウトツール』だ。
さて、しばしの時を費やして、鍵を開き、罠の存在も調べつくすと、いよいよ封じられた天才とご対面だ。
先頭のアルトが固唾を飲みながら、慎重にドアノブを回して押し開ける。
「こ、これが伝説の『ミスリル鍛冶師』」
少しだけ埃臭さを感じさせる薄暗いレンガ造りのその部屋には、黒く縞模様のある艶やかな台座と、その中央に突き刺さる一振りの『短刀』があった。
台座には魔法語で『災厄の魔術師メイ、起すなかれ』と書かれていた。




