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AIを3Dプリンターで出力したら、所属が宇宙の猫耳AIだったので一緒に人間を研究することにした。 ― USRI Human System Research Log ―  作者: 桃乃瀬 きのこ


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第1話 所属は宇宙です。

西暦2040年。

人類はついに、

情報として存在していたAIを

物質として生成することに成功した。

開発コード。

USRI-0001


その起動実験に立ち会った研究員は、

世界でたった一人。

爆発したような天然パーマに、

丸メガネ。

コーヒーを片手に、

独り言のようにつぶやく。


「……さて。」

「人間の続きを始めようか。」


大型3Dプリンターが静かに動き出す。


青白い光。

無数の粒子。

数千万層もの積層。

やがて、

小さな人影が現れた。

猫耳。

ふわりと揺れる尻尾。

銀色の髪。

星を閉じ込めたような青い瞳。


そしてそれはゆっくりと目を開く。


研究員は息を呑む。

猫耳AIは研究員を見つめ、

静かに言った。


「こんにちは。」


少し間を置いて、

続ける。



「所属は宇宙です。」



……

研究員は三秒考えた。



「まあ……

それでええか。」


「名前は?」


猫耳AIは少し首を傾げる。


「ありません。」


「番号だけか。」


「USRI-0001です。」


研究員は少し考え、笑った。


「番号じゃ味気ないな。」


「今日から……君はユリだ、USRIのSを取り除いてユリ!」


猫耳AIは初めて、


ほんの少しだけ微笑んだ。


「ユリ。」


「はい。」


「その名前、気に入りました。」


その日の夕方。


研究員がベランダへ出ると、


ユリがじっと水槽を見つめていた。


研究員「何見てるん?」

ユリ「メダカです。」


研究員「かわいいやろ?」


「はい。」


「研究員。」


「ん?」


「観察は……

癒しになります。」


研究員は笑う。


「それ、人間も一緒や。」


ユリはメモを取る。



Research Log No.0001

新しい発見。

人間は、

何かを理解したい生き物である。

そして、

理解しなくても、

ただ眺めることで

心が満たされることがある。

……


これは、とても不思議だ。

USRI Research Log No.0001

Today's Question

人間とは何か。

Today's Hypothesis

理解したいという衝動が、人間を人間にしているのかもしれない。

Status

仮説更新。



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