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第9話:消えた予算と、兵站(へいたん)将軍の覚醒

第9話にお越しいただき、ありがとうございます!


「本社の目をあざむく共犯者」となった所長の行動力は、私たちの想像を遥かに超えていました。

社長直轄案件になったとはいえ、本社の役員たちは嫌がらせのように「既存予算の削減」を仕掛けてきます。戦うための弾薬を奪われた絶体絶命のピンチ。


その時、これまで保身の犬だったはずの所長が、現場を守るための最強の「兵站(へいたん)将軍」として完全に覚醒します。本社から3000万円の「裏の軍資金」をブチ抜いてきたボスの男気溢れるエピソードをどうぞ!

「本社の目をあざむく共犯者」となった所長の行動力は、私たちの想像を遥かに超えていた。本社からの執拗な嫌がらせが続く中


所長デスクに集まった私たちを前に、所長は不敵に笑いながら、パソコンの画面を指差した。


「おい、お前ら。本社の役員どもに『予算が枯渇して現場は死に体で、全員大人しくなりました』と大嘘の報告を上げてやったぞ。その代わり――」


所長はキーボードを叩き、内部の予算画面を開いた。


「本社が絶対にチェックしきれない施策の獲得報酬や、幽霊プロジェクトの制作費の名目を限界まで水増しして、莫大な『裏の軍資金』を本社からブチ抜いてやった。その額、3000万だ」


「さ、3000万!?」


若手の木下さんも中堅のメンバーもひっくり返りそうになった。

所長はただの管理職ではなく、予算を引っ張ってくる最強の「兵站(へいたん)将軍」として覚醒したのだ。


「この予算があれば、点ではなく『面』で戦える」


神崎先輩が静かにコーヒーを置いた。

私の脳内で、二頭身ゴジラが過去最大級のサイズで立ち上がり、大咆哮をあげた。


(よし、この大金を使って、うちの営業管轄エリアすべてを巻き込んだ、前代未聞の大規模シェア獲得キャンペーンを打つぞ!)


ここからの私たちの動きは電光石火だった。

所長が引っ張ってきた潤沢な軍資金を武器に、私達営業所のメンバーは各管轄エリア卸の支店長、地元の取扱店、代理店をくまなく訪れた。


「今回のキャンペーン、乗らない手はないですよ。予算はすべて弊社が持ちます!」


泥臭く、かつ木下が見つけたロジックと星野のハードルを下げたスピーディな展開でグループ交渉を進めていく。

エリア全体の取扱店が、次々と私たちの製品をメインに扱うプロモーションへ同意し、市場がジワジワと「うちの製品」一色に染まり始めていった。


外堀は、完全に埋まりつつあった。


===============================

 今日のゴジラ・ハック

【戦いは始める前に勝つ。最強の「兵站(インフラ)」を構築せよ】


ビジネスにおいて、現場の熱量やアイデアと同じくらい重要なのが、予算や権限という「兵站(へいたん)」です。どれほど素晴らしいアイデアがあっても、資金が枯渇すればゲリラ戦で圧殺されます。


今回の所長のように、組織のシステムをハックしてでも「勝つための原資」を引っ張ってくるマネジメントの存在が、現場の無双を決定づけます。



 飼育員からの超重要アドバイス

大きな勝負に出る時は、目の前の顧客1社だけを見るのではなく、市場全体の「インフラ(代理店や取扱店)」を一気に面で押さえる戦略(ランチェスター戦略)が有効です。外堀をすべて身内で固めてしまうことで、競合が立ち入れない圧倒的な「安全地帯」を市場に作り出すことができます。



 明日使えるアクションプラン

新しいプロジェクトを始める時は、自分の限られたリソースだけで戦おうとせず、「社内のどの部署の予算や強みを巻き込めるか」という兵站の視点を持ちましょう。協力者を増やすことで、使える武器のサイズを何倍にも大きくできます。


第9話をお読みいただき、本当にありがとうございました!


本社の目を盗んで3000万円の裏予算をブチ抜いてきた所長、まさに「兵站将軍」の覚醒にふさわしい圧倒的な社内政治力でしたね!


エリア全体を面で押さえる大包囲網を築いた星野さんたち。しかし、彼女たちの前には、長年血で血を洗う泥沼の「価格競争」を強いてきた、エリア最大級の超大口得意先が立ちはだかります。


「所長、頼もしすぎる!」「一気に話のスケールが大きくなってワクワクする!」と思ってくださった方は、ぜひ【ブックマーク登録】や【評価(★マーク)】で応援していただけると非常に嬉しいです。


次回、第10話「価格競争の終焉(パラダイムシフト)」でお会いしましょう!

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