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真実の行方  作者: hiraji
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渡辺和則を中村真実の殺人及び死体遺棄で再逮捕してから起訴までの流れは早かったが

実際に渡辺和則の中村真実の殺人、死体遺棄事件の裁判が始まったのは

再逮捕のニュースが流れてから5ヶ月後だった。

罪状に殺人が含まれる為に裁判員裁判になることもあって通常より長い準備期間となった為だ。

検察側の冒頭陳述は概ね

被告人が過去二度にわたり被害者である中村真実に痴漢行為をし

それを告発されたことを逆恨みして中村真実を拉致し、被告人の無罪を証言することを強制し

その証言を録画した上で殺害し、死体を遺棄した。

というストーリーだった。

裁判員裁判の為に弁護人の冒頭陳述も行われたが弁護人は

被告人は無罪であり検察側の主張は捏造された証拠に基づく言い掛かりに等しいものだ

というものであった。

意外なことに渡辺和則についた弁護人は国選ではなく私選弁護人で、勤めいた会社の顧問弁護士ということだった。


そして波乱は冒頭陳述の後の証拠調べで起きた。

検察側は海外の動画サイトから動画を削除できるのは動画投稿者のみであり

渡辺和則が動画を削除した証拠として牛丼屋の防犯カメラ映像とインターネット喫茶の防犯カメラ映像を提出していた。

弁護側はそれに対して防犯カメラに写っていたインターネット喫茶の店員を証人として用意した。

弁護士「あなたが入会手続きをしたこの防犯カメラ映像の男性の身長はどれくらいだと思いますか?」

店員「160センチくらいだと思います」

弁護士「あそこにいる渡辺和則氏を見てください。身長何センチくらいに見えますか?」

店員「170センチは越えていると思います。180センチにはギリギリ届いてない感じですね」

弁護士「ということはこの防犯カメラ映像に写っている男性は彼では無いということで間違いないですか?」

店員「はい、間違いないです。」


検察側は反対尋問で何故そこまで分かるのか、そんなにハッキリ覚えているのか

激しくこの証人を責め立てたが

店員の「自分は身長165センチしかなくてそれが物凄くコンプレックスになってる。

いつもこの人は自分より背が高いか低いかを気にして接客していて

この人は珍しく自分より背が低かったのと名前が『真実』という男にしては珍しい名前だったので

とても印象に残った」

という明快で自信に満ちた証人の証言を崩すことが出来なかった。


また、それに続いて弁護士が渡辺和則に

牛丼屋で変装した理由と牛丼屋から出たあとの足取りについて質問し

それに対する渡辺和則の答えは検察側に大きな衝撃を与えた。


「僕は中村真実さんの痴漢冤罪を告白する動画がインターネットで話題になっていた時に

モニター越しにビデオカメラで中村真実さんの動画を撮影していました。

僕はその日にそのカメラとビデオテープを祖父母から相続した家の近くの・・多分お稲荷さんだと思うんですがそのお社の裏手に埋めに行きました。

以前にそのお社を見つけた時に自分の痴漢冤罪がいつの日か証明されますように

とそのお社に願掛けをしたんです。

結果的にあの動画で自分の潔白が証明されたのでお稲荷さんにお陰様で願いが叶いましたとお礼を兼ねて潔白の証拠を奉納するつもりで埋めました。

夜中にわざわざお稲荷様のお社の裏に何か埋めるとか怪しい感じがするので

誰かに見られても恥ずかしくないように変装しました。」


弁護士は重ねて

「あのインターネット喫茶に写っている人物は牛丼屋で変装したあなたとそっくりな格好をしていますが

何か心当たりありますか?」

と渡辺和則に質問した。

渡辺和則は不思議そうに


「全くありません。全くの偶然か、偶然でなければ

誰かがあのインターネット喫茶に僕が入ったかのように偽装しようとしたんだと思います。」

と答えたのだった。

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