彷徨う屍は彷徨う心を求めるのか? 後編
『グオオオオ――ォ』
「おりゃっ! ふぅ、なんとか間に合――ってないかこれは……」
辺りを見回すとダンジョンの入り口周りはスケルトンやゾンビによって埋め尽くされている。
ただ詰め所の辺りからは散発的に魔法を放つ戦闘音が聞こえるから職員は無事みたいだ。
「すぐ助けないと――行くよ破魔の短剣!」
腰の短剣を抜き放つと辺り一面を真っ白い光が満たし次々にアンデッドの大群がその姿を塵へと変える。
更に詰め所を目指して走りながら光の帯を残す短剣を横薙ぎに振ると放射状に広がる光がまるで鋭利な刃物のようにアンデッドの大群を切り裂いていく。
「取りあえず道は開けた! とっかぁーん!!」
私はアンデッドに襲われボロボロになっている詰め所の周りの敵を一振り、二振りで殲滅すると扉へと張り付き中の職員へ声を掛ける。
「こんばんはぁ! 生きてる!?」
「お、あ、あぁ! 援軍か!?」
「一応そうなんだけど、ゴメン、急いで中へ入らなきゃいけないんだ! ネームドモンスターが階層を上がってきているんだって!自分達で何とかできる!?」
「な!? ……そうか、ならばなんとかする! いきなり大群に襲われてどうにもならなかったがキミのおかげで数が減ってるみたいだ! 今なら私達もここから出て防衛できるはずだ! 気にせず中へ急いでくれ!」
「りょーかい! 多分もうすぐメリオンから援軍が来るから後はお願いね!」
「了解した!」
私は群がるアンデッドを再度短剣を振り斬り払うとダンジョンの中へと飛び込む。
「うわぁっ……え、凄い数」
ダンジョンの中は通路を全て埋め尽くさんばかりにアンデッドモンスターがひしめき合っている。
一体どこからこれだけの数のモンスターが湧いているのかまるでお正月の神社みたいだ。
「よし……まずはお店の扉を設置してる10階層だ!」
私は短剣を振り抜きながら地図を片手に走り出す。
『魔眼』を使えばダンジョンの階層間を移動することもできるんだろうけど、その為にはこの身体をどうにかしないといけない。
あれはアストラル体の身体を持つドラゴンだからできる芸当なんだよね。
しかし5階層まで降りてきても周りはアンデッドばかり。
上の階層ほどではないにしても十分に数が多い。
やはりダンジョンから出るにはそれなりの時間がかかるのか、1階層には異常な数が溜まっているように思える。
「っと言ってるまに10階層か……ええと扉は……あった!」
広い通路にアンデッドが群がるダークウッドの扉が見える。
スキルには私の耐久力が反映されているのか、その扉は傷一つついていないように見える。
短剣を振るい群がるアンデッドを消し飛ばすと扉をノックし声を掛ける。
「アリスさんや、無事かね?」
「え!? さくら!? なぜ外から……い、今開けます!」
「ふぅ、おはよう――というには全然時間経ってないか」
「そうですね……いえ、それよりも何故外から? てっきりこちらへ来るものとばかり」
「いやぁそうしたかったんだけど、もしかしたらもうダンジョンからモンスターが溢れてるかもって言うからさぁ。けどその読みは正解だったよ。もう少し遅かったら詰め所も壊滅してただろうし、かなりの数のモンスターが分散してただろうから。こっちは特に問題ない?」
「はい。あれからはアンデッド以外は来ていません。他のダンジョンからも特には」
「そっか、良かった。まだこのスキルの上手な使い方がわからなくて。けどそう簡単に扉が破られることはないかな。……よし、じゃあ少し階層を降りてみるよ」
「そ、それなら私も行きます!」
「おー来てくれるの? じゃあお願いしようかな。アンデッド相手は得意なんだけど何があるかわからないし……ただ無理はしないでね」
「は、はい!」
アリスが外へ出たのを確認すると《異界商店》を一度解除すると、その足で階層に溢れるモンスターを蹴散らしながら取りあえず下の階層へと降りていく。
「ネームドモンスターって色々なのがいるんだね。前会ったのは喋る蜥蜴だったよ」
「逆に私は見たことないですね、人語を解する蜥蜴というのは」
「よっと! じゃあ他にはどんなのにあったことがあるの?」
「そう、ですね…・・・はっ! 例えば光り輝く蟲とか、人の姿をした植物とかでしょうか」
「おー、やっぱり色々いるんだ。その植物にはあってみたいなぁ」
「いえ、おススメできません。伝説級の装備すら溶かす厄介な相手でした……あの時魔法が上手く当たらなければ今頃……」
「あ、溶かす系の敵はダメだわ」
他愛のない会話をしながらもアンデッドモンスターを撃破していく。
私は破魔の短剣の特攻効果のおかげで難なく敵を倒せるけど、アリスも手に持った短剣を器用に使いアンデッドモンスターの頭部のみを破壊している。
あれは間違いなくレベル差、というやつだろうね。
そう考えると彼女たちのパーティが『錯乱の洞穴』へとチャレンジできたのもその実力があっての事なんだと納得してしまう。
「アリスは魔法使いなのに近接戦闘もできるんだね?」
「はい。魔法はレアスキルによって威力上昇などの恩恵がありますが、場合によっては身を守るために近接戦をすることも多かったので。むしろ短剣で戦う方を徹底的に鍛えました」
「なるほどね、魔法はスキル効果で補えるけど近接戦はどうにもならないもんね。けど身体の方は大丈夫?」
「おかげさまで……以前よりはずっと動くようになりました。それに私はこのダンジョンの適正レベルを超えてますので特に問題もありません」
「適正レベル、ねぇ……」
「それにしても……さくらの装備は異質ですね」
「ん? なんで?」
「破魔の短剣は伝説級装備ですが、私が以前パーティを組んだ冒険者が使う破魔の短剣とはまったく違います。完全な別物ですね。……だってそんな魔力光を飛ばす攻撃見たことないです」
「え、そうなの?」
「はい。確かに対アンデッドには非常に効果が高いですが、それでも短剣ですから近接戦闘が主体の戦い方でした。でもさくらの使う破魔の短剣はずっと魔力光を放つ戦い方が主流の様です。もう名前が同じ別物としか……」
そういえば以前ガネッサで開催されたオークションにルドルフさんが出品した『竜の眼』は実際には『偽・竜の眼』だったけれど、鑑定では『竜の眼』と出ていた。
アリスの言う通り私の持っている破魔の短剣も名前が同じだけで全くの別物なのかもしれない。
「さくら! 見えてきました! あそこが20階層へと続く階段です!」
「んー……結局途中でネームドモンスターには会えなかったね? まだ20階層に居るのかな?」
「そうですね。もしくは21階層へと退避した他の冒険者を追ったのか――いえ、いますね。この先に」
「わかるの?」
「一応感知スキルがありますので。極近場の事しか読み取れませんが、この階段の先に明らかに異質な存在の気配を感じます。……けど、これは……」
「何々、どうしたの?」
「いえ……気のせい……だと思うんですが、この気配、アンデッドモンスターじゃない……?」
「へ? 本当?」
アリスは黙って頷く。
その顔は緊張しているのか少し青ざめ、汗で前髪が額に張り付いている。
「さくら、様子を見ませんか? 階層を上がって来ていない以上はここで増援を待つのも手ではないかと」
「……そうだね。慣れたアリスがそういうなら間違いないかも。ゴレス達のパーティメンバーが気になるけど、追われてないなら問題なく対処できるでしょ」
「はい。相手がわからない以上は、私以上の探知スキルを持つ冒険者の手を借りた方が無難です。せめてモンスターの名前でもわかれ――え?」
アリスが信じられないといった顔で固まる。
あまりの無表情に私は少し背筋がぞっとしてしまう。
「な、何? どうしたの?」
「あ、あの。これはまずいかもしれません……増えてます。反応が」
「……増えてる?」
「うそ、そんな……同一反応が増えて……一体どういう――そ、そうか……ディヴィジョンモンスターだ……」
「ディヴィジョン、モンスター?」
「退避しましょう。かなり不利だと思います」
「ちょ、どういうこと? 何なのそのディヴィジョンモンスターって?」
「極稀に……ダンジョン内で同一のネームドモンスターに出会う事があります。それは元々存在していたネームドモンスターの影法師……いわゆるオリジナル個体から分裂した存在なんです。それがディヴィジョンモンスター、倒しても経験値はなくアイテムもドロップしない。けれど能力は全く同じ。今、私が感知したのは例のネームドが分裂した感覚でした。奴のスキルが万が一アンデッド系モンスターを先導し操る事なら、さらに下の階層からも大量のアンデッドが押し寄せてくる事になります。効果の上乗せ……単純に言うなら2倍のスキル効果と言えるでしょう」
「何それ!? チートだよそんなの!!」
「チート……の意味は分かりませんが、異常事態であるというのは事実です。相手がアンデッドならさくらの破魔の短剣で殲滅できたと思いますが、あれは肉体を持つ者……アンデッドではない以上は効果は薄いのではないかと」
「……あのさ、ひとつだけ聞いておきたいんだけど」
「なんですか?」
「ディヴィジョンモンスターってこれ以上増えたりしないの?」
「流石にそれはありえません。ディヴィジョンモンスターというのはある種のダンジョン内で起こる超自然現象で、スキルとして存在しているわけではないの…………で……」
「……嘘だよね?」
「ウソ……そんな……」
「あーーーー!! どうしてこうフラグばっかり立てちゃうんだよ!! 口は禍の元とはよく言ったものだよねまったくぅ!!」
「おちおおおおちついてて、おち」
「アリスが落ち着いて!?」
「ど、え? どうしたら、どうしたらいいのコレ? え? なんで?」
「ううわ、凄い混乱してる……しかし、これどうしたら……」
『さくらさん、聞こえますか?』
「うわぁ!?」
「え!? なんです!?」
「いや、なんか頭の中に声が……」
『聞こえますか? パスティです』
「パスティさん? え、どうして?」
『私のレアスキルです。遠距離念話ですね。特秘事項なので使用は控えていましたが緊急事態なのでしょうがないかと。所でそちらはいかがですか?』
「あ! そうだなんかねディヴィジョンモンスターって言うのが出たんだけど、増え続けてるんだよ! 増殖をスキルとして持ってるみたいで……しかもアンデッドじゃないらしいしこのままじゃ色々と不味いかも!!」
『あらあら……どうにもあなたの周りはトラブルが絶えませんね。……ひとつ、お願いがあるのですが』
「な、なに?」
『異界商店でアンパルの冒険者ギルドとそこを繋いでくれませんか? 援軍を送りますので』
「あ、その手があったか! まってね――よっ、と! 繋いだよ!? でも誰が援軍にくる――」
「私です」
「えぇ!?」
《異界商店》の扉から現れたのは黒一色の軽装鎧を纏ったパスティだった。
普段は白い冒険者ギルドの制服を着ているせいか、黒い姿はなんというか美しく妖艶な雰囲気を醸し出しでまるで別人のようにも見える。
何より少し格好がきわどい。
「お待たせしました。……どうしました? そんな驚いた顔をして」
「いや……なんか……きわどいなって」
「ちょっと! どこを見てるんですか!」
パスティは下腹部を隠すと恥ずかしそうに顔を背ける。
普段の露出の少なさとは全くの逆である軽装鎧はやはり恥ずかしいのかモジモジとしている。
「漆黒の、花園……!?」
「ふぅ……やはりアリスさんはご存知でしたか」
「え、何?」
「そんな事より今はネームドモンスターの討伐が先です。これ以上手に負えなくなる前に討伐しましょう」
「でもパスティさん、戦えるの?」
「それなりには。私一応職業は戦士ですから」
「それなり……漆黒の花園の一員がそれなり……はは、は」
「アリスさん、しっかりして! あなたの魔法も必要になるんですからお願いしますね?」
「は、はい! 任せてください!」
なんだか急にアリスが張り切りだした気がするけど……漆黒の花園って言うのはノーマルギルドというやつなのかな?
そういえばなんかパスティの鎧に刻まれてる紋章に見覚えが……まぁいいか、とにかく先にネームドモンスターを退治しなくちゃ!
「アリス、何か作戦はある?」
「わ、私ですか? しかし……」
「アリスさんの戦術眼の話は聞き及んでいます。貴女の立てる作戦なら問題ないでしょう。さくらさんに任せてしまうと……突っ込んで倒す! 以外の戦法はないと思いますから」
「あらぁ、よぉくご存じで!」
「で、では……。感知スキルで感知できる数は3体。まず突入後におふたりで一番近いネームドモンスターに攻撃を仕掛けてください。少し遅れて私が魔法を詠唱しながら突入しますので最初の一体を確実な集中砲火で倒します。のち2体目、3体目はそれぞれが受け持ち戦況に応じて私が魔法を撃ちこみます。さくら、魔力回復のポーションは?」
「50本ほどストックがあるよ!」
「では10本ほど頂きます。万が一魔法を撃ちこんで倒せない場合は一度引きモンスターを釣ってこちらの階層へと引っ張りたいんですが……」
「ではそれは私が。ターゲット集中なら任せてください」
「お願いします。できれば階段で詰まらせて1対多数の状況にしたいので。ただ本命は20階層での撃破ですので出し惜しみのないようにお願いします」
「了解!」
「では今から2分後に突入します。準備を!」
私は素早くポーションを取り出すとアリスに手渡す。
パスティは腰に携えた二振りの短剣を抜くと器用にくるりと回した。
アリスはポーションを受け取るとすでに魔法の詠唱を始めている。
「じゃあ、行くね?」
アリス、パスティがこくりと頷く。
私は階段を一気に駆け降りると目の前で茫然と立ち止まるネームドモンスターに向けて飛び掛かる。
いつの間に降りてきたのか私の右手側からパスティが短剣を投げ相手の気を引いている。
「おっりゃあ!」
私が篭手で殴りつけるとネームドモンスターが持っていた盾は歪にねじ曲がりその腕を高く頭上へと弾きあげる。
そこを短剣を拾ったパスティが膝の関節部へと連続で斬りかかり体勢を崩させると遅れて飛び込んできたアリスが魔法を放つ。
「眼前に立ちふさがる悪しき障害を打ち砕け!! 獄炎の長槍!!」
咄嗟に私とパスティはその場へと身を伏せると長大な槍の形状をした炎の塊が真っ直ぐにネームドモンスターへと突き刺さりその身体を打ち砕く。
「次! お願いします!」
「よしきた!」
「行きます!」
アリスの声をきっかけに私は奥にいるディヴィジョンモンスターに、パスティはやや手前にいるディヴィジョンモンスターに飛び掛かる。
最初はモンスターを観察している余裕はなかったが今ならその姿が全て見えている。
右手には私の身長ほどもあるであろう両手剣を持ち、左手にはこれまた私程の大きさの盾を構えている。
いうなれば両手剣と大盾を片手で装備していると言えばわかりやすいかな?
その奥には赤く光る相貌と、肉がそげ骨だけの身体に赤黒い染みのついた鎧を纏った髑髏が何の感情も見せずに佇んでいる。
ゲームでもいたなぁ、確か「スケルトンキング」とかそんな感じの。
ただしグラフィックで見るよりはずっと気持ち悪いし臭いもキツイ!
それでもアリスはこのモンスターがアンデッドではないと言い切ったのだから不思議だなぁと思う。
「パスティさん行きます!」
「お願いします!」
「獄炎の長槍!!」
ちらりと横目に見ると、アリスの魔法を食らったスケルトンキングは声を発することもなく跡形もなく砕け散った。
あの魔法を最初に喰らってたら多分私もああなってたなぁなんて少し怖くなる。
「最後! 行きます!」
「まっかせたぁ!」
「獄炎の長――ぁ」
私が距離を取った瞬間、スケルトンキングは驚くほどの速度で右手の剣をアリスに向かい振り抜く。
普通ならばそんな攻撃は届かないのだが、私はその剣の先から景色が揺らめくほどの剣圧が発射されるのを捉えていた。
背筋に冷たいものを感じた私は、瞬時にアリスの方へと全力疾走すると剣圧とアリスの間に身体を差し込む。
「っふ!?」
瞬間、身体がトラックにでも轢かれたような強い衝撃に吹き飛ばされダンジョンの壁へと一直線に叩きつけられた。
景色がゆっくりと流れアリスが泣きそうな顔でこちらを見ていたが私はどうすることもできず壁へと吸い込まれていく。
が、この身体はそんな事ではダメージは受けない。
「パスティ!!」
私が叫ぶと同時にパスティの姿が掻き消えスケルトンキングの背後に現れる。
「閃激、光円斬」
『ゴアアアアッッッ!!』
まるでその場に三日月が出現したのかと思う程美しく光り輝く斬撃を残してスケルトンキングの身体は真っ二つに弾け飛んだ。
アリスはその場へぺたりと座り込むと茫然と崩れていくスケルトンキングを見ている。
「ふぅ、何とかなりましたね」
パスティは溜息をつきながら短剣を器用に回すと腰の鞘へと仕舞う。
特に大変そうには見えなかったけれど、まさかパスティがここまで戦えるとは思いもしなかった。
「とても異空の指輪に吸い込まれた人と同一人物だとは思えない……」
「も、もう! 忘れてください!」
照れたようにそっぽを向くと何かを思い出したかのように辺りを見回し始める。
「そういえば……アリスさん、さくらさん。アイテムドロップはありましたか?」
「え? わ、私は特には」
「私もー。パスティさんが当たりだったみたいだね」
「……いえ、それが私にも……」
「え? それってどういう……まさか!?」
「はい。ディヴィジョンモンスターはアイテムをドロップしません」
「……まずい、上だ……!」
私はアリスとパスティを抱えると全速力で19階層へと引き返していく。
勘が正しければ、本体はとっくに外に出ているかもしれない。
非常にまずい状況だ。
「くっそ殆どモンスターがいない! 外へ出ちゃったんだ!」
急いで1階まで戻ってきたが、小回りの利かないダンジョンではどうしても時間がかかってしまった。
その間にアンデッドモンスターは全部ダンジョン外へと出てしまったのだろうか。
「ダンジョンから出ます!」
私は速度を保ったままダンジョンから飛び出す。
最悪の事態も考えて顔をしかめたが、その不安は見事に外れることとなった。
「おっ、久しぶりだな嬢ちゃん」
「うわっと!? あれ冒険者のお兄さん!」
「オーレンだ。いい加減覚えてくれ……外のモンスターは全部片づけたぜ。たまたまメリオンに来てたんでな――ってどうしたどうした座り込んで?」
「いやぁ……正直ちょっとだけ肝が冷えましたよ」
「ああ、ネームドか。奴ならみんなで倒したぜ? なぁお前ら!」
『オオッ!!』
オーレンの後ろには30人を超えるであろう冒険者がボロボロになりながらも武器を構え勝利に沸いていた。
どうやら全員で協力してネームドを倒してくれたらしい。
「いやぁアンデッドモンスターは嬢ちゃんが減らしてくれてたお陰で問題なく討伐できたよ。ネームドも流石にこれだけ高レベルの冒険者が揃えばなぁ。袋叩きだったぜ」
「ははは……」
座り込んだ私はその場に寝転がると久々に疲れたという感覚を感じていた。
アリスは結構な速度で揺らされて気絶しているし、パスティに至ってはダンジョンから出た瞬間に姿を消した。忍者かな?
何にしても、慌ただしい一日はこうして無事に幕を閉じた……あぁいや……一日はこれから始まるんだったなぁ。




