鬱病擬き患者に“頑張りなよ“と言った罪。
鬱であったり落ち込んでいたりする相手に言ってはいけない言葉第一位は『頑張れ』らしい。
言っている側からしたら悪意も他意もない、無難な励ましの言葉である。
しかし言われた側からすると、頑張っても上手くいかないから悩んでいるのにその頑張りを否定されているような気持ちになる。
また、金銭問題など現実的に早期解決が見込めない悩みで苦しんでいる際に『頑張れ』などと無責任な言葉を吐かれると全てを投げ出してしまいたくなる。
『もっと頑張らないといけない』とプレッシャーに感じる者もいれば、『うるせぇよ』と反抗的になる者もいるだろう。
同様に『ゆっくりでいいんだよ』という言葉も受け付けない。
その言葉通りに仕事を休めば家計が成り立たないのだから、本当に無責任な言葉を与えられただけになってしまう。
下手をすると、『あなたはゆっくりできるだけの経済力があるからそんな言葉が出てくるのね』とお門違いな文句すら出てくるだろう。
そんな事前知識を手に入れた妹はなるべく私に『がんばれ』という言葉を言わないよう意識してくれている。
けれど、無意識に溢してしまうことがある。
これは咄嗟に妹がフォローをした日のこと。
私「あー。もう無理だよー。仕事行きたくないよー」
妹『でも今日行けたんでしょ?』
「一生やる気出んかったもん。明日も出ないもん」
「また学生時代の時みたいに癖になるよ。“頑張りなよ“」
ハッとする妹。
その反応に目を見開く私。
始まる寸劇。
逮捕編
「ウーウー!(サイレンの音)(手でパトランプ表現)」
『うわっ!鬱ポリスだ!』
「貴様、今“頑張りなよ“と言ったな?逮捕だ!ガシャッ(手錠をはめる)」
『嘘だぁ!私は無実だぁ!ただ励ましたくて言っただけだ!』
「頭を下げろ。顔が映るぞ。パシャパシャッ(マスコミのカメラの音)今のお気持ちをお聞かせください!」
『私は悪いことなんてしていませぇん。無実でぇす(目を爛々とさせて)』
「こいつ目が決まってやがる…!犯罪者の目だ!」
裁判編
「(裁判官)被告人の罪状は“鬱患者に頑張りなよと言った罪“です。何か言いたいことはありますか?」
『ぅっうっ…私はただ…励ましたくて頑張りなよと言っただけで…グスッ…悪いことなんてしてません!』
「裁判官…。反省の色が見えないので死刑にしてください。トントンッ(木槌を叩く音)死刑!」
『えっ?!なんで!?そんなのおかしい!意見を!全国民の意見を聞いてください!!』
「それではネット投票でどちらが正しいか聞くとしよう。今回の議決に賛成なら賛成ボタンを、反対なら反対ボタンを押す。…結果は、51対49で死刑決定!」
『嘘だろっ!?人の命を軽く見過ぎだぁ!私は無実だぁぁ!!(引きずられる演技)』
牢屋編
『はぁ…なんで私が死刑に…。私の方が鬱になっちゃったよ…』
「ははっ、ざまぁねぇな」
『あ!お前は!!』
「まあ、刑務所でゆっくりしていけよ。ま、あんたにそんな時間はねぇけどな!」
『くそぉおおおお!!』
世にも奇妙な物語編
『トゥルルルン、トゥルルルルン』
「いやぁ。怖いですねぇ」
『国民の総意で決まる死刑』
「鬱病患者への過剰な保護」
『きっと何気ない言葉を言ったつもりだったんでしょうね』
「皆さんもお気をつけください。“頑張りなよと言っただけなのに“」
『劇場版公開!』
IQ3のくだらない寸劇だけれど面白かったので記録。
相手の顔色と相手との関係性を見て、フォローができれば良いなと純粋にそう思った。
人は笑うとストレスが減るらしい。
それは作り笑顔でも脳が笑っていると勘違いしてストレスを減らしてくれる。
愛想笑いばかりを浮かべる自分に嫌気が差しても、このことを思い出すと少し気が楽になる。
最近腹の底から笑ったのは、「揚げる直前の肉は寝かせた方がパン粉が付きやすいんだって」と妹に言うと、妹が優しく肉をポンポンしながら寝かせ始めたこと。
私が近づくと「しー!」と人差し指を立てて、次いで肉に慈愛の目を向ける。
「今、寝かせてるから静かにしてね」と言われた時は頭が悪いすぎて笑い転げた。
是非後世に語り継ぎたい。




