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読書/ホフマン『牡猫ムルの人生観 上・下巻
『長靴猫』の子孫ムルは宮廷魔法使いアブラハムに拾われ、書斎で文字の読み書きをおぼえ、自伝を書く。その際むるは、書斎にあったブラハムの部下で宮廷楽士長クライスラーの自伝を破いて下敷きにしたため、ムルとクライスラーの自伝がごっちゃになった物語ができる。
通常の物語構成は、問題発生、あがき、問題解決の三幕で構成される。本作は、第三幕が描かれず、第二幕で、宮廷に出入りする公子と公女の婚約をした裏側で、主人公猫の死により、唐突に終わった。そして、編集部後期という形で、猫と楽士長のごっちゃになっちゃったよと、物語が乱れている理由が明かされて、終わるのだ。
文豪トルストイが笑い転げ、夏目漱石『我輩は猫である』の下敷きになったといわれる本作は、なにぶん二百年前の小説なので、ギャグにジェネレーションギャップが生じていることは歪めない
電子書籍がなく、古本で買ったら、プレミアがついて高かった。
ノート20210227




