失敗と忌避の追憶
それは何度もある失敗の、その一つに過ぎなかった。また、ここか。前回はどうやって死んだっけ。
サミダレが消えて……
いやそれは前の前の前くらいの話だっけ?
前回はルインが死んだんだっけ。それで戦線が崩壊して。
いや確か魔王と戦ってローズに裏切られて……
そう……
確か前回は森を出た。古城に挑まないで逃げようとしたんだ。そしたらバルバルフの野郎に魔王の間に転移させられた。んでその後は……まぁ。
そうだ……
古城攻略って結局無駄で。バルバルフに捕まって転移させられるのが魔王への最短ルートなんだ。
バルバルフは赤い月の昇る頃に現れる。
リープのスタート時点から3日目の夜だ。
まあどんな道を辿ろうが同じ事……
決戦の古城は赤い月とともに……
人類最後の希望を殺す。
人類最後の希望「勇者ダグ」。
世間、主に酒場等で、自分は勇者をジョブとして獲得している!我こそは勇者である!などと言う愚か者もいなくはない。
だが勇者という職業は実の所、存在していない。
今後存在するようになる可能性はあるかも知れないが、とりあえず今は存在しない。
錬金術師かつ召喚士であるダグは、語り継がれる事で勇者となるのだ。仲間に裏切られて死んだ悲劇の英雄として語り継がれる。そして、彼ら以外、ただでさえ危険な〈魔の大陸〉の、〈黒の樹海東部〉にまで到達出来た者はいない。
そう、別に神々から神託があった訳ではない。
実力者故に、人々は彼らに希望を託していた。
ダグを、人々は勇者様と呼んでいた。
彼は生きている。何千年も何万年も生きている。
一人、無限廻廊の中で必死に生きている。
それが生きていると言って良いのかは知らない。
だが命はある。一種の〈封印状態〉と言える。
「こんな世界は認めたくないだろう?」
仲間を殺された後、とある魔王に囁かれた勇者ダグは頷き、屈辱の中、その魔王にリープ能力を付与された。そして、初めて別の世界線へと飛ばされた。つまり、敗北した勇者はとある魔王に封印されてしまったのだ。それはエルグインとはまた別の魔王である。
錬金術師ダグは、もう一度仲間に会いたいが為に、誘惑に乗った。忌避に手を染めたのだ。
忌避に手を染めた事で邪神に目をつけられたダグは、加護としてもう一つの人格を得た。それは世の理に触れる根元的な叡知であった。日本から来たという新たな人格は、この世界は戯れに作られた物が、命を持ってしまった物だと言う。
…………。
少女「ねえ、君たち!次のお話に行く前に、この小説の目次ページの、注意事項をもう一回確認した方がいいと思うなー!」
少女「だってね!だってね!この小説には……」
残 酷 描 写 が あ る ん だ よ ?
少女「え?最初に見たって?へえ、君は頭のいいお人形さんなんだね!ボクのオモチャ箱に招待してあげよっかなー」




