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魔法少女 LIMIT FORCE  作者: 竹炭
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魔法少女と悩みと友達

「うーん」

食堂でわたしは1人悩んでいた。

「──リミットを上げる方法、なんてないかなー?」


マリスを倒して暫くの後。わたし達は作戦会議をしていた。そのとき、伶さんは思い出したように話がある、と言って出会ったゾウ、──本人(本ゾウ?)は地球自身だと言っていたが──にあった話をしてくれた。

「他に質問は」

「伶様つまりそれは地球の意志すなわちガイア理論のことをおっしゃっていてしかもそれが本当ならともすれば私達も異物として扱われていた非常に危険な状態ではたしかにあの時私は伶様と会話できない状態になっていましたしそれでも──」

「コ、コン?」

「すまん、多分突然過ぎて変になってもうてるわ。そんでワイからも質問やけど、力を受け取った実感はあるのん?」

コンを宥めつつキンは質問をする。

「……正直な所、良く分からないわ。渡す側も曖昧な事を言ってたわけだし。ただ、1つわかるのは、あれは夢や幻ではなかったこと、これは確かよ」

「ほんとに地球さん本体だとはなんで納得したんや?普段の伶ならもっと疑ってかかると思うんやけども」

「それは、私もよく分からない、けど。何故か腑に落ちたのよ。感覚とでも言うのかしら?」

「ふーん……まあそう言う感覚的部分は現地の2人のがわかるかもせんな」

証人は伶さんしかいないけど、そこまで自信を持って言われるとこちらも信じるしかない。なにより。

「──ひかり、聞いたな。ひかりのことも地球は待っとるらしいで」

「そうだね」

どうやらわたしが来る事も待っているらしい。それなら行ってあげなければだめだろう。

「まだリミット2だけどね」

「こっから上げてけばええだけや!頑張るで!」



「頑張るとは言っても、何を頑張れば?」

そうして冒頭に戻り、わたしは頭を悩ませていたのだった。

伶さんもいきなりリミットが3になってたし、まずはシャドウとたくさん戦う必要があるのかな?

(あー、シャドウといえば)

もう1つ悩みがあったのを思い出してしまった。


「えーい!」

狭間の世界のシャドウを倒す。悪意の芽はマリスが自ら付与していたらしく、彼女がいない今シャドウは倒しやすくなっていた。それでも数は多いし油断は禁物だけど。

近頃シャドウはある程度纏まった数で数ヶ所に分かれて現れることが多い。というのも、シャドウはある男の手によってばら撒かれているからだ。

「ふむ……なるほど……しかし……それでは……」

「おい教授!そこで待ってろ!今向かうから!」

「…………」

教授、と呼ばれた男は少しこちらに目線を向ける。その濁った瞳に思わず息を呑んだ。

 Dr.MADの部下の1人。常に白衣を見に纏い、名前に違わぬ気難しそうな顔をしていた。ただ今の彼は

「…………」

「──っ、何か言いたいことがあるの!?」

何も言わずにコチラを見る目は見ているのか、見ていないのか分からない。服装もだいぶボロボロになった白衣を着ており、はっきりいえば殆ど別人に見えた。

「ひかり!こっちは終わったわ!」

「…………」

「あっこら逃げるな!」

伶さんが合流した途端に教授はその場から姿を消す。

「また逃げられたのね」

「うん……」

また、と言うほどに教授はシャドウと共に現れている。そしてシャドウの全滅を確認するとゲートの向こうへと消えていく。

何も言わず、何をするでもなく去っていく姿にわたし達は不審さを覚えずにはいなかった。

「怪しいけど、今はまだできることも少ないわ。  コンが少しづつだけど追跡を行ってるから今はとにかくシャドウを倒す事を考えましょう?」

「そうだね」

リミット4になってから、伶さんだけじゃなくコンにも力の変化があったみたい。魔力の動きをより鋭敏に見れるようになったらしくゲートの行き先を少しだけ探れるようになったらしい。

「まだコツが掴めてないような感覚ですわ」とは本人の談だ。

伶さんと別れ、ゲートを開き、自分の部屋に帰る。

『ほな、変身を解くで?』

「…………」

『ひかり?』

「あ、うん」

わたしは遅れて返事をする。変身を解除する時はキンがやってくれるため特に掛け声とかもない。

『そんじゃ、解除!』

キラキラと服が解け徐々に普段着に戻っていく。私は先程と同じように手を見ていた。いや、それだけじゃない。──特に力の変化もない自分の体も。


リミットの事、そして最近の相手の動きが妙な事。この2つが今のわたしを悩ませていた。

「ひかり、悩み事?」

「まあそんなトコかな」

「珍しいな、余り見たことない状況だ」

「わたしだってたまには悩むよー」

時刻は昼時、一足先に席を確保して悩んでいたら後から来た2人に心配された。

「ウチらに話せるならいくらでも聞くよ?」

1人はユウちゃん。比較的自由な校風のうちでも結構ギリギリな所にいる、有り体に言ってしまえばギャルだ。ただ、見た目とは裏腹に周囲への気配りがとても上手な心優しきギャルだ。

「勉強以外なら、とつけくわえておいたほうがいがいいんじゃないか?ユウ」

「うるさいよフミ!そう言うあんたは運動以外ってつけた方がいいでしょうが!」

「ぐぅ、それはそうだが……!」

もう1人はフミちゃん。彼女は逆に校則をガチガチに守っている、こちらも有り体に言ってしまえば典型的な委員長タイプである。と言うか学級委員長なのは事実である。しかし見た目の割にユーモアに長けた発言もあり面白い委員長だ。

この2人がわたしの特に仲のいい友人である。

と、わたしがいつも通り遊んでいる2人を見ていたら、それに気付いたのかフミちゃんがコホン、と咳払いをしてこちらを向く。

「まあ、その、なんだ。私達に相談できるならしてくれると嬉しい」

「さっきは珍しい、とか言ってたけどフミは特に心配してたんだよー?」

「おいユウ余計なことを言うな!」

あはは、と笑った後に、ふと違和感を覚えた。

「心配〈してた〉ってことは……結構前から気づいてた?」

「まあ」

「そうなるね」

「そんなに分かりやすかった?」

「「うん」」

「……そっかぁ」

自分としては隠してたつもりだったんだけど。

「えーと、別にそんな深刻でもないからさ」

「…………」

フミちゃんの疑念の目線が突き刺さる。いたい。

「あんまりに気にしなくてもいいよ?」

「ホントに?」

ユウちゃんの心配そうな目線も突き刺さる。これもいたい。

「うん、もし本当に困ったら2人にも相談するから」

「──そうか、ならいい」

フミちゃんはため息をつきながら目線を外す。多分わたしが内々で済ましたいと考えているのを察したのだろう。そこで話を切り上げてくれるのが彼女の優しい所だ。

「それで、ユウ?なんで今日は食堂集合なんだ?」

「ふふふ、それはね。……ジャーン!」

そう言ってユウちゃんが取り出したのは半券。見覚えのあるものだった。

「あ、それは」

「そう!食堂の何でも券!」

バッグの底からでてきたんだー。と嬉しそうに言う。

それは過去に体育祭で行った騎馬戦の景品だ。

わたし達と伶さんのチームは引き分けになり、勝者に渡される食堂の利用無料券は全員で山分けすることになったのだった。

「あの時無くしたって騒いで私の券を奪い取ったと思ったらそんな所にあったんだな」

「まあまぁそんな昔のことは忘れてさ、折角だからなんかみんなで食べれるようなものを頼もうぜ!……あ!」

ウキウキで券を振るユウ。と、勢い余って券はすっぽ抜けた。ヒラヒラと舞う無料券はポトリとある生徒の前に落ちた。

「……隣、いいかしら?」

聞き覚えのある声。フミを見れば少し驚いた顔をしているし、ユウに関してはかなり驚いた顔をしている。

「あ、伶さん。こっち空いてるよ」

そんな2人を気にせず、わたしは声の主伶さんを席に招いたのだった。

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