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最弱召喚者は這い上がる(凍結中)  作者: 多田野箱
地の底編
10/35

一人は寂しいです

 


 急速に下へ下へと落下していく自身の体をどうにかしようと広成は一度深呼吸をして思考を落ち着けようと試みる。そして


「こ、こんなところで死んでたまるかぁああああああ!!!」


 冷静には成り切れていないものの全身全霊の叫びとともに準備を開始する。まずローブの中に仕込んであった種入れケースからノビック草の種を一瓶、ある種を3つ取り出す。(広成の種は試験管のような容器に入れており、入れられている数はそれぞれで決まっている)


「我が魔力を吸い、太く、強き木々へと成長せよ!植物操作ァ!!さっさと伸びろぉお!!!」


手に握りしめたノビック草がパリッと音を立てて殻を破り、俺の手の隙間から伸び始める。あらかじめ魔力を込めていた種にさらに新鮮な自身の魔力を入れ、右手に20粒程ノビック草、左手に10粒ほどのノビック草と芽吹き始めたノビック草とある種を共に持つ。


 計画としてはまず右手のノビック草を周りの壁に纏わりつかせて落下の速さを和らげ、左手の両種の草を下に敷き詰めて衝撃を和らげるように分けて使う。植物操作の杖は自身の一部に付けておけば魔力が流れるので歯で噛んで持つ。


 ぶっつけ本番で成功するか分からないけどまあ賭けだ賭け、と齢16にして生と死の博打をする広成。もう異世界に来てからいろいろと吹っ切れ始めている。


 死霊操作のローブがいい感じに空気抵抗を生み、普通に落ちるよりもかなりマシな速度で落ちていく。


 その数分後には右手のノビック草が周りの壁に当たり始める。しかしガマラスの拘束に活躍したノビック草といえどもやはり草なので減速の効果はあまり無い、気休め程度だ。


 少しずつ光が見えてきたので下の方に草を向ける。下に光があることに少し驚くが今は自身の身の方が怖い。ある種の方も順調に育っている。


 ちなみにある種とはプックという草のことだ。一つ一つの花弁が40センチ程の膨れた風船のような形である程度の質量を持った物を持ち上げることができる草である。しかしまだ未熟な広成なので現在25~30センチ程の大きさしかない。


 つまりはノビック草で周りをコーティングしたプックを下へと置いて衝撃を和らげるのだ。



 この作戦、結論からいえば結果はほぼ成功した。


 ほぼというのは成体には成りきれはしなかったものの直径が3つつなげたことにより1メートル位にはなっていたプックから出ていた広成の片足がボッキリ逝ってしまったからである。


 しかし7km・・もの高さから落ちた割にはとてつもなく軽い傷と言えるだろう。


__________________________


 五日後、広成side


 今の俺の状況は…


 なんと!!あのダンジョンの一番足を踏み入れてはいけないと団長や兵士の方々から言われていた「死神の渓谷」と呼ばれる場所におそらくいる!あと左足の骨が折れた、めっちゃくちゃに痛い。いや、ほぼほぼ動けないんですが…


 もしかしたらあのまま名誉ある戦死してたほうがよかったんじゃないのか?と思うくらい今生きるのが辛い。でもこういう時にこそ明るくならないと、楽観的すぎると3高トリオにも言われる位に。


 ここには光石がそこかしこにあるから視界には困らない程度には明るいのが救いだな、これで真っ暗闇だったら精神崩壊してると思うぞ俺…


 ただし食べるものが小型の魔物の肉(獣の捌き方は教えてもらった)と携帯してた食用の果実を実らせる植物だけしか無いのはツライな。


 植物の方は俺の「植物操作」を使えばものの数十分で熟す万能のやつ。で、もちろん食べた果実の種は回収してまた使う予定だ。リサイクルは大事。


 しかしバッグに入れてた”こんな時あったら便利シリーズ”が落下の衝撃で結構壊れて使えない、太陽の光が届かない、食べられるものが大体不味い。問題はこれくらいだが色々ないから精神的にキツイ。


 しかも壊れた便利シリーズの中には俺的に一番必要だと思ったアルコールランプのように火を灯す魔法道具が入っていた。もう足折れてるしこの状態でサバイバルしろって無理じゃね?


 そう思っていた時期が俺にもありました。


 救いはあった!さっきから一人なのに孤独がないと思っていたそこの貴方!!残念、実は俺ここだといろんな死霊が見えるし話せるのだ。理由は分からんがな。俺としては成長だと思いたい。


 でもここにいる人のほぼ全員罪人が着る白黒の縞々服のような格好で話しかける勇気が出ない。(他にいるのは冒険者っぽい装備をつけた人たちだ)


 しかも5分の4程の高い比率でブツブツと呪詛を言うように繰り返し繰り返しずっと何かを呟いてて怖い。何なの、この人たちって絶望の淵に追いやられたの?


 だけどこんな俺を助けてくれた人がいた。上半身裸のムキムキな初老のじいさんでエレクと言う人だ。この「エレク」って名前、どこかで聞いたことがあると思ったんだがどこだったかな?どっかのアニメか?まあいいや。


 わし、実は英雄だったんじゃよとか、不死身の骸骨をこのダンジョンに封じ込めたとか、この国に攻めてきた時の魔王の力は凄まじくてな…とかの面白いホラ話をいろいろしてくれるユーモアがあるじいさんだ。


それにしては体に結構な数の生傷があるし何かオーラがすごいから生前は強い部類の人だったとは思うけど。


 もしかしたら本当に英雄だったりして…でもそれはないか、だったらなんでここにいるって話になってくるよな。見た感じここの人の殆どが罪人っぽいからこの人もその理屈から言うと罪人になってしまう。いや俺はこの5日間の中で色々とお世話になってるし信じてるぞ?


 エレクさんから話を聞くついでに回復薬ライフポーションは飲むのではなく口に含んでから傷口に塗り込むと良い等の処置を教えてもらった。最初に何この人HENTAIさん?と思ったのは言わないでおこう。


 ちょっとこのままここで暮らすのもいいかもなぁーとか思ったりする今日この頃、冗談だけど。だってここ「死神の」って付くほどの超危険区域だぞ?怖いよ、毎日が。まだ5日しかいないけど。


 しかも足が折れてるから早く動けない。いくら回復薬を使って治る速さを底上げしているとは言え骨折は重傷に変わりはないから早くここから出たい。


 いつか小司達勇者一行が見つけてくれるはずだけどいつかじゃ困るんだよな、これ。さっきも言ったけど危ないんだよここ。


 今はエレクさんの周りにいるから生きていけてるけどこれからもそうやって生き抜けるとは思えないしね。流石に俺もそこまでは楽観的になりきれない。ちなみにエレクさんは何か光ってるから見やすい。


 さらに手を出すと多分死ぬって分かる蜥蜴と蛇を足したようなドラゴン的な奴を見たし、浮遊する半透明なナニカ(多分悪霊ゴースト)等のヤバイ奴がここら辺にはうじゃうじゃいる。


 このままここにいたら多分1ヶ月と経たずにこういう奴らに見つかって死ぬんじゃないかな俺。ガマラスの時は死ぬ気でやったからなんとかなったがあんな奇跡は多分もう二度とない。


 ハハッ、笑えねぇー。異世界召喚から1ヶ月で死ぬ可能性が特大の場所に単身放り込まれるとかどんな無理ゲーだ、難易度ルナティックだよホントに。俺は死にたくないんだよッ!!嗚呼一刻も早くここから抜け出したい。


 こんなことを考えていたら透けた人影がスーっと近づいてきた。さっき話したエレクさんだ。


「さっきから何をひとりでブツブツ言っとるんじゃおんしは」


 また漏れてたか、俺の心の声。「お前ってたまに心の声っていうか考えてること言うよな」とか白石とか長谷川とかからいつも言われてたんだよな。


「喋ってましたかエレクさん。実はここからどうやって抜け出そうかな?と考えてたんですけど俺ものすごく弱いから出れる気がしないって感じてたところです」

「何言っとるんじゃお前は。弱いのならこれから強くなればいいことじゃろう」


「えっ、あっ、ハイ。そうですね、じゃあエレクさん俺に修行とか付けてもらえませんかね?ハハ」


「良いぞ。よし、善は急げじゃ。明日から始めるとするかの。今日は早めに寝ておけ」


 あ~、マジでどうすっかn…え、マジ!?


「ちょ待っ!!!」


 行っちゃったよ…え、ナニコレ。これってハードな修行をする系?え、え?ちょ、ちょうどいい機会なのか?が、頑張る?ど、どうしよう…全然考えてなかった。ま、まあやるなら頑張ろう。俺の座右の銘は「頑張るときは死ぬ気で」だからな。ウン。

 

えー、久しぶりの投稿となりました。実は凍結する前から原案自体は出来てたんですよ。嘘ついててスイマセン、でも原案から広めていくのがとてつもなく大変でして・・・


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