表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紅楼夢  作者: 翡翠
秦可卿(しんかけい)、天香楼(てんこうろう)にて淫(いん)し喪(うしな)い、 王熙鳳(おうきほう)、寧国府(ねいこくふ)を協(とも)に理(おさ)む。
224/229

第十三回 6

 ……あなたのせいではないのよ。私がはっきりしなかったのがいけないの。もっとはやく、もっとつまびらかにしていれば、これほどわるほうにはいかなかったのかもしれないわ。

 大丈夫だいじょうぶせきのことなら心配しんぱいしないで。……これでもずいぶんくなったところだから。

 いいの。そのままでいて。あなたにだけは聞いていてほしいから。宝珠はいないわね。あの子に聞かせるのはしのびないわ。

 あの、私はやけにねむくて、あの方が嬸子おばさまのところにっているのもわすれて、ながゆめを見ていた。どんなゆめだかはもうさだかでないけれど、そのゆめていたとき、私はとてもうれしくて、とてもあたたかだったことだけはおぼえている。


 こくぎていたでしょうね。まどろみのなか、私のものとはちがうぬくもりをかんじたわ。まるでゆめつづきをているような気分きぶんでそのぬくもりをたしかめた。それがひとであること、しかも私がよく知っている人であることに気づくのにときはかからなかった。

 ――あの人?

 そのままくちづけを、雲雨うんうじょうわした。

 私はうれしかった。からだわせたことではなく、ようやくあの人になにかをあたえることができたことに。あの人はずっと私に遠慮えんりょをされていたから……。


 ようやくそれに気づいたときにはおそすぎたわ。私はこう思うしかなかった。“また”つみかさねてしまった、と。

 分かっても弁解べんかいのしようはなかった。やってしまったことと、言ってしまったことはかえせないから……。

 かないでちょうだい。あなたらしくもないわ。どちらにせよ、それほど日数ひかずのこされていないのだもの。これでなにかがこっても、それはめいのためだから。

 あなたにこれをはなすことができてよかったわ。これでおものこすことはない。

 ……そうね、薬湯やくとうってきて。それがわったらすぐにるのよ。あなただって、きっとつかれただろうから……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ