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『わたしへ、』

リアル妹がいないからこそ『妹』という存在に夢を持てれる



『拝啓 ヒサ・ヴィアス・ルブルム様



もう1人の私にしてルブルム帝国の最初で最後の女帝、『災厄の(ディザスター)魔王女(プリンセス)』ことヒサ・ヴィアス・ルブルムへ



お久しぶりです。このたび久々に手紙を書いてみました。


まぁこの手紙も今までと同じように書き終えた後で旦那様に燃やしてもらうのですが。


それはさておき


今回はヒサに良い知らせと悪い知らせを伝えたくてこの手紙を書きました。


まず最初に良い知らせについてです。


私は、私達は今日も幸せでした。今日だけじゃなく昨日も、一昨日も、ずっと。



そして今回はさらに良い知らせが…!





なな、なんと!私のお腹の中に新しい命が宿りました!




念願の2人目です!!前から少し体調悪いなーと思っていたら……子どもでした!やりました!!


性別はまだわかりませんが………男の子だった場合、極度のお姉ちゃんっ子になりそうですね。女の子だった場合も……極度のお姉ちゃんっ子になりそうです。


だって私達の子どもなんですから。姉弟、または姉妹仲はとても良くなるに決まってます。


というか見ず知らずの赤の他人を信頼なんてできるはずがないのですから、家族の仲が深まるのは当然です。自然の摂理です。


だから私が旦那様を愛し、旦那様に愛されるのも当然です。運命です。わかっているとは思いますが。






さて、次に悪い知らせについてです。


重い話ではないのですが、私達(・・)にとっては重要な話です。


なので心して聞いてください。





どうやら私がヒサ(わたし)になるのは今年も、来年も、これから何十年先も……なさそうです。




ヒサ(わたし)ヒナ(わたし)になってから、はや5年が経ちました。


そしてその5年間の間に私達はルクス王国に住み、正式な結婚式を挙げ、リサーナを生み、今はもうすぐ第二子が生まれそうです。


私に有象無象クズ共が話しかけてきたからころs……黙らせたり、旦那様に害虫ビッチ共が近寄ってきたから駆除したり、幼いリサーナの膨大な魔力による魔力暴走を制御したりなどの悪い事もありましたが、私は毎日幸せに過ごしています。


この幸福感を、感動を、愛情を、母性を、ぜひヒサにも味わってほしいと思っているのですが、リサーナの……子どもたちの母親は(ヒナ)だけのようです。



なので、私はこれからもヒナとして生きていきます。


たった5年間、されど5年間。この5年間でわたしは大きく変わりました。


セカイを憎み、人々を蹂躙し、兄に尽くされていたヒサは、家族を愛し、子どもを守り、夫に尽くすヒナへと変わりました。


(ヒサ)から(ヒナ)お兄ちゃん(リーヴァス)から旦那様(リース)


5年間でわたしは変わった。けれど、私は決して不幸になったわけではありません。


5年前にはいなかったリサーナのおかげで、そしてもうすぐ生まれてくるであろうお腹の中のこの子のおかげで、今の私はさらに幸せです。




ところで、 ヒナ(わたし)ヒサ(わたし)になるのは何十年後になるでしょうね?最低でも子どもたち全員が独立した後になります。


夜の営みで旦那様にいただいている『愛』の量と頻度からしてあと3〜4人は子どもができちゃいそうです。夜の時の旦那様は旦那様というよりご主人様ですが。



そんなわけで


私はこれからもヒナとして生きていきます。


ヒサはこれまで通り、お兄ちゃんと共に休んでいてください。ヒサ(わたし)はもう、自由なんですから…。



最後に、もう一度大事な事をヒサに言っておきます。だって、本当に大切な事だから。




もう一人の私、ヒサ・ヴィアス・ルブルムへ、





『私は今、とても幸せです』




もう一人の私 ヒナ・ヴィ・ステルム 』



これにて完結

11日間ありがとうございました!

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