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認知症の被害妄想

認知症はひとりぼっちが嫌いらしい。


ひとりぼっちになると寂しい。はぶられている気がする。向こうで娘と孫が話している。何を話しているかは聞こえない。私に聞こえないように話している。私の悪口を言っているんだ。


黙り込んだまま頭の中で組み立てた歪なブロックが剣へと変わり、家族を攻撃する。


「私を馬鹿にして!」

「あんたたちなんか出ていけばいいんだ!」


急な攻撃に娘たちは困惑する。

「どうしたの急に」そう言う娘たちに更に攻撃を加える。


「そうやってとぼけて。私を馬鹿にしてるんでしょ」


そんなことはない。

ただ雑談をしていただけだ。

そう説明しても難しい。

言った言わないの水掛論を繰り返すなら家に監視カメラをつけた方が手っ取り早い。




認知症はひとりぼっちが嫌い。




だから。




祖母のいるところで話をした。

祖母はなんでもかんでも否定する。

矛盾したことを平気な顔で言う。

差別用語もお手のもの。

何かあればすぐに「辞めればいい」。

それができればどんなに楽か。




話したいことが話せないから祖母のいないところでお母さんと話す。

また祖母が怒る。




だから。




私はまともにお母さんと話ができなくなった。

LINEで話をしようかと思って、やめた。


家の中にいるのに、そんなの、切なすぎる。

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