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葛藤の話

五話ですどうぞ

妹は葛藤していた。もし「死後に評価される」という話が本当なら。

「いっそのこと、私が兄さまを殺してしまおうか」

妹に執着され、歪んだ愛ゆえに殺された哀れな天才作家。話題性は十分だろう。

一方で、兄の新しい物語をもっと見たいという純粋な期待もあった。

兄を認めない愚かな人々と同じように、自分も欲張りなのだと、彼女は酷く自分を責め立てた。


彼女が心中を図る未来は、そう遠くないのかもしれない。


兄は葛藤していた。もう物語を書くのはやめようかと。

「いっそのこと、自殺でもして、死後の可能性に懸けようか。」

自殺なんて世間的に見ても話題は十分。一瞬でも自分に興味が向けられる。それが奇異な目でも構わない。

でも、もしも生きている間に認められたら?という、不確定な明るい未来が頭を締め付ける。

それと自分を肯定してくれる人はあの世にはいないのに、妹と離れてしまったらもう一生自分の作品に味方してくれる人はいなくなるかもしれない。


あぁ思考が絡まってしまう。


苦しいならいっそーーーーー一緒に死んでしまおうか。妹と本当の永遠で共にいるか。

読んでくれてありがとうございます

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