第20話 決勝進出者インタビュー①
準決勝終了後。
大会配信は特設コーナーへ切り替わった。
決勝進出者インタビュー。
コメント欄もすぐに盛り上がる。
『来た』
『インタビューだ』
『決勝前恒例』
画面が切り替わる。
軽快なBGM。
そして。
「みんなー! こんばんはー!」
明るい声と共に現れたのはStarLive一期生、星乃ルナだった。
金色のツインテールを揺らしながら大きく手を振る。
『ルナちゃん!』
『司会きた』
『主催者!』
『大会の顔』
「準決勝、本当にすごかったね!」
ルナが笑顔で言う。
「というわけで! 決勝進出者のお二人にお話を聞いていきたいと思います!」
コメント欄も勢いよく流れる。
『まず桐生か』
『優勝候補』
『頼むぞ』
画面には桐生蒼真が映し出された。
Phoenix所属。
国内ランキング上位常連。
今大会の優勝候補筆頭。
ルナが笑顔で話しかける。
「桐生選手、まずは決勝進出おめでとうございます!」
「ありがとうございます」
桐生は落ち着いた様子で答えた。
「準決勝では神崎結衣選手との対戦でした。まず率直な感想を聞かせてください」
桐生は少し考える。
「難しい試合でした」
コメント欄が反応する。
『だよな』
『接戦だった』
『神崎強かった』
「神崎選手は本当に安定しています」
桐生は続けた。
「判断が丁寧ですし、崩れにくい」
「こちらが主導権を握っていても油断できませんでした」
鬼塚が頷く。
「高い評価ですね」
「準決勝にふさわしい相手だったと思います」
コメント欄も納得していた。
『ベスト4納得』
『神崎お疲れ』
ルナは次の話題へ移る。
「そして決勝!」
コメント欄が一気に加速する。
『来た』
『本題』
『LETHAL』
ルナも少し笑った。
「対戦相手は今大会最大の話題選手、LETHAL選手です」
コメント欄が爆発する。
『うおおお』
『主人公』
『Kai使い』
『怪物』
準決勝の映像が流れる。
白石凛との激闘。
《Kai》による鋭い攻め。
試合中に変化していく対応。
ルナが尋ねる。
「桐生選手から見たLETHAL選手の印象は?」
桐生は映像を見ながら答えた。
「強いです」
即答だった。
コメント欄が流れる。
『やっぱり』
『知ってた』
『そりゃそう』
「特に適応力ですね」
桐生は続ける。
「一度見せた行動への回答が早い」
「普通なら何試合かかけて辿り着く答えに、その場で辿り着いている印象があります」
鬼塚も頷く。
「今大会でもそれが何度も見られました」
「だから対策が難しいんです」
桐生は言う。
「準備した内容だけでは足りない」
「試合中の対応力が求められる相手です」
コメント欄も盛り上がる。
『学習速度おかしい』
『本当にそれ』
『LETHAL怖い』
ルナがさらに聞く。
「決勝で戦う相手としてはどうですか?」
桐生は迷わなかった。
「楽しみです」
静かな声。
だが本心だった。
「こういう相手と戦うために大会へ出ています」
コメント欄が流れる。
『熱い』
『最高の決勝だ』
『ワクワクする』
ルナが最後の質問をする。
「それでは決勝への意気込みをお願いします!」
桐生は真っ直ぐカメラを見る。
「最高の試合をお見せします」
そして。
「勝つのは自分です」
コメント欄が一気に流れた。
『かっけえ』
『王者』
『優勝候補』
『決勝楽しみすぎる』
ルナは満足そうに頷く。
「ありがとうございました!」
桐生が席を立つ。
そしてルナはカメラへ向き直った。
笑顔のまま言う。
「さあ!」
コメント欄が再び加速する。
『来るぞ』
『次だ』
『LETHAL』
『主人公きた』
「続いてはもう一人の決勝進出者!」
画面が切り替わる。
そこに映し出されたのは――
LETHALだった。




