第三話 くだらない魔法と小さな花
秘密基地の小屋に落ち着いた二人。
カップ麺を食べ終え、少しお腹も落ち着いたところだ。
くだらない魔法と小さな花——その言葉が、やがて旅の本当の意味を示すことになるとは、まだ誰も知らなかった。
リサは器を片付けながら、少し真剣な顔で言った。
「……で、エリックはなんであんな海岸線をぶらぶらしていたんですか?」
エリックはふっと笑った。
「ふっふっふ……それは御伽噺みたいな話さ。楽園へ行くことだけだ」
「御伽噺?そんな大事な場所に行くんですか?」
リサは目を丸くする。
「まあ…本当に欲しい魔法はまだ言えない。でも、役に立つものもあるだろうな…例えば、花を咲かせる魔法とか」
「花……?」
首をかしげるリサ。
「母さんが好きだった花を思い出してね、ちょっと…気になってるだけさ」
(母さんがあの花を好きだった理由を、まだ全部理解してはいない。で、思い出すとと胸が温かくなる——。)
エリックの表情は少し柔らかくなったが、すぐに元に戻った。
エリックは立ち上がり、秘密基地の散らかった小屋を見回す。
「さて、秘密基地での次の話題だ」
「またくだらない魔法のウンチクですか?」
リサは半笑いで答える。
「フフン、これが僕の秘密基地での醍醐味さ!」
エリックは自慢げに言い、床に置かれたガラクタや魔導書を指差した。
「ほら、こんな魔法もある。花を咲かせる魔法さ……母さんが好きだった花をね」
「……母さんのために?」
「まあ、ちょっと思い出しただけさ」
肩をすくめるエリックに、リサは少し笑った。
「この掃除機も面白いんだ。スイッチ押すとカップ麺が一瞬で吸い込まれる!」
「危ない!なんでそんなこと考えるんですか!」
「まあ、緊急時には母の花を守るために使うかもしれん…とかね」
(くだらない魔法に見えても、いつか役に立つ瞬間が必ず来る――それだけは、僕が知っているんだ。あいつはそうやって僕を救ったからね。)
「……ええっ!?」
リサは思わず声を上げた。
リサは椅子に座り直して、少し真面目な顔になる。
「でも、なんで楽園に行くんですか?」
エリックは少し考えてから答える。
「楽園には、欲しい魔法の手掛かりもある。でも本当に僕が欲しいものはまだ秘密だ。」
「……まだ秘密?」
「そうさ。花の魔法も、いずれ役に立つかもしれない」
エリックは小さく笑い、棚のガラクタを弄りながら言った。
「さて、次はエドに向かうぞ!」
「エド?どんなところなんですか?」
リサは目を見開く。
「エドにはコーラがあるらしい……。あのシャワシャワがたまらないんだ。」
「中毒者の感想ですよ。」
エリックは笑みを崩さずに言った。
「でも、ここでやっておかないと物語が終わる。」
「何したんですか……?」
リサは呆れつつも、どこか楽しそうだった。
(ここは誰も踏み入れたことのない場所だ。魔法軍でさえ調査が進んだものの、未だ謎に包まれている——だからこそ、行く価値があるんだ)
エリックは魔導書を整理しつつ、次の街「エド」に向かうことを決めた。
リサは空のカップ麺を眺めながらつぶやく。
「……この街も、くだらない魔法がありそうね。」
「次回、エドで自販機の魔物と対決だ!」
「絶対濡れるじゃないですか!」
「でも魔法があれば怖くない!」
「…怖くないわけない!」
「……次回」
「「エドとあやしい自販機」」
「ちなみに次回は僕は戦いません」
「えっ」




