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まずは鍛冶屋さん

 河原田城評定の間での会談の後、俺と石花様(ゴローザ)中村様(トーロク)は河原田城に残り、藍原様(クロード)北見様(シゲサブロー)は一旦帰っていった。


 そして残った俺とゴローザとトーロクは、内政に強いという磯田様(トクノシン)と一緒に職人巡りをする。


 河原田城下鍛冶屋


「城下の鍛冶屋はここだけじゃ」


 と、磯田様(トクノシン)が俺、ゴローザ、トーロクを連れてきた。


「おはようございます。お邪魔しますよ~」


 と言って俺は鍛冶屋さんに入っていく。

 後からみんなもついて入ってきた。


「はい、いらっしゃいませ。いかがいたしましょう?」


 鍛冶屋の奥さんが出てきた。

 鎚の音がするので鍛冶師(旦那)さんは作業中だろう。


「いくつかご相談があって参りました。鍛冶師さんの作業のご都合のいいところでお話を聞いていただきますようお願いします」と俺が言うと、


「いえ、すぐに呼んできます」と奥さんは鍛冶師(旦那)さんを呼びに行った。


「ショーゴ殿は町人にも随分丁寧なもの言いをされるのだな」と磯田様(トクノシン)が言った。


「はい、偉そうなしゃべり方は慣れておりませんので」と、俺。


 〜 〜 〜 ※ 〜 〜 〜 ※ 〜 〜 〜


 そして、奥から鍛冶師(旦那)さんとその師匠(親父)さんが出てきた。


「これはこれは、お武家様方… お武家様ですか?」


 師匠(親父)の方が話しかけて、俺の姿を見て止まった。


「ハハ、俺は武士ではありません。こういうものです」


 例によって名刺を渡し、


「菱田翔吾と申します。こちらは河原田様の磯田様、こちらは藍原様の石花様と中村様です」


 とみんなを紹介すると、鍛冶師(旦那)さんと師匠(親父)さんは、


「これは失礼いたしました」


 その場で土下座スタイルになった。


「いやいや、普通にしてください」と俺は二人を立たせて話を続けた。


「こちらは、ご主人と、えっとお父さんですか?」俺。


「お父つぁんは家内の父親でして、あっしは元々お父つぁんの下で鍛冶を教えてもらっちょりました」


 と、鍛冶師(旦那)さんが答えた。


「お二人で? 他にお弟子さんとかは?」俺。


「今はおりません。そのうち息子に教えようかと…」鍛冶師(旦那)さん。


「冶金はできますか?」俺。


「冶金とは?」鍛冶師(旦那)さん。


「鉱石から金属を精錬して抽出する…」俺。


「ああ、溶かし出しかね… いやぁ、やったことはないなぁ」


 師匠(親父)さんが答えた。


「そうですか。こちらはフイゴはありますか?」俺。


「箱フイゴがございます」鍛冶師(旦那)さん。


「これから仕事がいっぱい増えます。できれば人を増やしてください。俺らも連れてきます。それから設備も整えてください」俺。


 続けて俺は、


「まずはこれとこれを作って欲しいです」と、


 地面に「シャベル」と「ツルハシ」と「ハンマー」の絵を描いて説明して作成を依頼した。


「後、欲しいのは斧とノコギリと… あっそうそう…」と、


 今度は戦国時代逆行転移でお馴染みの「備中鍬」と「千歯扱き」の絵を描いて説明した。

 地面に絵を描いて説明してから、携帯の中に画像がないかと探してみたら、ロールプレーイングゲームのインベントリの中にシャベルとかツルハシとかの絵はあった。

 千歯扱きはなかった…(;´∀`)


「まず、何よりシャベルを作ってください。シャベルはいくらあっても構いません。この後、木工職人さんのところにも色々とお願いに行きます。他にも色々作ってもらいたいものがありますので、鍛冶師(こちら)と木工職人さんとで協力して作ってください」


 そう言って俺らは鍛冶屋をあとにした。


「磯田様、人材を集めてここに何人か弟子入りさせてください」


 鍛冶師はもっともっと必要になるだろう。

 設備も整えなければ…


 俺は磯田様(トクノシン)にくれぐれもお願いするのであった。

鍛冶屋の旦那さんは伝助さん、親父さんは克治さん、奥さんはおはまさんと言うらしい。

島だし、おはまさんは多いのかな?

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