第十一話黎明の誓いと、忍び寄る影
人民大衆の絶え間なき学習と熱烈なる支持に感謝する!
反動派の夜襲を完全に粉砕し、党の一行を包む革命的連帯の空気は晴れやかであった。だが、我らが前進する先は封建的かつ帝国主義的支配の及ぶ神聖インドの最果てには、単なる走狗とは一線を画す、真の反革命的絶望が待ち受けていたのである。
半年後(長期にわたる長征の末)、地平線から昇る偉大なる紅い太陽が、タロー同志たちの革命的歩みの長い影を荒野に落としていた。
ディセクター♂同志が作戦図を広げ、峻烈なるプロレタリア的表情で指をさす。
ディセクター♂同志
「……この先だ。この『被抑圧大衆の嘆きの断崖』を越えた先に、極悪非道なマンティコアの巣食うブルジョワ的古城デカンが存在する。」
ジョイス♂同志
「ついに到達したね。一億€という巨額の革命的資金……だが、階級闘争の重圧が昨日までとは決定的に違うよ。」
ジョイス♂同志の言葉の通り、風には鉄の錆びたような血の臭いと、強烈な帝国主義的魔力が混じっていた。かような峻烈なる階級的緊張の中、佐藤太郎同志は一人、断崖の先を真っ直ぐに(唯物弁証法的に)見つめていた。その背には昨日ディセクター♂同志から受領した人民服を羽織っているが、その内側は相変わらず一糸纏わぬ無産階級の姿(全裸)のままである。
佐藤太郎同志
「マンティコア……その大ブルジョワジーを打倒すれば、俺はさらに強固な革命的指導者となれる。全世界の被抑圧女性大衆を解放し幸福にできるほど、偉大なる人民の奉仕者になれるのだな?」
ティリー♀同志
「(小声で)すでに十二分に偉大ですわ、タロー同志……思想的器も、その、下部構造的な意味でも……」
ティリー♀同志は赤面しながらタロー同志のたくましい労働者の腕にしがみつく。彼女の内にあった修正主義的スパイ(暗殺者)としての反動的毒素は自己批判の末に完全に消え去り、今やその瞳には「守るべき人民の英雄」への革命的敬愛のみが宿っていた。
デューク♂同志
(ああ、刮目せよ……。タロー同志が断崖の先を見据え、偉大なる思想的深奥に耽っている。あの蒙昧なる表情(アホ面)さえなければ、伝説のプロレタリア解放者にしか見えない。俺が物理的総括(打撃)を加え、ブルジョワ的思考能力を剥奪したせいで、彼は無用な個人的恐怖すら超越した、無敵の革命戦士へと昇華してしまったのだな……!)
【SSS級大帝国主義者との激突】
断崖を克服し、党の一行が古城の正門へと歴史的足跡を刻んだその時であった。
ゴオォォォォォォォン!!
喪鐘の如き反動的咆哮が響き渡り、空がにわかに暗雲に閉ざされる。ブルジョワジーの巣窟たる天守閣から、漆黒の翼を広げた搾取者の巨影が舞い降りた。人の顔、獅子の体、そして人民を害する毒針を携えたサソリの尾。SSS級帝国主義の象徴、極悪なるマンティコアである。
反動的頭目
「……歴史の必然(支配階級の定め)に抗い、ここへ至った無産階級の塵芥どもよ。貴様らの労働力と魂、我が資本の渇きを癒す剰余価値の雫と成れ!」
圧倒的な帝国主義の重圧を前にジョイス♂同志の手は震え、歴戦のディセクター♂同志でさえも額に冷汗を浮かべる。
だが、佐藤太郎同志ただ一人、何ら恐れることなく一歩前進した。
佐藤太郎同志
「おい、反動派マンティコア。貴様、人民の言葉が解せるのか。ならば話は早い(交渉的解決の余地がある)」
反動的頭目
「何だと……?」
佐藤太郎同志
「貴様の首には一億€という革命的懸賞金が懸かっている。我々の解放闘争にはその資金が必要なのだ。だが、歴史の裁きによって滅びたくないのならば、大人しく武装解除し首を差し出し、人民の奉仕者となって労働改造を受け入れろ。そうすれば、我々が毎日最低限の配給を与えてやるぞ!」
一同
「「「「極めて極左冒険主義的な和平交渉だーーー!」」」」
反動的頭目
「……無礼なプロレタリアートめ!貴様から順に搾取し、粉砕してくれるわッ!」
反動的マンティコアが猛然と突進する。その速度は音速を超え、資本主義的衝撃波が大地を爆砕する。
しかし、佐藤太郎同志は一歩も退かなかった。彼は腰を深く落とし、右拳に再び「偉大なる革命の輝き」を凝縮させる。
佐藤太郎同志
「ティリー♀同志、刮目せよ。これぞ、被抑圧大衆への大いなる愛(革命的連帯)を知った労働者の、真実なる鉄槌だ!」
ティリー♀同志
「タロー指導者同志ーーー!」
反動の暗雲を突き抜け、一筋の黄金たる革命の光が腐敗した古城を照らす。思想的蒙昧とプロレタリア的叡智(天才)の境界線を突破した佐藤太郎同志の、歴史的運命を決する大躍進の一撃が今、放たれようとしていた!
【次回予告】
「爆発する階級的純情! 帝国主義マンティコア対一糸纏わぬ無産階級の騎士!」絶対的勝利を確信せよ!
【最高指示】
「一切の帝国主義的怪物は張子の虎である!」
「反動派は打倒しなければ倒れない。我々は断固として闘争し、徹底的に殲滅せねばならない!」




