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決戦の古城は赤い月とともに  作者: 牙龍 仁華
Save data 01.第三章 門番
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VSアビスウォーム・タイラント turn3-part②

「XUUUuuuuaaaa!!」

続・怒り狂うウォーム。頭部を振り回し、岩石の弾幕を前方180度にばら蒔き出す。いや、今は150度くらいだ。少し疲れが見える。


三度、隙をついて地に潜ろうとするウォームを、ルインは見逃さない。むしろ先程までより動きが鈍い。金色の拳で顔面をカチ上げる!

ぐしゃ


「PXUUU!?」


潜り損ねたウォームの最後の右目を、ダグが鋼鉄の拳で殴りつける。


「XUUUuuuuaaaa!!」


ぶしゃり。潰れた。右目3つ全損。いつの間にか左目も一つ潰せたようだ。あれだけボコスカやりあってたから、流れ弾ならぬ流れ拳が被弾したのだろう。


目は合計6つ中、左目2つが残っている。

大牙は……合計8本中、7本健在。

しかし大分削れたか。これで二つ名すらない雑魚モンスター扱いとは、いやはや何度も見ても恐るべし魔王の城。まったく、骨が折れる。


「かはっ……!?」

ルインが被弾した。幸い【小石】に当たっただけだ。【大岩】だったら潰れて即死だったろう。

どうやら、骨が折れているようだ。左腕の肘から下が変な方向に向いている。


「ルイン!下がれ!」

「いいやダグ、耐える!あと少しだよね!」

「…………すまねえ!!終わったらすぐポーション飲んでくれな!だかもし意識が飛びそうなら、やはり俺と一緒に下がるんだ!慢心して大岩に被弾したら、潰れたトマトになっちまうぜ!」

「ぐっ……、だ、い、丈夫ッッ!!」

「……必ず倒れる前に言ってくれな!」


ぐしゃ、めき!ばき、どん!

ぐしゃ、めき!ばき、どん!


ウォームを打ち据える拳の雨。

ルインの攻撃が大振りになっている。


ダグは焦り、必死に叫ぶ。

「ローズ!残る目を潰せ!左2つだッ!」

「ナァァーゴ!!(合点承知だ、ダグさんよ!)」


言葉の理解など不要。互いが互いの描く先を読み、ローズとダグは勢いと空気と経験で通じあった。

思えば、長い付き合いだ。ダグは染々思った。


ローズとは、もう3年近くも一緒に旅をしているのか……それが実は魔王の四天王で、この後こいつに殺されるかも知れないと思うと、やはり少し寂しいものだな……。


程なくして、デブネコが跳ぶ。

おっさんが同好会のバスケでダンクシュートを決めに行くみたいに腹を揺らし、しかし熱く、しかし最高にクールに。

猫の眼が輝き、豪快な光の奔流がほとばしる。


死を告げに、光が進む。

汚泥の雨を切り裂き進む。

小石の群れを呑み込み消し去る。

阻むのは大岩だけだ。しかし、大岩だけでは、弾幕の隙間が大きすぎる。ウォームの疲労もあり、もはや弾幕の密度はかなり薄い。


「PXUUUaaaaaaa!?」


目を潰した。左目を2つ。

しかし恐ろしいのは、奴は地中では眼球に頼らない事。すなわち、超音波による第二の視覚。奴は、目がなくとも、人間の聴覚とは比にならない正確な聴覚にて周囲の感知を可能とするのだ。


しかしまあ、目を潰された事による痛みや流血、弱体化自体がなくなるワケではなく。


「PXUUUaaaaaaa!!」

怒り、混乱し、暴れる。


アビスウォーム・タイラントのカウンタースキル発動。

【凪ぎ払いlv.XX】


アビスウォーム・タイラントのカウンタースキル発動。

【暴走lv.XX】


暴れる!!


…………。

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