15.秘蜜の葛藤※R描写有
【注意】
えっちな表現があります!!注意してご観覧ください!!
簡易テント内の一室にて。
「念の為離れた方の部屋にしたけど正解だったね」
「咲闌ちゃんが声我慢すればいいんだよー?」
「我慢はいいけど、それでも情事を聞かれるかもしれないって考えたら嫌だ」
私の部屋は一番端っこの、部屋を間に一つ挟んだ位置にある。わざわざ部屋から出てくるとか聞き耳立てなければ聞こえることもないだろう。
ふわり。宙に浮かんだまま後ろから紅兎が腕を回してくる。
別段振り払うこともしない。普段ちょっと塩対応気味だけど、基本的に私は紅兎に甘い。
それに今夜はいたしていいと許可を出している。
髪をかきわけて耳にちゅっと音を立てながらキスを落としてくる。耳へのキスは……誘惑、だったかな。いいよ、乗ってあげる。
「ねぇ」
「ん?」
「服は、自分で脱いでほしいな。咲闌ちゃんのめんどいんだもん」
「ふっ、くく……たしかにね。わかった」
自分の服の着脱が面倒だというのは自覚がある。そんなのをモタモタ脱がせてたらそれこそムードもへったくれもないだろう。
「さすがにフロントホックじゃもうキツくない?」
「……紅兎の趣味じゃん」
「そうだけど?」
フロントホックのブラに収めるには、胸が少々成長しすぎている。
そろそろこぼれ落ちそうなのでサイズの合った普通のブラにしたいのだけど。元々鳩胸なせいで本来のカップより大きいの買ってるのよね。
でも閉ざされた世界にいるのを理由に買わなかった。雨以名にでも相談すれば良かったのだろうけど。
「ダメ」
「何が」
「今他の女のこと考えたでしょ。誰であっても、許さない。わたしだけ見て。考えて」
顔を両手で挟まれ紅兎に向けられた。
やれやれ……聡すぎだし嫉妬心が強い。
じっと見つめてくる視線の意味は強い嫉妬か、一瞬でも別の女を思ったことへの怒りか。ひたむきなその瞳に呼びかける。
「紅兎」
「なぁに……んっ」
不意打ち。私から唇を重ねてやった。
紅兎はすぐにとろんとした目をして何度も角度を変えながらキスを続ける。私が一瞬息継ぎのために唇を開いた瞬間を見逃さずにするりと舌を侵入させてくる。
「ふ……んんっ」
しばらく淫靡な水音がした後紅兎がフロントホックを外したタイミングで唇も離す。
二人の間にお互いを繋ぐように唾液が糸のように伸びている。
それが不意にプツリと切れると、紅兎は私に抱きつくようにしながら首筋に舌を這わせた。同時に手を振って自分の服を消す。
一糸まとわぬ姿の紅兎を見て、欲情してしまう。そもそもそういう種族なのだから間違った反応ではない。
ぎゅっと体を寄せてくることで、私のよりも豊かな双丘が私のを柔らかく押しつぶす。相手に欲を感じていることで固くなっている薄紅色の頂点が擦れ合う。
「んぁっ……ぅぅ」
「しー、だよ……? でも今日は感じやすいね? わたしとシてることを加味してもいい反応」
「ひ、久しぶりだから……でしょ。それに」
「それに?」
「声を押し殺すってのも、ドキドキするシチュじゃない」
「かーわいい。大好きだよ、咲闌ちゃん」
ちゅ、ちゅと音を立てながらキスを体中に落としてくる。すすっと指を這わせてくる。その度に体がぴくっと反応してしまう。
ああ……紅兎の言う通り今日は感じやすい。紅兎は星霊であると同時に淫魔だ。彼女には理性を蕩けさせ快楽に従順になるような特性が備わっている。
知ってたつもりだけど……今日はその特性がいつもより濃い。紅兎自身もきっと久しぶりで嬉しくて制御する気がないんだろう。明日腰痛くなりそう。なんでもいいけど痕は残さないでね。
「──っ!」
両手で口を塞いだのですんでのところで大きな喘ぎ声を出さずにすんだ。紅兎が私の脚を開いて秘裂に舌を這わせた。とろりと溢れる蜜を掬いとるように。いつの間に下着とってたの……ちなみに私のショーツはこれまた紅兎の好みにより紐パンである。すいません、どうでもいい情報ですね。
荒くなる息とゾクゾクする甘い感覚で酔ってしまいそうになりながら、そっと紅兎の頭を両手で押さえる。それは制止じゃない。“もっとして”のおねだりの合図。陰になって見えないけど、笑っているのがわかった。
ちゅぷ……と特徴的な粘度のある水音と共に指が沈みこんでくる。二本の指のうち片方はより奥の方をつついてくる。もう片方が浅いところで撫で擦るように動く。反対の手は未だ硬いままの胸の頂点を摘み、尻尾で体をなぞり、とどめとばかりに一番敏感な秘芯を舐めあげてくる。
どれほど我慢したって無理だ。それでも少しでも声を漏らさないように。
「っぁ、ん……~~~~~!!!」
何度も体を跳ねさせて、私は絶頂した。
「咲闌……」
息が落ち着いた頃に甘い声が耳に届く。紅兎が抱きついている。
ちょっとぼんやりして──そのままぐるんと紅兎を押し倒した。
「なぁに、咲闌ちゃん。今日はシてくれるの?」
「気分になったから、ね」
「大盤振る舞い。明日倒れないでね? 今日だって特訓も頑張ってたんだからぁ」
くすくすくすくす。笑い声が甘やかに闇に溶けていく。それを止めてやろうと桜色の双丘の頂点をピンと両手で弾いてやった。
「あんっ、わたしは聞かれても構わないから、声我慢しないよ?」
「ご自由に。好きなだけ鳴きなよ。その分喰らえばいいわ」
紅兎の食事は普段のようにただ精気を与えるものだけではない。自分が抱こうが抱かれようが、所謂セックスをすることでも精気を奪いとれる。
だから正直もうダルいのだけど、欲情してしまった体はもう収まらない。淫らに愛して愛されて。私たちの関係はそれで成り立ってきたのだから。
「ふふ、寝る時間あるかな」
「わたしが満足したら寝てもいいんだよ?」
「ふっ……朝までじゃない」
笑いあって、口づけを交わす。零した吐息を飲み込むように。
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翌朝。珍しく繭の目の下に濃い隈ができていた。メイクで隠そうとはしていても、それは普段の彼女を知っている者ならすぐ気がつく。
実は夜中に目が覚めて水を飲みに部屋の外に出たので、昨晩の二人の情事が聞こえてしまったのだ。そこからずっとモヤモヤして睡眠時間が削られてしまった。
私だって、幼い頃からあなたのそばにいるのに。それでもやっぱり彼女がいいの……?
切なさで胸がいっぱいになる。でもそれは、顔に出さない。態度にも出さない。今はそれどころじゃないから。
「お姉? どったの、ボーっとして。危ないよ」
「え、ああ……変な時間に目が覚めてしまったので……ちょっと睡眠が足りなかったかもしれません」
「そう? 休憩入れてもらう?」
「大丈……いえ、ちょっと欲しいかもしれないです」
「ん。ねー、ちょっと休憩しよ。あたし疲れた」
繭のため、とは決して言わない妹の気配りにくすりと軽く唇の端が上がる。
「攻撃力は高いけど需璃さんの靴こんな獣道を長時間歩くのには不向きですもんね。大丈夫ですか?」
「舗装された道なら平気なんだけど。たしかにこういう道は向いてないわ」
「僕の術で癒しますか?」
「そこまでじゃない。お姉ー、足マッサージしてよ」
「あらあら、しょうがない子ですね……靴を脱いでくださいな」
これも妹の気配り。わかるから素直に受け取る。だけど、一度心に落ちた切なさという洋墨はじんわりと広がり、薄まりはしても消えずに残る……
そんな繭の様子を見て咲闌は眠そうにしながら首を傾げていたが、紅兎はほくそ笑んでいた。
人の何倍も気配に敏感な彼女は、繭が起きてきていたことを知っていた。そして自分が抱かれている時だったのでこれ幸いと煽るように嬌声を聞かせてやったのだ。
──ダメだよ。まだ、まだ咲闌ちゃんは渡さない。欲しいなら、もっともっと、咲闌ちゃんに恋焦がれて想って、咲闌ちゃんの心を掴んでみせてくれないと。
特に繭には渡したくないんだから、ね。




