第12話 親睦会
あの後、村長からキョーヤとの親睦を深めるようアドバイスを受けて一旦自宅に帰ってきた。
本日休業の札を入り口に掛けてお店のカウンターに座って一人村長に言われたことを考える。
「親睦、か」
召喚したのは私だけどキョーヤのことは《武具鑑定》の内容しか知らない。どういった性格なのかわからないけど、村の片付けを二つ返事で手伝ってくれるわけだから悪いやつではない、と思う。
それにキョーヤにはまだ同意を求めていないがこれから旅をするかも知れないのだ。村長が言うように親睦を深めておいて損はないだろう。
でも親睦を深めるって何をしたらいいのだろう?
テーブルの上に肘をつき、両手をあごの下に置いて足をブラブラさせながら考えてみるがいいアイデアが出て来ない。
ガチャガチャ!
「!?」
突然、入り口のドアが何者かに開かれようとするが鍵を掛けていたので当然開かない。
「話は聞かせて――って、何これ鍵かかっているじゃないですか!? ちょっとフィー? いるんでしょ? 考えてるんでしょ? 開けてくださいですの~!」
……どうやらまたベルが入り口に居たようだ。
なんで鍵が掛かっていないと思い込んでいたんだか。
あまりにガタガタとうるさいので仕方なく入り口を開けてあげると、
「フィ~、鍵を掛けておくなんてひどいですぅ~。……えー、オホン、話は聞かせてもらいましたです! 親睦を深めるなら食事をするのがいいと思うのですよ、三人で!」
半泣きの表情で入ってきたベルが思っていたよりまともなこと言った。
「おー、なかなかいい案かもしれないね。で? 誰がその料理を作るの?」
「それはもちろん、フィーが!」
「ベルが食べたいだけでしょ!」
ぺしっ、とベルの頭に軽く手刀を入れる。
「う~、フィーが意地悪です~。いーじゃないですか、フィーの作る料理は美味しいんだから親睦も絶対深まると思うのですよ?」
涙目で頭をさすりながら、上目遣いになるベル。
「あーもうしょうがないか、他にいい案もないしね。でもベルも手伝いなさいよ?」
「手伝う手伝うです! やったぁ! フィーのご飯~フィーのご飯~。あ、ならキョーヤ様に伝えて来るのですー」
よほど嬉しかったのか、両手を上げてその場でクルクルと回るベルだったがキョーヤのことを思い出してお店を飛び出していった。
「あ、ちょっとベル! って行っちゃったか……。仕方ない一人で献立考えるか」
~~~~~
私の家で行った食事会は大成功に終わった。
私の作った料理は好評で(特にベルに)あっという間に無くなってしまった。
「「ご馳走さん」」
「お粗末様」
キョーヤとベルに料理を振る舞った私は片付けに入りながら、声をかける。
「しかし、まさかキョーヤがこの世界とは違う異世界から来たとはびっくりしたよ」
「ですよね。魔法が無いとかカガクが発達しているとか信じられないことばっかりですよ!」
「それはこっちの台詞だって。魔法が一般的で魔物がいてエルフやドワーフとか異種族がいてドラゴンまでいる。どこのラノベの世界だよ」
さりげなく片付けを手伝ってくれるキョーヤ。
それを見て慌てて手伝うベル。
「しかし二人とも今更だが俺のこと怖くないのか? 元いた世界だとめちゃくちゃ怖がられて女の子なんて話しかけてもくれなかったんだぜ?」
片付けをしながら、目線を逸らせて自嘲気味にキョーヤがは聞いてくる。
「別に? お店に来る冒険者なんて大概目がギラギラしてるし、魔物はもっとも怖いからキョーヤなんて普通だよ。キョーヤみたいな目の人、何となく見たことあるしね」
「私も全く平気です! 一生傍で見ていたいくらいです。むしろキョーヤ様を見て怖がっていた人達に小一時間説教したいくらいですよ!」
「ははっ、二人ともありがとな。そう言われたのは初めてだ。あ、そうそう俺の名前は『響也』な。『響也』。微妙にイントネーションが違うのが気になってて」
「キョーヤ? ……キョウヤ? ……響也? こんな感じで合ってる?」
「ああ、そんな感じだな。この世界だと珍しい名前なのか?」
「響也様響也様響也様! もう、バッチリです!」
「この国ではあまり聞かない名前なのは確かね。他の国や種族はわからないけど」
「そうかぁ。ならしかたないのかもな。あとベルニカ、『様』付けされて呼ばれるのはちょっと勘弁し――」
「駄目です! イヤです! 呼びます!」
「――てくれ、そうもないか」
「あははは、ごめんね響也。ベルは普段は融通が聴くんだけど、こうなると頑固だから」
片付けも終わり、一息ついたところで響也から色々聞きたいことがあるとのこと。
「この世界について一般的なことは食事中に聞いたがスキル、特にフィリスの《武具召喚》について詳しく教えて欲しい。本来なら武器や防具を召喚するすきるなんだろ? なんで俺が召喚されたんだ?」
「ですねー、響也様の格好良さは戦略兵器並みに強力ですが何で《武具召喚》で召喚されたのかは私も不思議でした」
響也とベル、揃って同じ疑問を抱く。
「そんなの私の方が教えて欲しいくらいよ。響也は間違いなく私が《武具召喚》で召喚している。けどそれ以前もそれ以後も《武具召喚》は使えていない。さらに言えば、何で響也の武具としてのランクはそんなに高いのか? 正直、わからないことだらけね」
私はお手上げと言った感じで肩をすくめる。
「それなんだけど、俺の能力ってどんな感じになってんの?」
「あ、わたしも気になってたです」
「いいわ、《武具鑑定》の結果を書き出してあげるからちょっと待ってて」
「……え、なんですか、この能力って!?」
そうして書き上げた各種数値を見てベルだけが驚愕の声をあげるのだった。
名前:響也 鈴重
種族:人間、特具
年齢:17歳
召喚者:フィリス・リンブル
ランク:王具/神具
属性:闇
固有魔法
☆深淵の軌跡
☆過回復
レベル:1→2
耐久力:100%
攻撃力:B+
防御力:B→B+
敏捷:C
魔力:C+
所持スキル:
☆自動治癒
非戦闘中に限り一時間辺り五%耐久値回復。
☆極絶
任意の対象(複数可能)を強制的に状態異常にする。使用者と対象の力量差及び使用するレベルで成否が変動する。
(レベル1:不安、レベル2:恐怖、レベル3:混乱、レベル4:発狂、レベル5:死)
☆手負いの獣
耐久値が減れば減るほど攻撃力アップ
☆光属性耐性
光属性の特効無効
☆慣性無視
慣性による影響を受けない
☆別の表面
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☆フォクキャピティの残滓
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