第七話「夢幻世界への誘い」
前回魔界城にやっと着きましたがもう夢幻世界に移動します。
そしてカナと寺島の仲にちょっと何かが…?
今回もお楽しみに!
翌日、魔界城の会議室で神綺と寺島達は会議を行った。
「まずは…騒霊楽団の公演?面白そうね、ぜひぜひやって!」
「いいの?ありがと、神綺さん♪」
「次に魔界の都市開発だけど…優斗さんの所は交通関連企業よね?」
「ええ。」
「じゃあ、魔界全域と幻想郷間を結ぶバス路線網の設定とかどうかしら?せっかく神綺街道で結ばれてることだし。
…あとはもう魔界は軒並み開発は終わってるし…そうね、夢幻世界の開発とかやってみる気はない?」
「幻魔間のバス路線は収益も十分見込めそうなので当方からもお願いさせていただきますが…夢幻世界というのはどういう所でしょうか?」
「あっ、そうね。ちょっと夢幻世界関係の担当者を呼んでくるからちょっと、待って。」
三分程で神綺が戻ってきた。紫の髪の少女を連れて。
「この娘が夢幻世界に詳しい光子ちゃんよ。実はこの娘は魔界人じゃなくて夢幻世界の住人なの。」
「というかここのメイドでも無いんだけどね…
私が光子よ。よろしくね。あなたは?」
「寺島 優斗です。よろしくお願いします。」
「優斗ね。で、夢幻世界に関してでいいのよね?」
「そうですそうです。」
「うーん。説明するより見に行った方が早いわね。幻夢魔界道も出来たことだし。あともっと気軽に話しなさいな。これから長いもの、堅苦しいのは嫌でしょ?」
「あ、ありがとう。そうする。」
「じゃあ行きましょう。カナも来るでしょ?」
「分かってるじゃない、光子。勿論行くわ。エレンちゃんは?」
「折角だし私も行くわ。」
というわけで一行は魔界城を出発。神綺街道をひた走り、誄豆市へと向かう。
誄豆市に入るとすぐに真新しい「誄豆ジャンクション」が見えてくる。ここが幻夢魔界道の起点である。
早速幻夢魔界道に入る。片側2車線から3車線の自動車専用道路であり、非常に快適である。
しばらく走ると、何とサービスエリアが見えてくる。
幻夢サービスエリアである。
幻夢魔界道唯一のサービスエリアであり、非常に賑わっている。
↑幻夢サービスエリア
さらにしばらく走ると、終点の来見ジャンクションを通過する。
来見JCTの交差点を右に曲がると、また弾幕が飛んできた。
今度は黒い羽が生えた金髪の少女である。
「そこの車ー、止まりなさい。」
「あっ、くるみちゃん!」
突然くるみと呼ばれた少女にエレンが抱きつく。
「ちょ、エレンちゃん!びっくりした……どうしたの?」
「私は付き添いよ?」
「そこにいるのは…カナちゃんと光子と…誰?貴方。」
「この人は優斗。カナちゃんの彼氏よ。」
「!?」
「そ、そうなの…カナちゃん、彼氏居たのね…。」
「それデマですすいません…寺島 優斗です。」
「優斗ね。よろしく。私はくるみ、一応吸血姫よ。」
「──っ! 本物の吸血姫!?」
「そんな怖がらなくていいのよ?危害を与えるつもりは無いわ。」
「そうよ、くるみちゃんは吸血姫っていうよりただの変な人…じゃなくて可愛い娘よ?」
「カナちゃん…ありがとう…。だけど変な人って何かしら…?(#^ω^)」
「何?やる気?そっちがその気なら、私は抵抗するしかないわね。」
「ちょっと、二人とも落ち着いて…」
「……そうね。ごめんね優斗、彼女の変な所晒しちゃって。まあカナちゃんも可愛いから大事にしてあげなよ?」
「だから付き合ってないって…」
「魔界からずっとその話してるけど私はお似合いだと思うわよ?」
「ちょっ、ちょっと!エレンちゃん!?」
「そうだよ……こんな可愛い娘に俺なんか釣り合わないって……」
「いや私こそこんな騒霊なのに……釣り合うはず無いわよ……」
「-に-を掛けると+なのよ?自称《釣り合わない》同士でも2人ならぴったりじゃない?」
「……皆さん、そろそろいいですか?」
「何?光子。」
「そろそろ夢幻館行くわよ?」
「あっ、なら私も行くわ。」
(気まずい…)
ということで夢幻館に向かう。
車を止め、入口へと向かうと鎌を持った女性に声をかけられる。
「くるみ、光子はおかえり。カナちゃんとエレンちゃんと…そこの人はようこそいらっしゃい。お名前は?」
「寺島 優斗です。よろしくお願いします。」
「優斗ね。よろしくね。私はエリー、ここ夢幻館で門番をしてるわ。さあ、中へどうぞ。」
中に入ると、金髪の女性2人が待っていた。
羽の生えた女性の方に声を掛けられる。
「ようこそ、我が夢幻館へ。私がこの館の主の幻月よ。」
「そして私が妹の夢月よ。メイド服着てるけどメイドでは無いわ。幻月姉さんの趣味よ…」
「寺島 優斗です。よろしくお願いします。エプロンドレス好きとは…幻月さんとは話が合いそうですね…。」
「あら、優斗もこの服の可愛さが分かるのね?」
「はい。」
「ということはカナちゃんとか最高でしょ?」
「ええ。エプロンドレスに長手袋とか完全に俺の性癖を突いてきてますね。最高に可愛いですよ!……あっ…」
「優斗の馬鹿……帰る!」
そう言うとカナは窓から飛んで行った。
「ちょっ、カナ、待ってよ……!」
「仕方ないわね…用事はあなたの家で聞くわ。優斗はカナを追いなさい、私たちは後から行くわ。」
「ありがとうございます!じゃあこのあと奏霊かなで会いましょう…待って、カナぁ!」
「……行っちゃったわね。エレンちゃん、優斗の家の場所分かるかしら?」
「ええ。」
「じゃあ案内お願い。」
「分かったわ。」
───博麗神社の縁側に、カナは一人座っていた。
「全く……わたしもおかしくなったのかな。こんなことで優斗から逃げちゃうなんて…。」
「……カナさん?何かあったんですか?」
「っ!る~ことちゃん…?」
「私でよければ、お話聞きますよ?」
「ありがとう…じゃあ、ちょっと話に付き合ってくれる?」
「なるほど…。状況は分かりました。優斗さんが怒ってるとは思えないので、一度優斗さんと話してみたらどうですか?」
「そうね。そうするわ…。ありがとう、る~ことちゃん。」
「どういたしまして。…あれ?誰かいらっしゃいましたね。」
「っ!ゆ、優斗!?」
「カナ!さっきはごめんね…?」
「もう…私こそごめん。もう怒って無いわ。」
「ありがとう…。何はともあれ、カナが無事で良かった…。」
「私は無事よ。本当に心配掛けてごめんね?」
「大丈夫だよ…。家、帰ろうか?」
「うん…。…ねぇ優斗、ちょっとじっとしてて?」
「えっ?…分かった。」
「…ぎゅっ。…ねぇ、しばらくこのまま抱きついてていいかしら?」
「い、いいよ…。好きなだけ…」
「あら、赤くなってるわ♪︎可愛い♪︎」
「カナも人のこと言えないでしょ…。全く…
ねぇカナ、頭撫でてもいい?」
「ん…。撫でて…。」
二人はしばらくこのまま過ごした後、寺島の家へと向かった。
「おかえりなさい、二人とも。仲直り、出来たかしら?…って、聞くまでもないわね。手繋いじゃって。」
「うん、ただいま…!」
「さて、優斗。光子とエレンちゃんから話は聞いたわ。神綺様に勧められて夢幻世界の開発をしに来たのね?」
「ええ。どうでしょうか?」
「こちらからもお願いするわ。最近こっちも暇なのよ。私たちも勿論協力するわ。」
「あ、ありがとうございます!」
「いえいえ。…ところで、今日はこっちに泊まってもいいかしら?ホテルやってるんでしょう?」
「ええ、一応。貴女方が記念すべき宿泊者第一号ですが。」
「あら嬉しい!じゃあお願いするわ。私と夢月とくるみと光子の四人でよろしくね?」
「了解です。」
「ねぇ優斗、ちょっと来て…?」
「どうしたのカナ…?」
「今日は…いえ、今日も一緒に寝ましょ?」
「いいの?」
「勿論♪︎」
「じゃあ一緒に寝ようか!」
「ええ♪︎じゃあ夕ご飯作るわ、ちょっとみんなちょっと待っててね?」
「はーい♪︎」
次回は路線網の策定とかです(たぶん)。
関係ないですが、例大祭お疲れ様でした。自分は旧作同人誌を買い漁ってきましたが、カナ成分が足りない…。