無意味な会話
キーンコーンカーンコーン
HR開始のチャイムの音が学校中に響き渡った。
その音でザワザワと騒がしくて五月蝿かった教室は一瞬で静かになる。
「みんな、おはよう。今からHRを始めるぞ。今日は―――」
担任が教壇に立って話し始める。
別に、話すことなんて無いでしょ。
いつも通りの日課で特別なことなんてないんだから。
「―――といったところだな。じゃ、あとは自習しててくれ。」
担任の一声でクラスメイトたちは机の中から教科書やらノートやらを取り出し始めた。
...別に何の教科でもいっか。
適当に机の中から出した教科書とノートを広げて、勉強しているフリをした。
勿論、クラスメイトや担任からは真面目に勉強していると思わせられるように。
...面倒くさいな。
学校にいるヒマがあったら、死ねそうなところを探すために歩いていたいのに。
何も思わずに勉強しているふりをしているだけなのに、勝手に頭の中に知識が流れ込んでくるから、勝手に勉強しなくてもテストで良い点が取れる。
別にテストの点なんてどうでもいいのに。
良い点でも悪い点でもどっちでもいい。
死んだら無意味に還るだけなんだから。
キーンコーンカーンコーン
HR終了のチャイムの音が学校中に響き渡った。
その音で静かだった教室は一瞬でザワザワと騒がしくて五月蝿くなる。
この学校はHRの後に休み時間を挟んで、1時間目が始まるらしい。
「ねぇ、―――、ここの問題がわかんないから教えてくれない?」
クラスメイトが私に話しかけてきた。
「うん。勿論良いよ。えっと、ここの問題は―――」
勝手に流れ込んだ知識を使って勝手に口が動いて説明する。
自分が動いているはずなのに、何処か観客席からその様子を見ているような気分になる。
「―――ってしたら解けると思うよ。」
「ほんとだ!教えてくれてありがとう!やっぱり―――の説明はわかりやすいから助かる〜。」
「そんなことないよ。私よりも説明上手な人はいるよ。」
「あ、そういえば、今日の授業って―――」
本当に、どうでも良いことしか話さないな。
別に何の話題でもいいからいいけど。
「―――らしいよ!本当だったらラッキーだよね!」
「そうだね。」
「あ、でも、―――は頭いいからどっちでもいいか。」
「ううん。そんなことないよ。私も本当だったら嬉しいな。」
「クラス1の優等生もこれは嬉しいんだ。」
「全然優等生じゃないよ。」
「えー、―――が優等生じゃなかったら、私達が下民になっちゃうよ〜!」
「そんなこと無いよ。十分頭良いでしょ?」
「―――はそう思っていても、―――の方が頭良いからそうなっちゃうの!」
「そうなんだ...?あ、そろそろチャイム鳴るから席戻るね。」
「えー!待ってよ―!」
クラスメイトの悲鳴を背後に聞きながら、席へ向かう。
別に、優等生でもなんでもないんだけどな。




