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紫苑 5


 調子が良かったのは、ほんの数日だった。

 また、寝たままになる。

 呼吸が苦しそうだと、ママが心配している。

 

 夜、舞ちゃんに運転してもらい、わたしは酸素濃縮機を抱えて助手席に乗り込む。

 濃縮機はかなり重い。太ももにズシリとくる。

 足、しびれそう…。


 道路には相変わらず車は多いけど、流れはいい。

 いつもの道を快調に走る。


 『いつまで、この往診は続くのかなぁ...』

 ドアからのすきま風が、濃縮機を支える左手に当たる。

 『ここまでしてあげられるのは、この子が最後かもしれないな』

 開業してから、何かあった時には往診であちこち飛び回って来たけど...。

 正直、ちょっと疲れた。

 そんな元気も、これで終わりかも。

 濃縮機に遮られわずかに見えるフロントガラスの外の景色を見ながら、わたしはそんなことをぼんやりと考えていた。 



 到着後、機械をセッティングして使い方をママに説明する。

 そして実際に酸素を吸わせてみる。

 「少し、楽そうな気がします」

 ママがちょっと安心した様子。

 しばらくは、動いたりして苦しそうになったときに使ってもらおう。


 「これからのことだけど...」

 わたしはママに話し始めた。


 そろそろ、シオンをどうやって見送るか考えてもらう時期だ。

 呼吸が苦しいのはかなりつらい。



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