2話 義妹後輩とお風呂?
他の作品も投稿しますので、忘れないでくださいね
朝、俺は鳴り響くアラーム音に目を覚ます。
春が近付いてきたためか、その日の布団の中は、いつもより少し暖かった。
ね、眠い……もう少し寝よ、う………
その少しの温度の違いが、再び俺の意識を夢の世界に誘おうとする。
俺は、無駄と分かりながらも、目を覚まそうと体を動かし──
むにっ。
そんな擬音聞こえてきそうな程に、柔らかい〝ナニ〟か手に当たる。
そのまま俺は、夢の世界に意識を沈めようと──
「って、出来るかぁぁぁぁぁあ!」
無理でした。
沈みかけていた意識は一気に覚め、すぐさま布団を捲る。
そこに居たのは、少し扇情的に見える寝間着を身に付けている少女、夏目紗奈だった。
どうやら、俺の手に触れたのは、紗奈の腕だったらしい。
俺は息を呑み込み、紗奈の頬を指先で二、三度つつく。
「ん、んぅ……」
俺がつついたことで、紗奈の意識は夢の世界から脱する。
「あれぇ? どーしてわたしのへやにぃ、せんぱいがぁぃりゅんれすかぁ?」
寝起きだからか、それともまだ完全に目覚めていないからなのか、呂律の回っていない舌で、紗奈は疑問を口にする。
「いや、ここ俺の部屋だし」
そう言いながら、俺はベッドから降りる。
それから数分程で、紗奈は完全に目覚め、恥ずかしさからか頬を赤らめて自らの部屋に戻っていった。
「さて、そろそろ朝食の準備をするかな」
そう呟き、時計で時刻を確認する。
デジタル時計には、午前六時三分と表示されていた。
いつもより遅くなったが、まだ大丈夫だろう。
俺は服を着替えて、自分の部屋を出た。
□ □ □ □ □
リビングに降りると、台所で紗奈の母親、夏目夏希がエプロン姿で朝食を作っていた。
彼女は、リビングに入ってきた颯太に気付き、笑顔を向ける。
「おはよう、颯太くん」
清楚な雰囲気纏った夏希は、笑顔を向けながら颯太に挨拶をする。
「おはようございます。夏希さんは朝早いんですか?」
「お母さん、って呼んでほしいわぁ」
夏希は颯太の質問に答えず、要望を口にする。
「または、お義母さんでも可」
夏希はドヤ顔で続ける。
「……難しいですね」
一応、颯太は夏希を母と認めているし、異論は無い。
だが、まだ会って二日目の相手に、いきなり「お母さん」と呼ぶのには少しばかり抵抗がある。
ましてや、紗奈の件があるため、「お義母さん」はより一層抵抗が強い。
「そう、ならしょうがないわね」
夏希は少し寂しそうな表情で納得する。
そんな顔を見て、颯太は罪悪感を覚える。
結局、颯太は理性で抵抗を殴り捨て、夏希の望み通りの呼び方とは少し違う呼び方で呼ぶ。
「……おはよう、母さん」
その言葉に、夏希はとても嬉しそうに微笑み、手を進めていく。
なんか鼻歌まで歌ってるよ。
「それで、母さんはいつも早いの?」
呼び方を改めるのと同時に、少し口調を砕く。
「えぇ、昔から何故か早く目が覚めてしまうの。と言っても、別に病気だったりするわけじゃないんだけどね」
「そうなんですか」
そんな感じに、夏希が語ることに相槌を打ちながら、静かに話を聞く。
「そう言えば、颯太くんも早かったけど、いつもなの?」
今度は夏希が、颯太に質問をする。
「はい。いつも父さんは七時に家を出るので、このくらいから朝ご飯を準備してたんですよ」
「へぇ。仁一郎さんは、いつも早くに仕事にいくのね。颯太くんは偉いわねぇ」
そう言いながら、夏希は微笑む。
「いえいえ、父さんは一人で頑張って仕事をしているので、せめて家事くらいは俺がやらなきゃって思っただけです」
「なら、今日からは私が家事をやるわね」
「そんな、母さんも仕事があるのに、迷惑は掛けられませんよ」
「我が子の面倒を見るのは、迷惑でもなんでもないわよ。ほら、颯太くんもまだ子供なんだから、親に任せてればいいのよ」
それから幾度と討論? をしたが、結局家事は全て夏希がすることになった。
それから程なくして、仁一郎がリビングに降りてくる。
その後、遅れて紗奈も部屋から降りてくる。
椅子に座り、四人一緒に朝食をとる。夏希の作った弁当を受け取った仁一郎は、いつも通りの時間に家を出る。
その後すぐに、夏希も仕事の支度を済ませ、家を出た。
残された颯太と紗奈は、二人並んでソファーに腰掛けていた。
「せんぱ──お兄ちゃん、今日はなにしますか?」
流石にまだ二日目だからか、〝先輩〟という呼び方が抜けてない。
「紗奈ちゃん、別に無理してお兄ちゃんって言わなくてもいいよ?」
そう言うと、紗奈は真面目な顔で言葉を返す。
「ダメです。兄さんだと、クーデレだったりちょっと大人びたけど甘えたりする妹がする呼び方で、お兄様だと、良いとこ育ちだったりしますし。だから私はお兄ちゃんって呼びます」
紗奈の繰り出した謎理論に、颯太は若干戸惑う。
「べ、別に名前呼びでもいいんだぞ?」
そのセリフに、紗奈は恥ずかしそうに頬を赤く染める。
「そ、そんな、いきなり名前呼びだなんて、大胆ですぅ……」
なぜだ、と心の中で突っ込み、ソファーから立ち上がる。
「ちょっと外行ってくるけど、紗奈ちゃんは行く?」
お出かけのお誘いをすると、はち切れんばかりに笑みを浮かべ、勢いよく頷く。
「はい!すぐに支度しますね!」
そう言い、紗奈は速足で二階に上がっていった。
その様子を見て、某海賊の「四十秒で支度しな!」というセリフを思い浮かべるのだが、割りと真面目に四十秒で支度しそうなので、なにも言わずに紗奈の支度が終わるのを待った。
□ □ □ □ □
紗奈は五分程で支度し終え、リビングに降りてきた。
「せ、お兄ちゃん、どうですか?」
服装の感想を求めてくるので、まじまじと紗奈の服を見る。
肩口が空いていて、襟周りと袖口に花柄の刺繍の付いている純白の服に、淡いピンクの色に桜を思わせるミニスカート。そして足にはニーソを纏っていた。
紗奈のその姿は、颯太のハートにドストレートに突き刺さった。
「うん、とてもいい、すごく可愛いよ」
そんな簡単で単純な感想しか言えない程には、颯太の好みにピッタリだった。
「それじゃあ、行こうか」
「はい!」
最後に戸締まりを確認すると、二人仲良く家を出た。
──が、特に買うものもなく、ただ家の近くを歩くだけで終わり、二時間近くで家に帰宅したのだった。
□ □ □ □ □
その後、二人は部屋で勉強をし時間を潰した。
夏希は午後六時頃に帰宅し、仁一郎もいつも通りの時間に帰宅した。
夏希が作った夕食を四人で食べて、自室でゆっくりする。
「お兄ちゃん、お風呂沸いたよー」
紗奈が扉越しにそう伝え、颯太は返事をする。
着替えを用意し、階段を降りて、脱衣所に向かう。
服を脱ぎ、籠に入れると、風呂場の扉を開ける。
割愛。
颯太は浴槽に張ってあるお湯に、体を沈める。
「はぁぁぁぁあああ」
お湯に浸かると、中年のおっさんの様な声を上げる。
紗奈ちゃん、可愛かったな。
そんな感想を胸に、天井を見上げ目を閉じる。
脳裏に浮かぶのは、出かけるときの可愛らしい紗奈の姿だ。
特にミニスカとニーソの組み合わせは、颯太の性癖にもあっていて、内心すごい焦っていた。
「お、お兄ちゃん、入るねっ!」
突如、紗奈の声が脱衣所から聞こえる。
「え? ちょっ、まっ」
颯太の制止など意味無く、扉は開かれた。
そこに立っていたのは、一糸纏わぬ姿の紗奈だった。
「ちょっ、紗奈ちゃん!?」
颯太は驚きの声を上げながらも、両手で顔を隠す。
真っ暗の視界の中、何故か紗奈の居場所が把握できてしまう。
「体を洗うので、少し待ってて下さいね」
そこから、颯太は出ることも許されずに、悶々とした気持ちでお湯に浸かっていた。
暫くすると、シャワーの音が止まる。
「えっと、前失礼しますね」
その言葉が聞こえるのと同時に、なにかが浴槽の中に入ってくる。
勿論、そのなにかとは紗奈のことだ。
「お兄ちゃん、手を退けてください」
「やだ」
「じゃないと、その……先輩の体、好きに弄りますよ?」
「やめてくれ」
未だに視界を塞ぎながら、そう答える。
「ホントに、しますよ?」
その言葉と同時に、体に“ナニか〟が触れる。
「ひゃぅ!?」
肌に触れた感触に、颯太は変な悲鳴を上げてしまう。
「あぁ……逞しい体です」
うっとりした様な声音で、紗奈がそう呟く。
その言葉はどこか艶かしくもあり、颯太をより一層悶々とした気持ちにさせた。
「次は、その、もっと下を、触りますよ?」
「分かったから手を退けてくれ」
そう言い、顔から手を退ける。
視界を取り戻し、真っ先に見えたのは、やはり紗奈の裸体だった。
「……っ!」
颯太はすぐに顔を逸らし、なるべく紗奈の生まれたばかりの姿を視界に入れないようにする。
「もう少し、見てください」
少し震えた声で、そうお願いしてくる。
……今告白されたら、断れそうにないな。
なんて情けないことを思う。
恥ずかしさを隠すために、颯太は紗奈を言葉で攻める。
「変態」
「うっ」
「淫乱」
「それはっ」
「可愛い後輩」
「はぅ……」
最後の一つは関係ないよねぇ……
「先輩」
「どうした?」
恥ずかしさをぐっと堪え、言葉を返す。
「先輩に見られてると思うと、すごい興奮します……」
「変態」
そう返す他なかった。
「で、でもっ! 好きな人に、自分の恥ずかしい姿を見られるのって……すごいゾクゾクしませんか?」
「しない、絶対」
どうやら、紗奈ちゃんには変態の素質があるらしい。
「私が、その……裸を見せるのは、せんぱ──」
先輩、と言おうとしたところで、一度言葉を、区切る。
次の瞬間、照れるような、それでいて嬉しそうな表情で口を開いた。
「颯太、だけですよ?」
そう口にした瞬間、紗奈は顔をりんごの様に真っ赤に染めると、下を向いてしまった。
なんて恥ずかしいセリフを言ってくれるんだよぉぉぉぉぉぉお!
颯太は心の中でそう叫ぶ。
「お兄ちゃん……、今日は一緒に寝ていいですか?」
「う、うん」
恥ずかしさで、つい了承してしまう。
「それ、じゃあ、そろそろ……」
それから言葉の続きが言われないことに疑問を抱き、紗奈に目を向ける。
なんと紗奈はのぼせていたのだ。
「まじかぁ……」
ただでさえ危ない|(なにがとは言わない)のに、更に気絶した紗奈を風呂場から出さなければならないという状況に、どんどん颯太の理性は削られていく。
だが、颯太は無事手を出すこと無く、紗奈の救出を遂げた。
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