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邂逅の果て




「──先生」


「お前な……今の名前で呼べよ」

「だって、一緒に生きる事が許されなかった『先生』が、今『夫』としてここにいてくれるんだもの。

夢じゃないか確認したくなるの」

「夢じゃねぇよ。

俺とお前は確かにここにいる」

「ふふっ……、うん。

──ねぇ、先生」

「何だ?」

「愛してる」

「俺も、愛してる」

「幸せだね」

「幸せだな」



 あの頃とは姿も年齢も、その差も全く違う。

 けれども魂は同じ。


 ──幾度も生まれ変わり、幾度もすれ違った。

 その中で求めるのは互いの魂だけ。

 再び巡り会えるまで、幾度も一人で生きて、幾度も一人で死んで行った。


 望むのは、互いだけだったから。

 他の魂では、代わりになんてなり得ないから。


 そしてこの人生で、やっと再会出来た。

 瞬間、前世の記憶が全て蘇り。



 今、共にある。



「やっと逢えたんだ。

つかんだこの手を絶対に離しはしない。

たとえ何度生まれ変わったとしても」

「うん」




 ──悠久の愛を誓って──。





邂逅かいこうの果て・完】

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