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第12話 今日ほど、この世界に来れたことを感謝した日はない!

読んで頂きありがとうございます!




「まだ誰も来てない……私が一番乗りか」


夏休みが始まり、前に約束していた海へ遊びに行く日を迎えた。正直楽しみすぎて早く来てしまった。


「沙那ちゃんと美佳ちゃんの私服と水着楽しみだなー!」


男連中に誘われたときに二人から一緒に行きたいと言われたのだ。二人の可愛さを独占出来ないのは惜しいが仕方ない。


「お待たせ、零さん早いね」


「全然待ってないよ……って、相沢くんと蒼真くんだったか……」


「どうかしたか?」


「いや、なにも……」


先に着いたのは男連中だったか。くそ、満面の笑みで振り返っちまったじゃないか。


「零さんも楽しみにしてくれていたようで良かったよ」


相沢くんが笑いかけてくる。そう言っている相沢くんの方がなんだか楽しそうだ。まぁ相沢くんがニヤけるのも仕方ないか、なんたってこれから沙那ちゃんと美佳ちゃんという美少女二人と海に行けるんだからな!


「あー、それはそうと……雪村。その格好似合ってると思う」


「え?」


蒼真くんがおもむろに呟いた。似合ってる?なんでわざわざそんなこと言ってくんの?


「零さんのクールな感じが出てて僕も格好良いと思うよ!」


相沢くんまでそんなことを言う。あれか?特に話題がないから取り敢えず褒めとけば大丈夫的なやつか?俺にそんな気を使わなくていいのに。


「そういうのは気になる子に言ってあげるもんだよ。私に社交辞令とかいいからさ」


「!社交辞令じゃ……」


「ほら沙那ちゃんと美佳ちゃん来たよ」


相沢くんが何か言いかけてたような気がしたけど……まぁいっか。


「お待たせっ!」


「まだ来てないのは来人くんだけ?」


本日の(俺の中での)主役登場だ。正直二人ともめちゃくちゃ可愛い。今日ほどこの世界に来れて良かったと思った日はない。


「いつもの制服姿も可愛いけど、私服だと雰囲気違くて新鮮でいいね!あっ……でもその姿他の人に見せたくないな。叶うなら独り占めしたかったよ」


「雪村……あんたはなんで女に対してそういうこと言うかな!そういうのは男に言え!いや、やっぱ言うな!」


どっちなのだろうか?もっとも、言えと言われても男にこんなこと言わないが。


「もしかして……私の言葉を独り占めしたいってこと!?美佳ちゃん……私たち両想いだったんだね?」


「違うわ!雪村が男子たちにそんなこと言ったら、私の勝ち目が無くなるからだよ!」


一体何に勝つんだろう?あと男子たちが美佳ちゃんの方を見ているがどうしたのか……いや、どうしたもこうしたも無いな。美佳ちゃんの可憐な姿に目を奪われているんだな!


「零……美佳をあんまり、からかわないであげてね?」


美佳ちゃんの後ろから沙那ちゃんが現れた。


「分かりました。へそ神様」


「へそ神様!?」


そう、沙那ちゃんの私服はおへそが見えているのである。本人が見せているのだから見ても罪に問われないのだ。


「拝んでもいいですか?」


沙那ちゃんと美佳ちゃんの表情が言ってる。ダメだと。何故だ……


「雪村……冗談もほどほどにしてよね。雪村にそういうこと言われると男子からの嫉妬の視線が痛いから。もうほんと複雑な気持ちだよ……」


「あと純粋に怖いって!なんで女のへそ見て拝もうとするの!?」


逆に男のへそに拝めというのか?ないない。


「悪い遅れた。っと、俺で最後か」


来人くんも来て全員揃ったな。ここからはバスで海へと向かう予定だ。まさに青春って感じだなー。



ーーーーー



「服……零さんの好みじゃなかったのかな……」


バスに揺られていると隣に座った相沢がポツリと呟いた。きっと相沢も零に褒めてもらいたくて、服選びを頑張ったのだろう。さっきバスを待っている時に北山と古谷からは褒められたが雪村は何も言っていなかった。


「雪村はわざわざ褒めてくるようなタイプでもないだろ?気にするな」


雪村は周りの女子とは違う。擦り寄ってくるような人間じゃない。別に北山とか古谷が駄目って訳じゃない。二人は普通の女子だ。雪村が異質なだけで。


「うん。そうだよね」


「さすがの零さんも男の水着姿には反応してくれるんじゃないか?」


「そうでもないよ。この前たまたま水着選んでる時に会って見てもらったけど反応薄かったし」


相沢の言葉に来人がショックを受けている。いや、待てよ。そういえば、この前、来人の水着を雪村が見てみたいと言ってたよな。


「やはり筋肉か……」


「蒼真?筋肉がどうかしたのか?」


来人をじっと見てみる。服の上からでも分かる筋肉質な身体。やっぱり零さんは……


「そ、そうま?なんか視線がエロいぞ」


「蒼真くん、来人くんの身体見すぎじゃない?」


おっと、集中しすぎて近すぎたか。



ーーーーー



バスに小一時間揺られて、最寄りの海水浴場へと到着した。


海には久しぶりに来たが、いい眺めだ。


地平線まで続く海!雲ひとつない快晴!そして浜辺を見渡せばには水着姿の可愛い子がたくさんいるぜ!


「あれ、零着替えるの早いね」


流石に女子更衣室として建てられたテントで着替えるのは気が引けたので中に着てきた。帰りはトイレで着替えるつもりだ。そんなことより沙那ちゃんも美佳ちゃんも可愛いすぎる。水着もよく似合っている。


「二人ともすごく可愛いよ!スタイルもめちゃくちゃいいね。今の私はこの世の誰よりも幸せであると断言出来る!」


「女にそのセリフを言われた女は、この世界で私たちくらいだよ……」


「さ、寒気が……」


えぇ……そんなに引かなくてもいいじゃんか……


「お待たせー」


男三人衆が着替えてきた。おいおい、俺はともかくなんで女子より男子のほうが着替え遅いんだよ。


「「ゴクリ……」」


美佳ちゃんと沙那ちゃんが喉を鳴らして男子たちに見入っている。そんな見るもんないだろ……


「さ、三人ともすごくエロ……似合ってる!カッコイイね!」


沙那ちゃん今エロいって言いかけた?


「そうだ!日焼け止めまだだよね?私は相沢くんに塗るから横になって」


「美佳が相沢くんやるなら、あたしは蒼真くんやったげるよ!」


美佳ちゃんがさっき敷いたレジャーシートをポンポンと叩いて相沢くんを呼んでいる。美少女に日焼け止め塗ってもらえるとか、有料級だろ……いいなぁ。


「えっ、いや、大丈夫だよ。お気になさらず」


「ああ、届かないところは俺たち同士でやるから、先に泳いでてくれ」


え?二人とも断っちゃうの?おいおい、嘘だろ……!?


「だ、だよね!ごめんごめん!」


「私たち先行ってるね!」


逃げるようにして二人は走っていった。二人は日焼け止めしなくて大丈夫なのだろうか。走っていく二人の背中を目で追っていると、日焼け止めを手にした相沢くんが声を掛けてきた。


「れ、れいさん。背中塗ろうか?」


「いや、雪村。俺が塗ろう」


「姐さん!俺が塗りましょうか!?」


なんだこいつら……




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