古城 黒く豪奢な門の前
さあ、いよいよだ。黒の樹海を抜け、太陽のない空がその顔を見せる。暗雲が渦巻き、黒い雷がバリバリ鳴いている。毎度思うが、どんな大規模魔法を使ったら、こんな演出を実現出来るのやら。
古城に着いた。
クルクルクルクル。ピョイ。ぼふん
ローズは猫になった。
「ミャミャッ!?フシャー!フシャーー!!」
怒ってる。おっさんらしい貫禄のあるデブネコだ。
「さあ、行くぞ皆。夜明けまでには魔王を仕留める」
アゴを撫でてみる。大人しくならない。鼻息荒く迫って来る。いつかの前言撤回を撤回しよう、やっぱり猫ローズの中身はおっさんだ。可愛くない。
「フシャー!マァァァーー!!」
「ローズ。大人しくして。敵にばれる」
わしゃわしゃ。
「ルイン、サミダレもアゴを撫でたいです」
わしゃわしゃ。
「ナァァァーー!!」
猫ローズは怒ってる。
「……大丈夫かなぁ」
ダグは味方陣営の集中力低下を憂うのだった。
これ、全員戦力ダウンしてないか?
何という猫デバフ。
やがて【豪奢な宝石と彫刻に装飾された黒い大門】が見えてくる。激しい地鳴りがする。
「……大モノが来るぞ。下からだ。全員、後ろへ跳べ」
そう、ここの門番である巨大なウォームが襲ってくるのさ。
忌避個体すら丸呑みにする巨体が地中から現れ、咆哮を上げて突進して来るのさ。見慣れた光景だ。弱点は牙。次点で目。特に牙は複数折ると潜れなくなる。奴は土を食っては掘り進み、地中という安全地帯に潜って身を隠す。そして地中から大口を開けて突っ込んでくるんだ。




