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LETHAL -俺だけが見える勝利の一手-  作者: 龍崎
第三章 海外遠征編 ― 世界を喰らう拳 ―

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第24話 九条迅のミラー配信

神谷がエリックを破りグランドファイナルをリセットした瞬間、日本中の配信サイトで歓声が上がる中、RAVEN’S NESTのミラー配信もとんでもない視聴者数を叩き出していた、その中心にいるのはチームメイトの九条迅、普段は冷静な男ですら今の試合には思わず笑みを浮かべていた。


「いやぁ。」


九条は椅子にもたれながら苦笑する。


「本当にやりやがったな。」


コメント欄。


『九条さんどうですか今の』


『神谷やばくね?』


『リセットきたぞ』


『優勝ある?』


九条は少し考える。


「優勝あるかって?」


一度モニターへ視線を向ける。


「あるからここまで来てる。」


コメント欄。


『おおおおお』


『さすが』


『信頼してるな』


九条は続ける。


「そもそもエリック相手にBO5取る時点で普通じゃないからな。」


「しかも一回負けてる相手だぞ。」


「普通は心が折れる。」


「でもあいつ折れなかった。」


コメント欄。


『確かに』


『ルーザーズ長かったもんな』


『神谷メンタル強すぎ』


九条は少し笑う。


「いやメンタル強いっていうか。」


「あいつ負けても引きずらないんだよ。」


「昔から。」


「負けた瞬間は悔しがるけど次の日には対策考えてる。」


コメント欄。


『主人公じゃん』


『努力型だな』


『いいチームだ』


そこへ一つのコメントが流れる。


『九条さんなら勝てる?』


配信が少しざわつく。


九条は苦笑した。


「それ聞く?」


コメント欄。


『聞きたい』


『答えて』


『どうなん?』


九条は少し考えてから答える。


「分からん。」


コメント欄。


『正直』


『草』


『でもそれよな』


「今の神谷と今のエリックなら分からん。」


「だから面白いんだろ。」


「結果が分かるなら大会なんて誰も見ない。」


コメント欄。


『名言出た』


『確かに』


『その通り』


モニターには試合後の神谷が映る。


汗を拭きながら水を飲んでいる。


ここまで何試合戦ったのか分からない。


それでも目は死んでいない。


九条はその姿を見て小さく笑った。


「成長したな。」


コメント欄。


『親目線で草』


『先輩やん』


『泣いてる?』


「泣いてねえよ。」


「ただな。」


少し間を置く。


「チーム入った時はこんな舞台まで来ると思ってなかった。」


コメント欄。


『おお』


『本音だ』


『いい話』


九条は画面を見ながら続ける。


「でも今なら思う。」


「こいつ本当に世界のトップと戦えるんだなって。」


コメント欄。


『うおおおおお』


『熱い』


『神谷聞いてるか』


すると新たなコメントが流れる。


『神谷優勝すると思う?』


九条は即答した。


「知らん。」


コメント欄。


『wwwww』


『即答で草』


『さっきから正直すぎる』


九条は笑う。


「だから言ってるだろ。」


「分からん。」


「でも。」


配信の空気が変わる。


コメント欄も静かになる。


九条は画面に映る神谷を見ながら言った。


「応援する理由なら十分ある。」


「ここまで勝ち続けて。」


「倒されても立ち上がって。」


「また戻ってきた。」


「そんな奴が最後に勝ったら格好いいだろ。」


コメント欄。


『うおおおおおお』


『それはそう』


『優勝しろ神谷』


『頼む』


『行けぇぇぇ』


その頃メインステージではリセット後のグランドファイナルが始まろうとしていた。


九条はヘッドセットを付け直し笑った。


「さて。」


「本当の決勝だ。」


「お前ら。」


「瞬きするなよ。」

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