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忍び愛〜心に刃を隠して〜  作者: 月海みやび


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12/12

Episode 12

隣で眠る未来を見つめ、そっと髪を撫でる。

穏やかな時間に、微笑みがこぼれた。

やっと、誰にも邪魔されない幸せを手に入れたんだ⋯


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


微かに聞こえた吐息に、そっと目を開ける。


「未来、起きた?」

「⋯うん⋯おはよう、ユウ⋯」

「おはよう、未来」


優しい声と微笑みに懐かしさを感じて、思わず目を細めた。


不意に電話が鳴り響く。


「⋯ちょっと、ごめん」


ユウが立ち上がり、私の頭を撫でて部屋を出ていく。


今度は、私のスマホが振動を始めた。

表示された名前を見て、思わず電話に出てしまう。


「っ⋯橘さん!?」

「森宮さん⋯会社、辞めたって⋯」

「⋯はい⋯それより、大丈夫なんですか?」

「俺は大丈夫だよ⋯森宮さんは、大丈夫?」

「⋯えっ?」

「急に会社辞めるなんて⋯何かあったんじゃないの?」

「っ⋯!⋯た、助けて⋯」


橘さんの返事を聞く前に、耳からスマホが離れていく。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


電話が終わると、未来の声が聞こえる。


『っ⋯橘さん!?』


その名前を聞いた途端、頭が真っ白になった。


未来のスマホを取り上げ、通話を切る。


「未来、勝手に電話しちゃダメだろ?」

「っ⋯ご、ごめんなさっ⋯」


声が途切れる。


抱き締めた手が赤く染まっていく。


「愛してるよ、未来⋯」


未来からの返事は⋯ない。


真っ赤に染まる未来をベッドに寝かせ、優しく頬を撫でる。


「これで⋯本当に俺だけの物になった⋯」


額にそっとキスを落とす。


「未来、愛してる⋯」


もう一度、その言葉を呟き⋯

唇にキスをした。


自分でも気付かないうちに、心に隠し持っていた刃⋯


出来る事なら、隠したままでいたかった⋯


だけど、後悔はしていない⋯


これからは、誰に触れられる事もなく⋯

ずっと、2人きりで⋯

幸せな日々を過ごせるから⋯

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