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05311R.アルティ・ティーダ過去編その11「二年目の終わりに」


 二年目の終わり、アルトフェル教は再興した。

 やはり『御石』の影響は大きかった。『火の力』を実物で見るよりも、ただの石によって灯りと暖かさを得られるほうが時代に適していて、より教えそれのようだったのだろう。


 そして、その成功がファニア再興にそのまま繋がっていく。

 こちらも再興と言っていいはずだ。半永久的にモンスターを遠ざけ、たくさんの村や街を交流させ、安定した食糧と安全を確保したのだから。


 つまり、私は辿り着いた。

 最初に夢描いていた完璧な状況ところまで、確かに。


 だからこそ、その完璧に至った先で、少し私は困ることになる。

 次の段階の難しさに、私は弱音を吐く。


「う、上手くいかない……」


 ネイシャ家の屋敷の中、いつもの大きな机の前で報告書の紙を読んだときだった。


「『御石』のおかげで未来は明るい。けど、これまでの人々は……」


 その紙にはファニアにいる病人の数が記されていた。


 村と領の発展のためにと、ずっと放置されてきた問題だ。

 過剰な『魔の毒』による原因不明の不治の病。時代の流行病とも呼ばれるそれを癒やそうと『火の力』を利用したところ、数の変化が全く見られなかったのだ。


 ファニアを救ったと胸を張るために、過去にアルティが提案した『癒やし』の炎の性質変化に取り掛かっているのだが……。


「いつでも『暖かい』炎。『安心』『安全』で、『癒やし』の性質がある炎か」


 いまのところ、全く効果がない。


 正直、『目』で分かっていたことだ。

 どれも私の性質に向いていないと視えていたから、ファニアの明るい未来のために病人という負債は切り捨てるしかなかった。でなければ、いつまで経っても発展や再興の道は開かれなかっただろう。


 上手く進まない理由はまだある。


 この『魔の毒』の病について深く追求すればするほど、ずっと見過ごしてきた場所に私は触れることになる。

 地下室だ。

 ファニアの貴族の屋敷には、多くの地下室がある。

 特にネイシャ家の地下は深く、広く、暗い。『魔の毒』の病について、この世で最も進んだ研究があると私は踏んでいる。


 しかし、あの女性と一緒に『癒やし』の炎を……?

 『信頼』している四人と、あのヘルミナ・ネイシャは少し違う。

 もちろん、理性では五人目の協力者として迎えるべきだとは分かっている。

 あの地下室こそが最短距離なのだとも、分かってはいるのだが……。


 なぜか、ヘルミナ・ネイシャへの不信感と嫌悪感は拭えなかった。


「…………。……ふう」

「マリアちゃん、ぐるぐるしてるね」 


 大きなため息をついたとき、隣に座っていたアルティが声をかけてくれる。

 この二年で本当に大人びて、声色はさらに優しく暖かくなった。


「確かに、ちょっと頭がぐるぐるしてるかもね」


 自分たちのことだけを考えていたときは楽だった。

 村の範囲なら『千里眼』は万能だった。

 ただ、こうやって知り合いと領地が増えて、複雑化していくと追いつかなくなるときがある。ティーダが昔に言っていた「『千里眼』と言えど、扱うのは少女こどもでしかない」が、最近は頭の中で繰り返される。

 まさしくアルティの言うとおり、ぐるぐると。


「そういうときは一呼吸入れるのが一番だよ」

「…………」


 優しく促してくれる主だが、本当は「頑張って」と言って欲しかった。

 あなたが言ってくれたら、それだけで出来る気がするのに。

 この『癒やし』の炎の完成は、絶対に優しくて暖かいあなた次第だ。


 という気持ちを察した上か、どこか呆れた様子で優しくアルティは提案する。


「なにより、丁度いいと思うよ。村に戻って、一旦これまでのことを整理しよう?」

「村? 村に行って、どうするの?」

「……前に、一休みするって決めたよね」


 呆れは増して、どこか叱るようにアルティは眉間に皺を寄せた。


「あ、ああ」

「…………」


 そうだった。

 そういう日取りを、前に組んでいた。

 これはもう明らかに疲れているな。


「でも、村にか。村に戻ると……」


 私の火照った頭は冷やされ、癒やされることだろう。

 なにせ、あの村は場所がいい。立地がいい。空気がいい。

 我が故郷は贅沢なことに、なぜか・・・『魔の毒』の病人どころか『魔人』すら一人もいない。


 普段ならば嬉しいことだが、『癒やし』の炎を開発中の私には都合が悪い。

 身体を休めながらでも試したいことが色々あるのだが、あの村ではそれが叶わない。


「マリアちゃん? この二年が激務過ぎたんだよ。だから、そろそろ休養したほうがいいなーって私は思うな。ティーダ様みたいにさ」


 暗に『癒やし』の炎について考えるのは一旦やめろと言われている。

 もしかして、アルティの『目』から視ても、何か引っかかることがあるのだろうか……? もうヘルミナ・ネイシャを頼るしかない状況を危険に捉えている……? 


 考えつつ、周囲に他の人の姿を探した。

 件のヘルミナはいない。

 ついでにティーダもいなくて、ロミスだけが一人でいる。


 ティーダが休暇を取るとき、一騒動あったのを思い出す。

 アルトフェル教によって、ファニア領に与さぬ街が少なくなったあたりだ。逆に言えば、反抗的な集落や集団をほとんど制圧したあとのこと。

 ティーダは仕事への意欲をさらに増しながら提案した。


「――これでもう西国は手を出してこない。あれだけやったからな。次は東だ。東に行こう、ロミス」


 そう興奮し続けるティーダは「山奥のフーズヤーズにも手を出していい頃合いだと思わないか?」とまで言った。さらに続いて「命令してくれ。私は君の従者としてファニアを世界一とする!」と行きすぎたところで、ロミスから諫められる一幕があった。

 充実感がありすぎて前のめりになっているのは、誰の目から見ても明らかだった。

 いまは主ロミスから「命令だ。ランズ家に顔を出して来い。この二年で辿り着いた場所ところを確認するのも大事なことだ」と諭されて、休養に入っている。


 あれから何日も会っていない。

 久しぶりに帰ってきた嫡男を、ランズ家が歓待して離さないのだろうか。

 私も休むとなれば、そのティーダと同じくらい働けなくなるのか? 

 それは少し困る――


「お嬢さん」


 と思ったところで、別の作業をしていたロミスが領の地図を持って声をかけてきた。

 昔なら珍しいことだったが、いまや慣れた反応で私は「はい」と答えられた。

 そして、彼は故郷の村を指差して、一つの仕事を提案してくる。


「村の森の奥でモンスターが多く出没していると報告が届いている。気分転換がてら、行ってみないか?」

「あの森に出るモンスター程度ならば、ファニア製の武具で対応できると思います。村のみんなは強いですから」

「それが珍しく、群れているという情報があってな。なかなか退治しきれないようで……どこかきな臭い。君でなければ対応できない可能性があるので、どうか向かって欲しい」


 私にしか対応できない案件とは思えない。しかし、そのロミスの優しげな表情を見れば、真意は明らかだった。ただ休むだけを嫌っている私を、どうにか故郷の村まで押し込もうとしているのだろう。


 現れたモンスターたちを倒したあとは、故郷の家で一休みしろということだ。

 アルティと共謀しているのも察したので「はぁ。調査に向かいます」と降参するしかなかった。


 その後、アルティが共謀相手に頭を下げていく。


「ありがとうございます。ただ、お休みはロミス様もですよ」

「私もか? 私が現場に出ることは少ない。冷静に休養できていると思うが……」

「私にも報告は届いています。研究院の数を倍増させると聞きました」

「『代償』究明に必要な施設だ。やっと『魔の毒』の理解が進んで、対処法も見えてきたところ。研究はさらに推し進めなければならない」

「最初の第二第三の建設は『代償』研究が目的でしたね。あの二つのおかげで『代償』の対処は進んで、ティーダ様とマリアちゃんの名前が少しずつ街に浸透してきました。なのに、そこからさらに倍で、第六研究院まで作ろうとしているのは……。次期領主として認められているとはいえ、少々乱暴なやり方かと」

「それはまだ完全な解決ではないからだ。……アルティさん、最近ティーダがその性質を強めているような気はしないか?」

「ティーダ様が? そうでしょうか、ティーダ様は愛されていますよ。例えばここにいる私たちは彼の人柄を好み、『信頼』して、友として見ています」

「……そ、そうか」


 『癒やしの炎』の研究の為にも私はロミス派だったが、そのアルティの言葉には負けてしまう。


 一年前、『代償』でティーダへの嫌悪が各地に拡がったことがあった。しかし、いまではアルトフェル教に殉じる敬虔な処刑人みたいな形で、領民から尊敬されていると聞く。 

 遺憾だが、最近のティーダは好調で、私でも頼りにするときが多い。


「いや、それでも頼みたい。これは例の病の問題にも繋がっている建物だ。この世界の未来を考えれば、研究院は絶対に必要となる」


 ロミスは食い下がった。

 何か思うところがあるのだろうか。

 ネイシャ家に高貴な血筋の義務があるのは分かっている。これは領主としての責任感か、それとも別の後ろ暗い何かがあるのか。


 珍しく、どこか焦っているように見えた。

 少し怖れているようにも。


 しかし、その不安の奥には確かな強い意志がある。

 意味なく、唐突に、誰からも・・・・、理不尽に嫌われる可能性のあるティーダ――

 それを本気でどうにかしたいと、親愛によって心から提案していた。


「分かっています。……村とファニアを考えるだけでいい私たちと違って、ロミス様は遠い先のことまで考えていますからね」

「ああ。これから先、大陸のことを考えるならば、『代償』は完全に制御しなければならない案件ものだ。手の足りない領域ところまで支配するには、どうしても二人の絶対的な名声がいる。民衆から二人への信頼も必須だ。その未来まで我々が辿り着くのを、『代償』が阻害してきているとしか思えん」

「……あの使徒様の期待に、ロミス様が誰よりも応えようとしているのは知っています。ファニアとフーズヤーズだけでなく、その先にある世界を救う『器』まで考えるなら、確かに病の医療研究は必要です」


 いつか世界を救う。その目標を四人は共有している。

 しかし、目標に対する焦燥感は各々違っているようだった。


 そして、先ほどから、ロミスは何度も目を伏せていた。

 アルティの眼差しが真っ直ぐすぎて眩しいのか、『眼』を自らの領地の下に・・


「しかし、その使徒様たちが急ぐなと、いつも忠告してくれているではありませんか。……まだ二年です。これからの何十年先まで見通すなら、四人揃って一休みする時間があっていいと思いませんか? いつかロミス様が世界の闇を払い救うと、そう信じているからこそ、こんなところで潰れて欲しくありません。……二年前、よく視えていると私に言ってくれたのはロミス様ですよ?」


 アルティが貴族相手に逆らうことは少ない。いつも楽しそうに従ってくれる彼女だからこそ、偶に強く出られるとロミスも動揺していた。


「ああ、君の提案が外れたことはない。本当に、よく当たる。視えすぎてい・・・・・・るくらいに・・・・・


 ついに私が降参するときと同じ表情になった。

 二年前と同じく、視線をアルティから私に移したあと、苦笑と共に大きなため息をつく。


「……私も、お嬢さんやティーダのことを言えないな。研究院は一旦めて、一休みの時間を作ることにしよう。……ついでに、ティーダやヘルミナの様子も見て来よう」


 決め手となったのは『信頼』だったような気がして、私も苦笑を返した。


 私もロミスも分かっていることだ。

 この二年で十分過ぎる成果は出ていて、いまは区切りもいい。

 心身を休ませつつ、家族や幼馴染みたちとの親交を温め直すのには丁度いい時間だ。


 アルティという友を信じているからこそ、その判断に身を任せることができた。


「マリアちゃんもね。まだ私たちは道半ば……だけど、確かにファニアを立て直したんだよ? その中には私たちの村だって、しっかりと入ってる。だから、一旦帰ろう? この二年で辿り着いた場所ものをちゃんと見よう?」

「……うん、そうだね。一度整理する為にも戻ろうか」


 こうして、四人は一度生まれ故郷の家まで帰ることが決まった。


 私はロミスと一緒に、机の上にあるものを片付け始めていく。

 またこの屋敷に戻ってきたときに再開しやすいようにと、予定していた仕事の資料を部屋の隅まで寄せていった。


 山のようだった紙束が全て消え失せて、机の上が綺麗にまっさらとなる。

 それを見て、ちょっとした清々しさを私は感じた。

 言葉だけでなく目に見えて、心と頭の整理が始まった気がした。


 一度清算が必要だったと思えるのに十分な爽快感だった。

 それはロミスも同じだったようで、二人で「アルティには敵わないな」と微笑み合ったあとに、屋敷を出て行く。


 間違いなく、その別れ際の友情は嘘じゃなかった。

 最後に『眼』と『目』で通じ合って、ロミスと別れる。


 その数日後、私とアルティは故郷の村へと向かった。



 ◆◆◆◆◆



 帰郷する。しかし、移動にいままでのような準備は必要なく、とても楽なものだった。

 ファニア以外で『御石』はまだ足りていないが、私の篝火があるおかげで道のりは安全で快適だ。

 あと、ファニア特産の四足歩行の動物アルァウナ(モンスターほどではないが『魔の毒』の影響を受けた荷役馬の改良種だ)による馬車の存在も大きい。


 だから本当に何事もなく、村の入り口付近まで辿り着く。

 馬車から降りながら、落ち着いて村全体を眺めることもできた。


「……ふぅ」


 この二年でファニアは様変わりしたが、故郷のほうは余り変わらない。


 いつもの田舎くさい家と道が並び、木の柵による放牧地には――よく見ると農具に鉄製品が増えている。

 道が繋がったことで色々な物の頑丈さが増したのは間違いなかった。あと目に見えないところだと、食料庫の嵩が増しているのを報告書で私は知っていた。


 ファニア再興を通して、村も裕福になっている。

 数字だけでなく身体で感じられた私の微笑は深まっていく。


 それにしても、懐かしい空気だ。

 村には時々戻ってきていたけれど、いつも仕事で忙しなかった。なので、その空気はいつもより格別に美味しく感じられた。


 ……空気が美味しい?


「ふふっ」


 ファニアでの生活が長くなりすぎたせいか、都の人っぽいことを考えているなと思った。

 あれだけ警戒していたのに変わったものだと苦笑して、再度観察していく。


 あと他に変化があるのは、人の数と種類だろうか。

 交流ができたおかげで、村人ではない顔が遠目に見える。


 いや、それだけでは説明できない武装した大人が多いか?

 入り口の奥、村の中央でファニアの兵士が数人集まっているのが見えた。

 その装備には私も関わっているので一目で分かる。『火の力』で製鉄した立派な剣と胸当てを身に付けて、どこか物々しい雰囲気を醸し出していた。


 例のモンスター増殖に対応する為だろうか。

 道ができたおかげで、たくさんの兵士が迅速に駆けつけてくれたのなら嬉しいことだ。


 馬車から急ぎ離れて、入り口をくぐったあたりで私は知り合いの妙齢の女性に話しかける。


「ただいま……。なんだか人が集まってますね。どうかしましたか?」

「……え、え? あ、ああ、久しぶりね。あそこのファニアの人たちから聞いたけど、私たちの……『炎神の巫女』様は、向こうでも大活躍だったって聞いたわよ。いま、あそこに集まってるのは、モンスターに対処するための自警団とファニアからの応援の人たちね」


 家の近所に住む人だったので気軽に声をかけたが、対応が少しぎこちなかった。


 離れていた期間が長くて、私の背が伸びて……はいないが、髪型や装いが変わったせいだろうか。それとも、また『脅威』で怯えられている……? としても仕方ないか。私の幼少期をよく知っているのに、例の物騒な噂や教えばかり耳にし続けたのなら。


 これから地道に噂の印象を村から消していくしかないだろう。

 そう決めたところで、横から声がかけられる。


「アルトフェル教の……マリア様?」


 名前を呼んだのは、ファニアの兵士と思われる若い男性だった。

 装備が真新しい。応援に来た中で一番の下っ端のようで、それでいて私を見る目が輝いている。

 珍しく私の名前も知っている。事情にも詳しそうなのでこちらのほうがいいかと、村の女性とは「またあとでね」と別れたあと、詳細を聞く。


「説明させて貰います――」


 男性兵士は仕事と判断したのだろう。

 真剣な面持ちで、不器用ながらも簡潔な報告がされていった。


 まず、モンスター増殖の対応に派遣された兵士というのは当たりだった。

 ロミスは私に殲滅を頼んだものの、サボりたいならサボっていいと気を利かして派遣してくれたのだろう。

 ただ話はそれだけで終わらずに、村の遠く西にある国の動きが怪しいという話が出てくる。賊を制圧してから村に近づかれることはなくなったはずだが、ティーダの休養が影響したのかもしれない。

 さらに東でも同様の動きがあるらしい。東の山岳地帯には、この村とファニア領を治めるフーズヤーズ国の城がある。とはいえ、暗黒の時代に入ってからはあってないような国だ。確か、使徒たちが新たに向かった貧困地域もあのあたりだったはず……。


 つまり、問題は北と西と東の三面。

 一つ一つは大きな問題でないとしても、兵士たちの動揺は分からなくもない。


 そして、こうも立て込んでいるのならば少しは手伝いたくなる。

 すぐ私は後ろへ振り向いて、その許可を主に求めていく。


「アルティ、ちょっとモンスターだけでも見てくるよ。落ち着いて一休みするにしても、近くの森くらいは先に片付けよう」


 馬車の旅に疲れて静かだったが、主アルティも一緒だった。頑丈な身体の私と違って、すぐにでも横になって休みたいだろうに、仕事の表情で真剣に考え込んでくれる。


「うん……。近くの農村も心配だし、これは仕方ないね。他は急ぐ話じゃないし、モンスターが相手ならマリアちゃんに近づくことすらできないし……」


 それすら過小な表現であるくらいに、私と野生のモンスターの相性はいい。

 問題と条件を羅列したあと、アルティは簡単な仕事と判断して「でも、もし何か変だと思ったらすぐに戻って」と指示を出した。

 合わせて、私は男性兵士に頼む。


「以上を、あなたは上の人に報告してください。一応、道すがら周囲みんなに説明しますが、正式にロミス様からの仕事を受けたというのも大事なことです」


 独断でもいいが、応援にきてくれた人たちの頭越しにやるのは気が引ける。


 私は村の中を進み、集まっていた兵士たちにまず挨拶した。森に向かうと告げたあとは、先ほどの男性兵士を説明役に残して、さらに奥へ歩いていく。


 私にとって懐かしい顔ぶれが、すれ違うたびに驚きの顔となっていった。

 そして、モンスター退治に来たと話すと、すぐ笑顔となってくれる。さらに父と兄のいる自警団にも出くわして同じ話をしたところ、二年前と同じく言葉少なく送り出してくれて――


 そう言えば、二年前も似た流れで北のモンスターを退治していった。

 深まる懐かしさのままに、『火の力』の鍛錬をしていた例の開けた空間も思い出していく。


 以前にモンスターが出たと聞いたときはもっと慌てたものだが、もう私が駆けることはなかった。アルティが村で待ってくれているというのもあるが、この二年の経験が私を冷静にしてくれた。


 こうして、確かな自信をもった私は、北の森の手前まで辿り着く。

 例の開けた空間まで辿り着いたところで、遠目に敵を確認する。


 魔の毒に冒された獣モンスターが五体いた。

 種類は、闇に紛れる毛並みの巨大な狼ガルウルフ。


「……同じ? あのときと違って、そこまでの群れじゃないけど」


 以前と違って、数は二桁に届いていない。

 さらに言えば反応も遅く、野性的だった。私の存在に気付いたガルウルフから疎らに、こちらへ向かって駆け出してくるだけ。


 使徒の試しのときとは、状況が余りに違った。

 モンスターも、私も。


「この程度なら。《火》よ」


 拍子抜けした私は、腕を動かすことすらなく両肩から炎を翼のように生み出した。

 そのまま、この開けた空間に満ちるほど膨張させて、巨人の両腕をイメージしながら優しくガルウルフたちを包み込む。

 その熱と勢いは生物にとって致命的で、炎の翼は容赦なく二体の敵を全身火傷の末に絶命させた。

 さらに、その後ろから接近しようとしていた残りのガルウルフ三体も同じ手順で殲滅していく。


「燃え続けろ」


 余裕があった。

 私は炎の翼を維持して、ガルウルフを燃やし続ける。苦しませることなく絶命させてはいるが、その遺体を焦がして煙を焚いていく。


 時間をかけて、その煙と臭いを森に満たすことで、他の獰猛な獣を呼び込む目的だ。

 ときには炎の翼で風を煽って、森の奥に臭いを送りこんで挑発もする。

 その成果は、十数分後には出た。


 森の奥から新手のガルウルフが現れる。

 森の異常を察したのか、今度は群れに近い数での到着だった。


 とはいえ、こちらとしては魔の毒に冒された獣モンスターの大量発生こそが異常なので、異常として処理されるのはそちらだと炎を噴出させていく。


 もし木々に火が点いても『火の力』ならばすぐ消せるが、一応は森の中なので火力を控えめに制御している。

 それでも、戦いにはならない。

 この緊急事態にガルウルフたちは、私という森の異常に立ち向かった。ときには好戦的な他種のモンスターも途中参戦した。

 その全てが私に辿り着く前に消し炭となっていく。

 偶に私の間合いまで辿り着く個体もいたが、それは手から伸ばした本気の炎の剣によって喉を貫かれる。


 すぐに殲滅は終わった。

 ただ、その後は煙と臭いに釣られるやつは中々現れず、仕方なく足を使って森の奥へ向かっていく。


 二年前は戦うことを避けた第二波と呼ぶべきモンスターの集団を、今日はこちらから探して周っていき――


「見つけた」


 先に奇襲をかけてしまえば、さらに楽な戦いとなる。

 新たなモンスターの集団もほぼ同じ流れで、あっさりと燃やし尽くされ、殲滅されていった。


 もはや事故もなければ予定外もない戦いだ。

 代わりに敵を見つけるのには難儀して、予想以上の時間を消費している。再度歩いて、さらに奥深くまで進んでいったが、続く第三波とは邂逅できなかった。


 漏れる『脅威』は制御しきっているのに、モンスターと出遭えない。このまま本格的に森の奥へ進めば、日を跨いだ大仕事になってしまうだろう。

 予定を少し変更して、少し強めの『火の力』を展開していく。


「《火》よ。森に『結界』を」


 両手から蛍のように揺れ浮かぶ炎を、十ほど生み出す。

 それに『監視』の性質を持たせて、森の四方八方に飛ばした。


 篝火のほうの『結界』の応用であり発展だ。私を中心に『結界』を急造することで、蛍の炎の周辺の情報を得られる。


 どこまでも感覚を拡げていって、頭の中に地図を思い浮かべた。

 ただ地形が分かるだけでなく、大気の『魔の毒』の流れも読み取っていく。森の些細な変化を『目』は見逃さず、痕跡を辿り、『魔の毒』に冒された生物を追尾する。


「……よく視える」


 この二年、私は『結界』を鍛えに鍛えた。

 この分野においてだけは、いまや使徒にさえ届くだろう。


 飛ばした蛍の炎との距離を一定に保ち、『結界』を円形に整えていく。すると私という瞳孔を中心にして、『結界』は『目』そのものと化していく。


 森全てを『目』の中に収める――いわば、『千里眼の結界』だった。


 蛍全てを等速で動かすことで、その範囲は自由に拡げられる。

 その新たな『千里眼の結界』によって、モンスターを捕捉できるのは時間の問題となった。新たな集団を見つけて、すぐに私は駆け出した。蛍の炎を猟犬のように動かして、集団の動きの抑制と誘導をすることで遭遇に成功する。


「群れ、三つ目。《火》よ」


 第二波と同じように第三波にも奇襲に成功して、燃やし尽くし、殲滅し終えた。


 ここまでくると、もう危険は全くないと思えるあっさりとした戦いだった。

 ただ時間だけはかかるので、私は『千里眼の結界』を維持したまま、狩りから業務へと感覚を切り替えていく。

 淡々と手際よく、ミスのないように進めつつ、村に帰ったあとの予定を立てていく。


 ……早く終わらせて、帰ったら何か食べよう。

 たぶん、お腹を空かせた私の為にアルティが色々と用意してくれているだろう。

 先ほどから、その村の様子が頭に浮かんでいる。

 村長のいる広い屋敷じゃなくて、わざわざ私の狭い家でたくさんの料理を机に並べているはずだ。私の休息のために、母を交えて夕食を摂りながら楽しく談笑している未来までも想像できた。


 ――『千里眼の結界』は未来を視通す・・・・・・性質がある。


 炎が『魔の毒』の流れを分析したとき、副作用のような形で未来予測までしてしまうのだ。

 その予測ついでに、私は険しい森の中を歩きながら、今回使った蛍の炎の将来性について考えていく。


 私は強くなった。

 しかし、この『千里眼の結界』には、まだ大きな伸びしろがあるだろう。

 改良するならば、蛍でなく松明のほうがいいと今日の展開で感じた。炎を浮かせて維持に苦労するよりも、鉄で武装した兵士たちに松明を持って貰うのだ。その炎を基点に『千里眼の結界』を作れば、効率良く長時間の広域展開ができる。その兵士を守り、把握し、指示するのも、とても楽になる。


 いまの私ならば、村や街の人口を遙かに上回る人数を把握できる。

 数にして表せば、百倍以上――集団でなく、大軍勢を操るのに『千里眼の結界』は適している。


 そんな未来を見据えたのは、先ほど聞いた西国とフーズヤーズ国の話が原因だろう。

 おそらく、戦火は近い。

 世界を救うために急拡大し続ける限り、いつか必ずファニア領はどこかとぶつかる。


 主たちのために戦いの準備をしておくのは従者の仕事だ。

 そして、その仕事を果たすとき、私はアルティの傍にいつもいると確信している。

 もはや〝影〟に隠れることなく、その隣に堂々と並び立っているのだ。

 そんな素晴らしくて眩い光景が、私の『目』に浮かんだ。


 ――表立って〝太陽〟のように輝くアルティ。

 彼女が世界を救う大軍勢を率いている光景――


 壮観だった。大陸で最も広い平野一面に、兵士たちが埋め尽くしている。

 規模は数万……いや、数十万は展開しているか? その全兵士が松明を持って、巨大な『千里眼の結界』が維持されている。

 千年後の大陸まで残る伝説的な進軍だろう。

 それを率いる私たちを渾名で呼ぶとすれば、それは、


 ――戦いの神そのもの。

 いつか・・・、大陸全てを支配する『炎神』アルティ・・・・――


 神々と同じ名を持つあなたに相応しい雄姿が、私の『目』に浮かんだ。

 炎そのものとなった四肢。白い焔を織りなした衣を纏いて、もはや地に足をつけることはなく、炎の翼を背負って飛び続けている。人と対等の次元にいないと、一目で分かる神々しさだ。

 もし人と同じと言える部分は一つだけ。

 それは頭部にある表面おもてのみ。

 長い前髪の奥に、よく見た顔が垣間視えた。


 ――私自身マリアの顔が。


 魔の毒に冒された獣モンスターのように、首だけの動く炎・・・・・・・となった私が視えた。

 アルティではなかった。というより、アルティがいない。大軍勢の上空、燃え盛る私は独り。助けるべき主が傍にいない。〝『炎神』の隣には、別の神が常に必ずいる〟はずなのに、どうして……。

 ……気分が悪くなってきた。

 頭がぐるぐるする……。

 アルティは炎神となって、必ず私の傍にいるはずだ……。いや、アルティは炎神ではなく光神のほうだったか? どっちがどっちだった……? 何か、とても大切なことを忘れているような……。


「……忘れ、て? ――――っ!?」


 森のモンスターを全て殲滅し終えたところだった。

 長時間の『千里眼の結界』から意識を外して、視界が目前の世界に戻ったとき、それ・・を私は見た。


 暗い森の奥深くだが炎の明るさのおかげで、『目』でなく視界で捉えられる。

 木々の間を縫い、蛍の炎の間を縫い、ゆらりと亡霊のように現れたのは、首なしの動く鎧・・・・・・・


 人型ゆえに、最初はファニアの兵士かと思った。

 『火の力』で打った全身鎧を身に纏っていたからだ。剣も鞘も小手も脛当ても靴も、全て見覚えのあるファニアの逸品だ。

 しかし、違う。成人男性を二回りは上回る巨体というのもあるが、鎧の上にあるはずの頭部ものがそれにはなかった。


「モ、魔の毒に冒された鎧モンスター……? 『結界』をすり抜けられるわけが……」


 ないと、『千里眼の結界』はいつか大陸さえ支配できる力だという自信があった。なのに、その未来を裏切るようにモンスターは叫ぶ。

 鎧を震わせての咆哮を。


「ァア……、ァァアァアッ! ァァ■ァ■ァア■アアアアァア゛アア゛ッッッ――!!」


 聞いたことがある咆哮だった。しかし、すぐには思い出せなくて、私は頭の中の書物をひっくり返す。

 珍しい形状だが、全く情報がないわけではない。実体のない靄のモンスターは物体を動かすと、確か本に書かれていた……気がする・・・・

 モンスターの姿形は地方の生態によって大きく左右されるとも書いてあった……はずだ・・・


 まず、その分厚い鉄を纏った姿から、ファニアの『鍛冶』の影響を感じた。


「ァ■、ァ■ァ、■ァァ……」


 しかし、それだけではないと目の前の鎧は軋み続ける。

 この二年、ファニア地方は『魔の毒』を扱う異常存在に荒らし尽くされた。私が巨大モンスターを狩って回り、ティーダが周辺地域で賊を殺して回り――そのとき死んでいったモンスターや人間たちの集合体でもあるような気がして、徐々に怨念のような言葉が聞こえてくる。


「ァ、ァ■ア、ァルト・・、ァ■ェル・・・――」


 本来ならば頭があるはずの鎧の首元――の中で血肉が蠢いていた。その痛々しい傷口から、言語のようなものが発せられている。


「…………っ!?」

「ァア■ァ■アァッ!!」


 瞬間、首なしの動く鎧が足下の土と草木を抉り蹴った。


 鉄の塊が目の前まで迫ってくる。

 速い。大きな図体で、私と同じくらいに動く。

 咄嗟に私は炎を吹き出させた。


「《火》よ! 貫けえ!!」


 両手からならば、『火の力』の最大火力が出せる。

 この至近距離まで近づいた敵を仕留め損なったことはない。

 鉄をも一瞬で溶かす豪炎を、至近距離で破裂させていく。


「ァァァァ■ァ■ァア■ア……」


 それは見事モンスターの鎧に直撃して――しかし、遠く後方の大木まで押し飛ばすのみで留まった。

 距離は大きく空いた。けれど、鉄の鎧は溶けることなく健在のまま――


 丈夫過ぎる。

 ただの鉄ではない。炎への抵抗力のような性質ものが、丹念に打ち鍛えられている。全身が『御石』によるお守りタリスマンのようなものと化していて、もはや炎に適応した新生物だ。


 天敵過ぎる。

 露骨に最悪な相性に、人為的なものを感じた。

 誰かが意図的に導かなければ、こんな生物は生まれないし、こんなときに私の目の前に現れない。


 これを寄越したのは、前に同じ場所で試してきた使徒たちか……?

 いや、この露骨な姿は『魔の毒』を地下室で研究していた――


「……ヘ、ヘルミナ? ヘルミナ・ネイシャ?」


 彼女の匂いを、動く鎧から濃く感じ取った。

 ファニアの地下室も頭によぎる。

 二年、ずっと見過ごしてきたものを思い出していく。

 彼女は初めて出会ったとき、私を見てこう言った。

 暗黒の時代になれば自然と、その先の存在も・・・・・・・すぐに生まれると。


 ……も、元は人間・・・・


 直感的に。

 分かりたくもないのに。

 動く鎧が『魔人』の行き着く先だと、一目で『目』は視抜いてしまった。

 同時に、私を再現しようとした試作品ものだとも視えて――


 最悪な事実に私が身を震わせたとき、また別の悪寒が私を襲う。


「――え?」


 遠くに・・・異変を感じたのだ。

 できるだけ『千里眼の結界』には頼らず、集中して聞き耳を立てた。


 南だ。

 村のある方角で、いま轟音が鳴った。


 モンスターを焼きすぎて気付けなかったが、もしかして私の炎以外でも煙が立ち昇っている……? 

 ま、まさか、村が燃えて……? そ、そんな……。


「そんな……、馬鹿な……」


 二年前は呑み込めた言葉が漏れた。

 だからこそ、実感する。

 いまの私は、二年前と比べて明らかに愚鈍だった。

 間違いなく、『火の力』を得る前よりも弱くなっている・・・・・・・と理解したとき、零してしまう。


「……おかしい」


 一年前のロミスと同じ危機感ことばを抱いた。


 そして、ようやく気付く。

 まず、そもそも。

 そもそもだ。

 先ほどから、この私が「はずだ・・・」……? 「だろう」「たぶん」「気がする」「かもしれない」も、全てがおかしい。そういう安易な未来予測が私は嫌いだったはずだ。曖昧な言葉を使って、嘘偽りを覆おうとするのは許せないことだった。

 だから、「嘘だ」「違う」と即答してきた。過去の素早い分析が得意だったからだ。なのに『千里眼』は未来を視通すだって……? 曖昧な未来が視えるなんて邪魔なだけ、ただの目眩だろうに。大切なのは目の前の現在いまだ。記憶した過去を利用して、現在の本質を見通すのが『千里眼』だった……はず。はずだったから、その記憶力が私の自慢で……。だから、聡いとも褒められた……。天から授かった才だとも、尊敬する人・・・・・から教えて貰えて……――「この村にとって、おまえは危うき火種なのだろうな」――


「…………っ!」


 動揺して、『目』が信用できなくなっても、まだ私の頭は聡く速いままだった。それが幸いなのか不幸なのか、とにかく頭の中が熱い。

 ぐるぐると煩雑して、熱くて堪らない。


 やはり、もっと早くに休むべきだった。

 後悔したとき、それを提案してくれた主の顔が思い浮かぶ。


 ……アルトティ■・・・・・・

 そうだ。彼女だけは絶対に守らないといけない……。

 あの眩しい主こそ、私にって最も大切なものだから……。


 ならば、なぜその大切なものアルティの隣に私はいない?

 分かっている。

 ファニアの兵士が守ってくれているからだ。

 この二年で、私以外にもティーダといった信じて頼れる護衛たちが増えたからだ。

 だから、いまも村でファニアの兵士たちが全力でアルティを守ってくれている。

 はず・・、なんだ……。


 ――曖昧な思考に吐きそうだった。


 自分で自分に安易な嘘を吐いているようで反吐が出る。

 もう思考の悪循環は止めて、とにかく動いて、村まで戻るしかない。


「ァ、アルティ……!!」


 その判断だけは早かった。

 どんなときでも傍にいると誓ったからだ。

 ただ、一緒だと誓っていたのならばなぜ隣にいなかったんだおまえはと、また吐き気が増す。


 こうして、吹き飛ばした敵の追撃を選ばず、背を向けて走り出したとき。

 私は『目』どころか、自分自身さえ信じられなくなるのを感じた。

 心に泥のような汚れがこびり付いて、二度と取れないような気もして――




 汚れそれを認識できたのは、『魔の毒』を循環させる器となってから二年目の終わりの日。

 人生最長となる最悪の日を迎えて、ようやく。

 器たちは『呪い』に気づいて、本当の物語を始めていく。




 これで今回の投稿は終わりです。

 またもう少し経ったら纏めて投稿したいと思っています。そして、今週末は、

※コミカライズ9巻が5/8に発売!

 この9巻には例の燃えちゃうシーンまでしっかり入っていて、マリアはもちろん、アルティもいい表情しているのでオススメです。

 千年後、留守を狙って大事な家を燃やす側に回ったアルティ。

 「マリアちゃんは傍で私が守り続ける」と心に誓ったアルティ。

 後日談が進んだことで二章を読み直す価値が少しでも増えていればいいなと願っています。

 よろしくお願いしますー。




 あと後日談の余談ですが。

 正直なところ、ティーダ・アルティ過去編で私が書きたかったのは、この日ですね。

 デュラハン君など含み、本編で語られなかった設定ものがかなりこの日に清算されます。


 ちなみに過去編の別の頁で少しずつ燃えている■たちは、いま同時視聴していて+身に覚えがありすぎて「お、おえぇぇー」と吐いてるラグネかノイが読後に治すのでご心配なく(メタ的に言うと、■はバックアップしたデータでそのうち元に戻りますので、今急いで他の過去編投稿を読み直す必要とかは全くないということです)。

 あとアルティは邪神ティアラと二人きりの期間がそこそこあるので、ノワールも吐きます。

 それではまたー。

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四章でパリンクロンが世界奉還陣で呼び出して「あの姐さんを一度殺した〜」的なこと言ってたデュラハン、またはその原型っぽいのが出てきた! どういうこと……? アルティ殺したっていつ……? って頭の片隅に引…
わー!いろいろ燃えてるー 流れで110層の試練読み返してきたんですが、本当の魔法があれなのいろんな文脈が乗ってていいなー なお火力 せっかくなので時間がある時に本編も読み返そうと思います〜 更新ありが…
うわーっ!過去の話軽く見返したらタイトルだけじゃなくて中身も燃えてるー!!! マリア、次元にまで踏み込んじゃったのか……?忘却だけじゃなくて狭窄もかな……? 普通に大事なことを忘却してこうなっちゃった…
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