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決戦の古城は赤い月とともに  作者: 牙龍 仁華
Save data 01.第七章 少女
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神様は思い付いた

魔王も勇者も盤上の駒。魔王が勝てば世界は滅ぶし、勇者が勝てば世界は平和になるそうだ。でも、平和になると世界は真の終焉を向かえてしまう。


かつて終焉したこの世界に、ある異形の三柱の邪神が目をつけた。一柱は輪廻を司どる。もう一柱は破壊と再生。もう一柱は遊戯と混沌。


無機質な世界が嫌いな、遊戯と混沌の司は、色々な世界を大釜に突っ込んでまぜまぜしてコトコト煮込んだらしい。よく分からんが馬鹿な奴がいたものだ。


そうして出来たのがこの地。この地は昔、魔物も魔法もなかったと言う。勇者も魔王もない。人々どうしの争いはあったが、概ね平和で、戦いなんてなかったんだ。


それを、人々は退屈に思った。

それを、邪神も退屈に思った。


この世界には終わらない戦いが必要とされた。

この世界には熱く燃える戦いが必要とされた。

この世界には血の滾るお遊戯が必要とされた。

そして盤上の駒は造られ、舞台が用意された。

糸の切れた操り人形達は再び踊り始めたのだ。

糸も知らずに意思を持ち、魔導を唱えて生を得た。


物語を終わらせてはいけない。

終焉が来るから。


…………真実を教えてあげたら、〈ダグさん人形〉は壊れちゃった。せっかく勇者になったのに。せっかく面白くなってきたのに。可愛いヒロインまで侍らせてあげたのにな。


自分が道化にも劣る人形で。この絶望は神の意思。そう知ったら、自分で首をもいじゃった。お馬鹿さんだね。そんな事しても、またリープするだけなのに。頑張って乗り越えてくれる姿が見たかったのに。


でももう見苦しいし、楽にしてあげようかな。

仕方ない。壊れちゃったんだから仕方ないよね。

はー失望だよダグ君。折れちゃったんだね。


じゃあ、その熟したタマシイ捧げて貰おうか。

せいぜい沢山、泣かせてあげよう。

抗わぬ者に耀かしい未来なんてあげませんよ?


けたけたけたけた……


けたけたけたけた……


月も太陽もない白い空間で、邪神は笑った。

新しいお遊戯を思い付いたらしい。

きっと、ろくでもないお遊戯だ。



…………。

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