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紅楼夢  作者: 翡翠
第十三回 秦可卿(しんかけい)、天香楼(てんこうろう)にて淫(いん)し喪(うしな)い、 王熙鳳(おうきほう)、寧国府(ねいこくふ)を協(とも)に理(おさ)む。
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第十三回 12

 熙鳳はそこでたずねた。

「……どういうこと?」

 秦氏は言った。

――今、墓所ぼしょでは、四時しじ祭祀さいしは行われていますが、それにてられたぜにはありません。第二だいに家塾かじゅくがあるといっても一定いってい供給きょうきゅうがあるわけでもありません。

 今は盛事せいじでありますから、祭祀さいし供給きょうきゅうこまることはありません。ですが、将来しょうらい家がちぶれてしまったとき、この二つをどこからまかなうのでしょう?

 熙鳳はまゆをひそめた。秦氏は笑う。

――もうし訳ございません。嬸子おばさまをこまらせるつもりはなかったのです。

今日こんにち富貴ふうきがあるうちに、墓所ぼしょちかくに田荘でんそうもうけ、房舎ぼうしゃき、地畝ちほもとめて、祭祀さいしそなえ、そのはすべてそこより出すようにし、家塾かじゅくもそこにきます。

 そうすれば一族いちぞく長幼ちょうようがそこにつどい、規則きそくさだめ、以後いごぼうごとに一年ごとの地畝ちほぜに穀糧こくりょうを取りまとめさせるようにすればよいのです。きっとうまくめぐり、あらそいもこらず、家のざいはらったり、かたに入れてかねりるということもなくなりましょう。

 かりつみけ、かんに何かをうばわれることがあったとしても、祭祀さいしのための生業なりわいにつながるものにはかんも手出しができません。

 たとえ家が没落ぼつらくしたとしても、子孫しそんかえるべき地へかえり、しょみ、のうつとめることができます。ひと退しりぞさきができるのです。こうして祭祀さいしなががれましょう。

 熙鳳はふっとうつむいた。

――嬸子おばさま、そんなかなしいかおをなさらないで。これからすばらしい慶事けいじがあるのですから。まさに『烈火れっかあぶらそそぎ、にしきに花をえる』ような。

 熙鳳にみがかぶ。

――ですが、それとていきをつく栄華えいが一時いっとき歓楽かんらくにすぎません。おわすれなきよう。『むしろさかりもかならさんず』ですわ。はやくに後慮こうりょそなえをしておかなければ、いざそのときにいてもどうにもなりません。


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