愛→渇愛(苦を与えるものを憎み楽を与えるものを求める欲求)
おじさんに“しょーこ”をけしてもらってあたらしい“はんにん”を警察にわたした。
『泣きなさい。その方が見映えがいい』っておじさんがいうからガンバった。
『かえして! おかーさんとおとーさんをかえしてよ!!』って。
僕のおなかのなかにいるけど。
このきょうかいは“こじいん”になるんだって。
ホントはおじさんのおうちにいくはずだったけど、“ゆうしゃ”がおじさんのいのちをねらっててあぶないからまってろってさ。
“ゆうしゃ”ってひどいやつだ!
おじさんはただの“はつめいか”で“おみせやさん”なのに殺そうとするなんて!!
だからぼくはおるすばん。
“いいこ”にしてまってるよ!
きょうかいが“こじいん”になってからたくさんひとがきた。
5にんのこどもときれいな“かお”ときたない“め”のおんなのひと。
5にんのこどもはぼくより“としうえ”で“ひえらるきー”がかんせいされてていやなかんじ。
おとこのこが4にん。
おんなのこが1にん。
“ひえらるきー”のいちばんしたのおとこのこがぼくをしたにしようとした。
いやだった。
きょひした。
“なまいき”だっていわれた。
5にんにいじめられた。
ぼくのものとか、ごはんとられた。
なぐられたりけられたりした。
殺そっかな。
でもおかーさんもおとーさんも『人を憎まず人を愛しなさい。憎まれても疎まれても殺されそうになっても愛しなさい』っていってたから殺さない。
いみよくわかんないけど。
ひどいことするひとをどうして殺しちゃいけないのかな?
殺ろうとおもったら“なでる”だけではじけとぶほどもろいかれらを、ぼくは愛せるかな?
じしんない。
いままではおかーさんとおとーさんがだれかを愛するとこしかみたことなかったし。
おかーさんとおとーさんいがい愛するひといなかったし。
きれいな“おかお”ときたない“め”のおんなのひとは“シスター”だった。
でも愛のないひとだった。
“せいしょくしゃ”のかわをかぶったひどいひとだった。
きょうかいの“ちか”にはかならず“せいすいのいど”がある。
“せいすい”はひとのきずややまいをいやすんだ。
それは“けがれなきこども”にしかくめないんだって。
シスターはそれをこどもにくませて、うりさばいて“ぜいたく”してた。
ぼくらにはいきれるていどのごはんしかくれなかった。
いじめのいっかんで5にんはぼくにやらせた。
やらなかったらシスターはビリビリする“まほう”でいたいことしてきた。
あ、でも
『ヴォフッ!!』
アヌビスがまもってくれるから、たいていはだいじょうぶだよ。
アヌビスはつよいしね!
あぁ、はやくおじさんむかえにきてくれないかなぁ……。
それにしても……。
このむねにあながあいたようなかんじはなんだろう?
なんだかすごく、すごくおなかがすいた。