思い出が失われても
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少し本日は短め。題名暗めですが、リディとアルはほのぼの仲良しです。
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作戦会議を終えて、リディアーヌとアルフリートの2人が部屋から出てくると、バルトルトと鉢合わせした。なぜか、バルトルトはこの短時間でやつれきっているような気がした。
「なんなんだ。このキサラギ領ってところは。まさかの水道や下水道が整備されているし、軍備もなにもかもが最先端だ。魔王領と言われてたとはとても思えない。なのに……」
「わかって頂けて何よりでございます。序列四位殿」
「書類や役所仕事が何でこんなに適当なんだ!こんなの勇者がいなくなったら回らなくなる。もっと、誰がやってもできる仕組みを作らないと……」
(なるほど。勇者さまはああ言っていたけれど、バルトルトさまが序列四位に選ばれた真相は、ここにもあるようだわ)
「リディアーヌ様お疲れでしょう?あちらでお休みください」
「えっでも、バルトルトさまを手伝わなくていいんですか?」
「バルトルトはやるときはやりますから、任せておけば万事うまくいきますよ」
バルトルトは、ジト目でアルフリートをにらんでいたが、諦めたのか頭に手をやり髪の毛をぐしゃぐしゃといじった。
「認めてくれるのはうれしいけどさ……。ああ、もう!やれるだけやればいいんだろ!」
「では、書類はまだまだありますので休憩を終えて次の戦場を片付けますかな」
「えっ、今日の分まだあるの?!」
なぜかまた、バルトルトはギルマンに引きずられていった。
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「アルフリートさま。これからどうするんですか?」
「……リディアーヌ様?」
「戦うんですよね?そのたびに、アルフリートさまは……」
「リディアーヌ様。では、戦いから戻るたびに褒美を下さいますか?」
アルフリートがそんなことを言うのは珍しい。それになんだか、距離が近い気がする。
「あの……。私にできることかしら……」
「まずは、今までの分として、アルと子どもの頃のように呼んでほしいです。……リディ?」
アルフリートが顔を近づけ、リディアーヌの頬にアルフリートの髪の毛が触れる。
「ひゃっ?!」
「……リディ?」
今ならわかる、こうなったアルフリートは止まらない。
(どうしよう?アルフリートさま、何故か右目まで煌めいてきた気がする)
リディアーヌは、覚悟を決めた。
「あ。あ、……アルさま?」
「…………アル」
たった2文字の言葉を紡ぐだけなのになんて難しいことか。しかしその直後、リディアーヌの努力は報われる。
「…………アル」
「…………リディ」
(……アルフリートさまの笑顔、プライスレスです)
そこには、あのコスモスのトンネルで見た、初恋の少年の笑顔があった。
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