恐怖と恋焦がれる
真生はスカリグを待っていたが中々こなかったため何時の間にか寝てしまい……。
……――翌日になり真生は謁見の間に一人で居て玉座に腰かけアンデットの女王スカリグがくるのを待っていた。
スカリグも真生と一対一で逢うことを望んだのである。まあ、ルウクシェスの理由とは違うのだが。
(アンデットの女王か……リッチだって言ってたなぁ。あまり逢いたくない魔物……いや……魔種族か。
向こうは俺と二人っきりで逢いたいって言っている。只なぜかダランカルの様子が変だったんだよなぁ。
まさか……ルウクシェスのように何か仕掛けてくるつもりか? ルウクシェスは魔道具で姿を消していたらしいが……)
不安が脳裏をよぎり真生は周囲を警戒する。
(そういえばルウクシェスに言われたことをライゼア達に聞いてみたら頷かれたんだよなぁ。だから今日は普通にしてろって……どうすればいい?
分からない……まあ何があっても笑っていれば間違いないか)
そう思い笑う練習をした。
どことなく、ぎこちないようで殆ど百面相だ。これで大丈夫なのだろうか。
(まあ、なんとかなるだろう……)
練習しても意味がないように感じ百面相をやめる。
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暫く待っていたが未だにスカリグはこない。そのため真生は眠気に耐えられずに何時の間にか眠ってしまった。
すると扉が開き、スーッと音もなくスカリグは謁見の間の中に入り真生のそばまでくる。
「あら、どうしましょう。マオ様が眠っているわ。私が待たせたからね。ですが、なんて素敵な寝顔なのでしょうか。起こすのが勿体ないです」
頬を赤らめスカリグは、ウットリし真生をみていた。
(……なんだ! この異様な空気は? 目の前に恐ろしい者が居るように感じる。ん? ってことは……まさか!?)
スカリグが来ていることに気づき真生は目を見開いたと同時に凍ってしまう。
そう間近にスカリグの顔があったからだ。
「ギャアァァアアアー!!」
我に返り真生は思わず絶叫してしまい、スカリグを突き飛ばした。
突き飛ばされたスカリグは見事に骨がバラバラになって床に散らばる。
「……!?」
それをみた真生は、やってしまったと思い顔が青ざめた。
どうしようとアタフタしながらスカリグのそばまでくると真生は眉をハの字にし心配に思い見下ろしている。
「死んでは居ないと思うが……これって、どうしたらいいんだ?」
すると、カタカタと骨が動き始めた。
「なんて、お優しい言葉をかけてくださるのかしら」
そう声を発したと同時にスカリグの体が元に戻り服を纏っている。
どういう仕組みになっているんだと思い真生は、スカリグをマジマジとみていた。
「そんなにみつめられたら……キャッ!! 恥ずかしいですわ」
それを聞き真生は、ゾッと背筋が凍りそうになる。
「ジッとみてしまって、すまない。いや違うな。謝罪するなら突き飛ばして申し訳ないの方か」
「いえ……私が悪いのですわ。マオ様の顔を覗き込んでいたせいですもの」
「……(汗) まあ、そのことはいいか。それよりも早速だが話をしたい」
そう言い真生は玉座の方を向き歩きだした。
そんな真生の態度にスカリグは、カッコいいと思い胸の鼓動が高鳴る。そして目をハートにしながら真生のあとを追いかけた。
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