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ならんな

 俺は貞兼様(サダカネ)の隣に膝立座りで、横から「ここをこうして、こうして、こうして」とスマホをタッチして見せた。

 俺が貞兼様(サダカネ)の隣にピタッとくっつくと周りのみんながピクッとしたが、それよりもスマホへの興味の方が強かったのか黙認されたようだ。


 俺が手を添えてスマホを操作して、カメラモードで左に控えておられた神田様を撮って画像を見せると、貞兼様(サダカネ)は目を剥いて「オオぉ!」と声をあげ、他のみんなに画像を見せてまわった。


 〜 〜 〜 ※ 〜 〜 〜 ※ 〜 〜 〜


「それで、その方は如何がしたいと言うのだ?」


 一通りスマホで盛り上がって、まぁ、仮に未来人だと認めたとして、となって、仕切り直して、貞兼様(サダカネ)がきいてきた。


「はい・・・」


 と、俺が話し始めようとするとヨコから藍原様(クロード)が、


「殿、小奴が言うにはですな、佐渡には金銀が山ほど眠っておって、佐渡の身内同士で争っておることはバカバカしいことだと」


 と、殿様同士の会話が始まった。


「西三川の金だけではなくか?」サダカネ。


「まずは鶴子の山を探せと言われて探してみたらこのように…」クロード。


「鶴子でか…」サダカネ。


「さように」クロード。


 そして貞兼様(サダカネ)は俺の方を見て、次に磯田様(トクノシン)の方を見て首で合図をする。


 その合図を見て磯田様(トクノシン)が「まずはどうすればよいのじゃ?」と聞いてきた。


 そこで俺は熱弁を振るう。


「これから金銀はいくらでも出てきます。何よりも人材が必要です。本間様同士、お身内で争うなどもったいないことです。全本間様(オールホンマ)で一丸となって佐渡を繁栄させるべきです」


「それで、佐渡中の本間氏を招集して本間会議を開けと?」と、サダカネ。


「はい、是非とも」と、俺。


「ならんな。それはならん」と、サダカネ。


「なりませんか?」俺。


「今のままではうまくゆかん」サダカネ。


「ゆきませんか?」俺。


「ああ、圧倒的な力の差を持って、それでも対等に接してやるぞとみせてやらねば、あ奴らとは話し合いはできん」


 ま正直な性格なのだろう。

 貞兼様(サダカネ)の心からの吐露に佐渡の本間氏の内側を垣間見た気がした。


『圧倒的な力の差が必要なのか・・・』


 〜 〜 〜 ※ 〜 〜 〜 ※ 〜 〜 〜


 引き続き河原田城評定の間


「ならばまずは、その圧倒的な力を手に入れることにしましょう」


 と、俺は言った。


「どうするだちゃ?」貞兼様(サダカネ)が聞いてきた。


「まずは銀鉱石(コイツラ)を米と銭に換えたいですね」


 と、銀鉱石を指さして俺は言った。

 ここから河原田本間家の富国強兵政策を開始する。


「俺のイメージ、ぁ、ぃゃ、俺の中では本間氏はとても商売が上手いと認識しております」と、俺。


「それは本間氏を侮辱しておるのか?」と、貞兼。


「いえ、未来の伝承で山形の… 山形は出羽の国か、出羽の酒田と言う地で、本間氏の子孫が商売で大成功されて、なんでも確か、本間様には成れなくても、せめて大名くらいには成りたい、と言う大名よりも本間氏の方が上だみたいな言葉がありました」俺。


「なんじゃ、褒められてるのかけなされてるのか、よくわからんの」貞兼。


「なので、ご身内でもご家来様でもいいのですが、どなたか槍働きよりも読み書き計算が得意な方はおられませんか?」俺。


「それならば、そこの磯田徳之進(いそだとくのしん)じゃ」貞兼。


「いやいや、内向きのことでは蔵人殿にはかないません」と、磯田様(トクノシン)は謙遜した。


 我が殿、藍原様(クロード)は「蔵人」と呼ばれるだけあって内政が得意のようだ。


「是非とも、磯田様(トクノシン)にもお力をお貸しいただきたく…」


 そして俺は藍原様邸でもお願いしたことを繰り返しお願いするのであった。


◯俺のやりたいこと列挙


・船が造りたい

・水車をあちこちに造りたい

・窯をあちこちに造りたい

・とにかく人手を集めてシャベル部隊を造りたい


そのためにはまず、


「商人、鍛冶屋、職人を紹介してください」

いずれは


・酒蔵、味噌蔵、醤油蔵を造りたい(*^^*)

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