第10話 部活動探し
今回は天音が人生の王手を積まれますwww
それと自分が入る部活動を探しに行きます。
「天音!クラス代表戦、優勝おめでとー!!」
「「「おめでとう!」」」
パチパチパチ!
夜の食堂にてクラスメイトみんながお菓子やジュースを持ってきて俺の優勝祝いをしてくれていた。
「あはは、どうも……」
クラス代表戦はあの後無事に勝ち上がり、優勝することが出来た。
トーナメントで一番強かったのは鳴神さんだった。
後のみんなはそこまで苦戦することなく倒すことが出来た。
だけど、一つだけ腑に落ちないことがあった。
それは鳴神さんの時の戦いで見せた鳳凰剣零式の形態変化だった。
アーティファクトにはその姿形や能力を大きく変える『形態変化』が存在する。
能力や契約聖獣によって形態変化が出来るアーティファクトがある。
だけど、鳳凰剣零式が形態変化出来るとは知らなかったし、白蓮もどうしてあの刀の形になったのか分からないと言っていた。
そして何より、俺の脳裏に響いたあの声の主……多分女の子だと思う声が特に気になる。
「何だったんだろうな、あの声……」
「天音、どうしたの?」
千歳がジュースを片手に俺の隣にぴったりとくっつくように座る。
「千歳、近すぎ……」
「いいじゃん、だって私達は恋人同士なんだから♪」
「は?……はっ!?」
そ、そう言えば……俺がクラス代表戦で優勝したら千歳と恋人同士に……しかも仮に負けても許婚になると言うどっちに転んでも俺の人生が勝手に決められてしまうという罠に……。
「い、いや、あれは俺は承諾してないし……」
「えー?これを見ても?」
そう言うと千歳は綺麗に折りたたまれた和紙を取り出した。
あれ?あの和紙って蓮宮神社で使う高級和紙だよな……?
ものすごく嫌な予感が……。
千歳から渡され、恐る恐る開くとそこには見覚えがある筆の文字で恐ろしいことが書かれていた。
「えっと何々……?『蓮宮天音と天堂千歳を許婚とする』……はぁああああああああああーっ!??」
それは俺と千歳を許婚として認める契約書のようなものだった。
「ちょっ、ちーちゃん!いつの間にこんな……蓮宮時音、蓮宮六花、天堂悠斗、天堂千聖……マジか、親父と母さん、それに千歳のご両親の名前とそれぞれの拇印まで……」
筆でしっかりとそれぞれの名前が書かれていて、その下には朱肉を付けた人差し指で押した拇印まで押されていた。
これは紛れも無い本物だ……まさかこんなものまで用意していたなんて……。
「あははー、この前こっそりと蓮宮神社で作ってもらいました♪」
「あんの、アホ両親がぁああああああああああっ!!?」
今頃俺と千歳の将来を楽しみにしてニコニコしているお気楽極楽のアホ両親の顔が目に浮かぶ。
「こ、こんなもの、破り捨てて……あれぇっ!?」
破り捨てようと両手に思いっきり力を込めるが、和紙がまるで鉄の板のように堅く、破り捨てることなできなかった。
「これは霊操術……!?まさか、この霊力は……!?」
和紙に誰かの霊力によって霊操術が掛けられていた。
こんな霊操術を使えるのはあの人しかいない!
「あ、それは天音のお師匠さんがかけてくれたよ」
「師匠のバカァアアアアアアアアアアアーッ!!!」
俺が尊敬する先代蓮宮当主であり、俺の剣術と霊操術の先生である師匠にも裏切られ、俺は頭を抱えていつも笑顔の師匠に向けて思いっきり叫んだ。
「みんな聞いたか!?天音と千歳が親公認の許婚になったぞ!!」
「恭弥!?」
「すげぇな。やっぱ神社の子は俺たちとは住んでる世界が違うなー」
「蓮宮神社は結構有名だから続けるためにもそれなりの家柄に後継者も必要になるからな」
「天堂家のお嬢なら申し分無いな」
「いいなー、天堂さん。私も彼氏欲しい!」
「いやー、前から思っていたけど二人は学年ベストカップルだね」
「うう……私、蓮宮君を狙っていたのに……」
恭弥の一声でクラスメイト達が納得したり、祝福したり、羨ましがったり、絶望したりと色々な感情が入り混じっていた。
まずい……親からだけでなくクラスからも公認として認められていく。
「天音、良かったな!」
「恭弥……お前、楽しんでいないか?」
「楽しんでる?ははは!当たり前だろ……お前を弄り、困った顔を見るのが俺の楽しみだからなぁ!!」
「てめぇ……覚えておけよ……」
俺を弄ることに生き甲斐を感じている親友に後で制裁を下すことを誓った。
『いやー、千歳は凄いですねー』
『流石は私の契約者……叔母上の如き手の速さ……』
『その言い草……もしかして銀羅の叔母上ってあの伝説の……?』
白蓮達が何か話しているが、今はそれを気にしている暇はない。
「……千歳」
「ん?なーに?」
「その……まだ恋人とか許婚とか、あまり実感がなくてすぐには答えは出せない。だから……待っててくれるか?」
「んー……今すぐ答えを聞きたいけど、わかった。待ってあげる」
「で、でも!」
「でも?」
これから言う言葉はある意味今の俺が言える最大級の告白で顔が思わず真っ赤になってしまう。
それにしても……首を傾げてキョトンとする千歳は可愛いな……ああもう、はっきりと答えを言えない自分が憎い。
「えっと……か、必ず千歳の期待に応えるようにするから……」
「ああっ……やったー!天音がデレたぁ!」
「デ、デレたって何だよ!?って、くっつくな!!」
千歳は俺に強く抱きついて今すぐにでもキスをしようとしていたのでそれだけは阻止した。
流石にクラスメイト達が見ている前ではキスを見られるのは物凄く恥ずかし過ぎる。
「確かに天音がデレるのはレアだな。普段は少し素っ気ないからなー」
「恭弥!お前はいい加減黙ってろ!」
更なる頭痛に悩まされながら今日はクラス代表戦に謎の声と鳳凰剣零式の形態変化、そして最後はトドメと言わんばかりに俺と千歳が両家両親とクラス公認の許婚になってしまった。
濃厚過ぎる一日の出来事に俺は精神的にも肉体的にも疲れてしまい、大きなため息をこっそりと吐いた。
☆
クラス代表戦から数日後。
また平穏な学園生活が送られている中。
「うーん。どうするか……」
俺は柊先生から配られた紙と睨めっこをしていた。
その紙には『部活動参加用紙』と書かれていて、つまりはどこの部活に所属するのか用紙を提出しなければなら無い。
基本的に部活動は事情が無い限り極力所属するようになっている。
だけど、俺は何処の部活に入るか物凄く悩んでいる。
「天音、何してるの?」
「千歳……部活動、何に入るか悩んでいたんだよ」
「部活?天音なら剣道部とかが良いんじゃない?この前上級生からスカウト来たじゃん」
「そうだけどな……」
クラス代表戦の後、剣道部主将の三年生の先輩が教室に押しかけて、俺に剣道部に入らないかとスカウトしてきた。
一応検討すると言ったが、正直のところ俺は入部するつもりはあまりない。
「俺はのんびりしたいからな……文化系に入ろうかな?」
「えー?勿体無いじゃん」
「まあ、そう言うなって千歳。実際問題、天音と対等に渡り合える奴がいないんだからよ」
そこに恭弥も来て話に割り込む。
恭弥とは中学時代からの馴染みなので俺が部活動を渋る理由を知っている。
「こいつは中学時代にも剣道部にスカウトされて、一応仮入部はしたんだけど……五歳から蓮宮流剣術を学んで、十歳から師匠さんや兄弟子と一緒に実戦投入されて戦ってたんだぜ?対等に渡り合える奴なんていない、正に別次元の剣だったんだよ」
「それもあって、どうも剣道部には馴染めなくて仮入部だけで辞めて、帰宅部にしたんだ。もっとも、帰ったら師匠から修行や蓮宮の仕事とかしていたから暇じゃなかったけど」
「そうなんだ……実は私もどうしょうか悩んでいるんだ。射撃部とサバゲー部からスカウト来てて……」
射撃部とサバゲー部か……確かに千歳と銀羅のアーティファクト、無幻九尾銃ならスカウトされても不思議じゃないな。
「でも、何かこう……グッと来なくてね。どうせなら天音と一緒が良いかなって」
「俺もどうするか悩んでいてな。天音、どうするよ?」
「どうするって……言われてもな……」
特に入りたい部活はないからな……でも、部活は強制的に入らなきゃならないし……。
そんな時、ふと思いついた事がある。
そもそも部活動は学校側だけで作ったものだけではない。
そうなると……。
「部活を……作るとか?」
部活動は生徒の要望から作られたものもたくさん存在する。
「そっか!その手があったね!」
「部活を作るか……イイじゃねえか!」
入りたい部活がなければ、自分達で作ればいいんだ。
「でもどんな部活を作る?他の部活と内容を被らせるわけにはいかないし……」
「そうだよね……何なら、昔廃部になった部活を復活させるのもアリだよね?」
「廃部か……確か部活動冊子の後ろに……あった!」
恭弥は柊先生に参加用紙と一緒に配布された星桜学園の部活動の一覧や内容が書かれた部活動冊子を取り出して一番後ろのページにある廃部になった部活の一覧表を見せる。
廃部になった部活は主に部員がいなくなったものや、他の部活と統合したものなど色々あった。
そんな中、俺は気になる部活動の名前を見つけた。
「これ……何だ?」
「ん?これ?えっと……カフェ部?」
「喫茶店の部活……?あれ?この学園に食堂以外の食事をするところなんてあったか?」
料理研究部とかなら分かるが、喫茶店となると実際に料理を作ってお客様に売る事になると話は別だ。
利益はもちろんの事、接客や料理の味などの難しさが出てくる。
それに、喫茶店となると最低でも数人のお客様が入れるような食事と料理ができる施設がないと出来ない。
学園に来て早数週間だけど、そんな施設はどこにもなかったはず……。
「あ……そう言えば心当たりがあったわ」
「恭弥、本当か?」
「それってどこなの?」
「この前学園を探検していた時に見つけてな。確か部室棟の近くにあったぞ」
流石は将来冒険家を目指す男、物探しや隠れている物を探すのは得意だな。
「それじゃあ、みんなを連れて行ってみよう!」
「ああ」
「おう!」
千歳の提案で俺と恭弥はすぐに鞄を持って教室を出て、外で日向ごっこをしていた白蓮達を呼び戻して恭弥が見つけた喫茶店へ向かった。
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AGでは冒険部でしたがAOでは天音らしい違う部活をやります。




