魔法少女と悩みと友達
「さて、それじゃあ皆で分けあえるものでも頼むか」
「フミ見てあれ限定メニュー!あれにするのはどう?」
「私はいいが使用してる食材見たか?苦手だったろあれ」
「うっホントだ」
「やっぱりいつもの奴でいいんじゃないの?」
「いやでも限定メニューは気になる……」
「急がないと昼休憩なくなるぞ」
「私からしたら貴方達がどう知り合ったのかの方がる気になるわね」
「え?」
「そうか?……まあ確かにそうか。真面目な委員長と野蛮なギャルでは方向性が違いすぎるな」
「今野蛮って言った?」
「事実だろう」
「ふん、頭でっかち」
「おい」
「事実!」
口論、と言うか彼女たちにとってはじゃれあいなのだが、が始まりそうなところをわたしは遮る。
「あはは、2人は幼なじみなんだよ」
「まあそういうことだ」
「わたしが後から合流した感じだね」
「いろいろあってな」
少し言葉を濁したフミちゃん。それが気になるのは人間の性なのだろう。
「いろいろ?そんな言い方されると聞きたくなるわね」
「ユウ?」
ちょっと悩んだそぶりを見せてフミちゃんはユウちゃんに声をかける。
「あー、えっとね。初めてひかりと会った時ってウチら、喧嘩してたんだよね」
「うむ、それでその時仲裁してくれたのがひかりなんだ」
「そんでそれからずっと3人でつるんでるんだ」
「そうなのね……」
「伶さん?」
「いや、いい話だと思ったのよ」
そういう伶さんの顔は少し嬉しそうで、ただどこか悲しそうな顔もしている気がした。
その後はなんの気もない会話をして、食堂券を使ってご飯をみんなで分けて、そうしてもうすぐ昼休憩も終わろうとした矢先。
『ひかり、狭間の世界に少し変な反応があるで』
「!」
「ひかり?どうしたの?」
「いやべつに!?」
キンの言葉に驚いたのを誤魔化しながら伶さんの方をチラリとみる。伶さんもほとんど表情に出してないけどコンから伝えられたようで少し緊張感のある空気が漏れている。
「──それじゃあ私はこれで、今日は楽しかったわ。またお話ししましょう?」
「ああ、そうだな」
「またね!」
伶さんが席を立つ。わたしも急いで追いかけようとした時、キンから指示があった。
『ひかり、伝言や。"シャドウの反応ではなさそう。とりあえず見に行くだけしてすぐ戻ってきますわ。ひかり様はご学友にバレないように待機した方がいいかと思われます"……だそうや。わいとしても賛成や』
「……そうだね、わかった。キン、気を付けてって伝えておいてほしいな」
『了解やで』
「ひかりー、早くしないと授業遅れるよ?次移動教室だから少し早めに行かないと」
「う、うん!今行くよ!」
伶さんに背を向け2人の方に向かう。
2人が困らないように気を使ってくれた伶さんに感謝をする。
それともう1つ。自分でも分からない、そう、分からない感情が少しずつ鎌首をもたげて始めていることに私はまだ気づかないでいた。




