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LETHAL -俺だけが見える勝利の一手-  作者: 龍崎
第一章 無名の高校生

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エピローグ 王者の名

決勝戦が終わった。


画面中央には優勝者を示す文字が表示されている。


WINNER 神谷蓮


大会エントリー時に登録されたプレイヤーネームはLETHAL。


だが今、この瞬間に注目されているのはその名前ではなかった。


優勝したのがどこのプロチームにも所属していない高校二年生だという事実だった。


配信コメントは勢いよく流れ続けている。


『神谷蓮優勝!?』


『マジで伝説だろ』


『本当に初大会だったのか』


『強すぎる』


『最後の三連勝やばかった』


黒田も興奮を隠せない。


「優勝は神谷蓮選手です!!」


「大型大会初出場で優勝!!」


「とんでもない新星が現れました!!」


主催者席の星乃ルナも笑顔だった。


「それでは優勝インタビューに移りましょう!」


画面が切り替わる。


そこに映ったのは神谷蓮。


決勝で国内トップクラスの選手と激闘を繰り広げていた人物とは思えないほど落ち着いていた。


ルナが口を開く。


「改めて優勝おめでとうございます!」


「まずは今の気持ちを聞かせてください!」


蓮は少しだけ考えた。


そして静かに答える。


「ありがとうございます」


「まだ実感はあまりないです」


「とにかく試合に集中していたので」


コメント欄が流れる。


『絶対そう言うと思った』


『落ち着きすぎ』


『高校生とは思えない』


ルナも苦笑した。


「決勝は本当にすごかったです」


「二先取られてからの逆転でした」


「最後のセットは今までと戦い方が違いましたよね?」


蓮は頷く。


「桐生選手は対応力が高くて、同じことを続けても通らないと思いました」


「だから最後は今まで見てきた情報を全部信じて戦いました」


解説席の鬼塚が頷く。


「なるほど」


「観察して修正するだけじゃなく、最後は自分から主導権を握りにいったわけですね」


「非常に印象的でした」


ルナはさらに質問を続ける。


「今後についてはどうでしょう?」


「プロ活動や配信活動に興味はありますか?」


蓮は少し困ったように笑う。


「まだ何も決めてません」


「今は普通に高校生なので」


「まずは学校ですね」


コメント欄が一気に流れた。


『そうだった』


『優勝者、明日登校』


『現実に戻されるな』


『面白すぎる』


ルナも思わず笑う。


「本当に最後まで神谷選手らしいですね」


インタビューは短く終わった。


蓮は深く頭を下げる。


派手な言葉はなかった。


だがその姿に多くの視聴者が心を動かされていた。



インタビュー終了後。


大会の締めくくりとして総括が始まった。


黒田が感慨深そうに話し始める。


「本当に素晴らしい大会でした」


「優勝候補が数多く出場した中で優勝したのは神谷蓮選手」


「大会前にその名前を知っていた人はほとんどいなかったと思います」


鬼塚も頷く。


「ええ」


「今大会はレベルが非常に高かった」


「白石凛選手」


「神崎結衣選手」


「天城レオ選手」


「桐生蒼真選手」


「誰が優勝してもおかしくありませんでした」


「その中で勝ち切った神谷選手は見事でしたね」


黒田も続ける。


「決勝戦も本当に凄かった」


「二敗からの三連勝」


「しかも最後は自分から攻め続けて流れを掴みました」


鬼塚は静かに言う。


「今大会を通して感じたのは成長速度です」


「神谷選手は試合を重ねるたびに強くなっていました」


「準決勝と決勝だけでも別人のようでしたからね」


主催者のルナも頷く。


「主催者として本当に嬉しいです」


「選手の皆さんのおかげで最高の大会になりました」


「そして最後まで見届けてくださった視聴者の皆さん、本当にありがとうございました!」


コメント欄には感謝の言葉が溢れていた。


『最高の大会だった』


『ありがとう』


『第二回も見たい』


『お疲れ様でした』


配信終了の時間が近づく。


黒田が最後の挨拶を行う。


「それでは皆さん!」


「本日の大会配信はこれにて終了です!」


鬼塚も頭を下げる。


「最後までご視聴ありがとうございました」


ルナが笑顔で締めくくった。


「また次の大会でお会いしましょう!」


配信終了。


画面が暗転する。


その夜。


SNS。


動画サイト。


配信コミュニティ。


格闘ゲーム界隈の話題は一つだった。


突然現れた無名の高校生。


神谷蓮。


誰にも知られていなかった少年は。


この日。


数多くの強豪たちを打ち破り。


大会の頂点へと辿り着いた。


しかし。


これは終わりではない。


プロ。


配信者。


企業チーム。


新たなライバル。


優勝によって広がる世界がある。


神谷蓮はまだ知らない。


この優勝が。


彼の人生を大きく変える最初の一歩になることを。



第一章 無名の高校生



そして――


神谷蓮の物語は、新たな舞台へと続いていく。

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