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紅楼夢  作者: 翡翠
第十一回 寿辰(じゅしん)を慶(けい)し、寧府に家宴を排(しつ)らへ 熙鳳に見(まみ)え、賈瑞淫心(いんしん)を起こす
174/261

第十一回 3

 たつこくをややぎたころ、寧府の内院なかにわ銅鑼どらひびいた。

 賈敬の寿辰じゅしん言祝ことほ賓客ひんきゃくたちが、ありれつのごとくあつまってくる。

「やあ」

 賈璉が手をあげて挨拶した。賈薔かしょうはゆっくりと拱手きょうしゅする。

毎度まいどのことながら、すごい人の数だね」

 賈薔かしょうはぴくりともほほうごかさない。

「そうかたくなるなよ。いわいのせきなんだからさ」

 賈璉はぽんぽんと賈薔かしょうかたたたいた。賈璉はきょろきょろしながら、

「ただ、しつらえはたしかに豪華ごうかだけど、何かが足りない気がするなぁ」

 と言い、近くにはべっていた家人けらいに、

「今日のうたげには余興よきょうはあるのかい?」

 と聞いた。家人けらいしぶい顔で、

「うちのだんなはもともと太爺おじいさまが来られるつもりだと思っていたもんで、余興よきょうはやらないつもりだったんでさぁ。でも、太爺おじいさまが来られないと分かってから、あっしらのような下のもんめいじられて、小芝居こしばい一座いちざ打十番だじゅうばん囃子方はやしがたを急いで探させ、ここの園内えんない舞台ぶたいひかえさせておるのです」

 と言い、ところどころけた顔を賈璉と賈薔かしょうに近づけながら、

「ほんとのことを言えば、太爺おじいさまがられなかったんで、良かったと思うとります。打十番だじゅうばんみてえな座組ざぐみじゃあ、寧府ねいふ祖宗そそう寿辰じゅしんには足りねえかもしんねえけど、あっしらみてえな下のもんなぐさみにはなるからね」

 と下卑げびた顔をかべ、

「あんたらのささのおこぼれにもあずかれますし」

 と言いてて去って行った

 賈璉は賈薔かしょうに向かって大げさに肩を落として見せる。賈薔かしょう顔色かおいろ一つえなかった。

 

 こくになるとゆうやく、邢夫人けいふじん、王夫人、熙鳳、宝玉がやってき、着飾きかざった賈珍と尤氏がそれを出迎でむかえる。

「あなたのお母さまも今日は来ておられるのね」

 熙鳳がおく老齢ろうれいの女性に目をると、

「何よりおめでたい日ですから」

 そう言って尤氏は笑った。


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