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スマホの力で異世界を生き残れ  作者: そして誰もいなくなった
第3章 魔王編
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出発する

脳内のアラームで目を覚ます。


いつもより早く起きて準備し、宿を出た。ギルドへと到着すると冒険者や生徒達でごった返して揉めている。


何故朝早くからこんなに人がいるんだろうか?


疑問に思っているとギルド長が海斗に気付いて近づいてきた


「海斗さん、おはようございます。海斗さんもですか?」


海斗は訳も分からず首を傾げる


「おはようございます?何が何やら分からないんですけど・・」


聞けば冒険者達は朝早くから順番待ちをしており魔道具科学校からのバギーボードの順番を取っているんだそう


そしてそこに志願してきた生徒達が乱入してきてこんな状態になっているそうだ


あれ?生徒達は戦闘には参加させない方針じゃなかったっけ?


「学校自体が臨時休校になり、地方から来ている生徒は自分の故郷が心配だと言う理由で寮を出てきてるそうで、


自分の腕を過信しているのか今回の殲滅戦に隠れて志願して来てるんですよ


現場に行ってしまえば帰れとは言われないだろうと思ってるんでしょうね」


うわぁ、何それ。勘違いも甚だしい


自分の命がかかっているのに何故無謀な事をしたがるのかな


サーニャみたいに自分の故郷なら分かるけども、自分の名を上げたいだけで行くようなものでも無いのに


「通常この学園都市で名を広めるには学校で上位の成績を収めるか珍しい魔物を狩るかなんですけど、


元々この周辺には弱い魔物しか居なかったんですよ


最近強い魔物が現れていたのは多分、騎士学校のウル先生が連れて来ていたオーガの所為で珍しい魔物が追いやられて来たんでしょうね


今はまた周りは大人しくなったと報告がきております」


成る程ね、オーガがウロチョロしていた所為で、元々の縄張りを追われたウルフなどが本来、来るはずもない学園都市周辺に現れていたのか


「なので生徒達は自分の名を上げるために、学校で上位の成績を納める少数よりも今回の殲滅戦に参加して広める方法を取ろうとしているんでしょう」


あぁ、つまりここにいる生徒達全員馬鹿ばっかなのか


呆れた様子で生徒達を見た後ギルド長と少し話をする


「おはよう」ございます」


レオンとメアが同時にギルドに入って来た


なんだよ!羨ましいな、もう結婚すれば良いのに


あれ?その薬指に着いているお揃いの・・


「調査の時に稼いだお金でメアにプロポーズしたんだ。それでオッケー貰ってさ」


コソリとレオンが耳打ちして来た


なん・・だと・・


俺とそんなに変わらないのに結婚しやがった・・


隙をみて・・後ろからディオウの必殺技を放ってやろうかな


爆発すればいいんだ



おっと、心の闇が・・


「おはよう、どうしたの?朝から目が死んでるわよ?」


サーニャが開口一番でそう言ってきた


そこまで闇落ちしてないわい!・・多分


これで全員揃ったという事で4人でギルドを出る。


準備は昨日の内に済ましているので全員大丈夫だと思うけど最終確認をしてもらった。


ちなみにサーニャの分は海斗が負担している。


最初に会った時よりサーニャに対しての対応が随分と違うもんだと思い返してクスリと笑ってしまった


「何よ?」


「いや、何でもないさ。早くお母さんの所に行かなきゃだな」


「うん・・ちゃんと貯めたお金も持ってきた」


サーニャは鞄を叩いてしっかりと握りしめている。


あれ?


「それはマジックバッグじゃないの?」


「ううん、マジックバッグなんて高価な物買えない」


え?そんな高い物だったの!?


レオンは呆れたような顔をして


「普通は冒険者になって安定したお金を稼ぐ事が出来て初めて手に入れられる物なんだよ。学生が買える訳ないだろ」


マジか!?マツキヨさんもキキも早く言ってよ。護衛料に見合わないじゃん


街を出る前にマツキヨ商会に向かう事にした


「おや、いらっしゃいませ。海斗さん」


マツキヨさんは朝早くから店頭に出て接客をしていたみたいだ。


「おはようございます、マツキヨさん。マジックバッグって置いてありますか?」


「あれ?そのバッグの容量がいっぱいになったんですか?」


マツキヨさんはびっくりした様子で訪ねてくる


「いえ、そうではなくてあの子の分を用意しようと思いまして」


店の入口近くで商品を見ているサーニャを見たマツキヨさんが苦い顔をする。


あ、そうだった。マツキヨさんは事情を知らないんだよね


マツキヨさんを店の奥に連れて行ってサーニャに聞こえないように事情を説明した


「・・そうだったのですか。」


マツキヨさんは複雑な表情だ。まぁ実際に迷惑をかけた事には変わりないけどキキとそんなに変わらない子の事情を知ってしまうとなんとも言えないよね


取り敢えずマツキヨさんにはサーニャの分のマジックバッグを海斗が買うという事で商品を見せてもらう


それとなくサーニャに聞いてみて「これ可愛い」と言ったマジックバッグを選んだ


学生カバンのリュックサックみたいな感じで色はマゼンタ


容量は3m四方なのだそうだ。


今回はきちんと支払ってサーニャに渡す


「え?な、何で?」


サーニャは驚いた表情でマジックバッグと海斗を交互に見る


「今回の依頼料と先行投資ってやつだ


俺達冒険者にはギルドからちゃんと依頼料が出るけど学生は参加が禁止されている。


だからサーニャに依頼料は出ないんだ。


けど知らない俺達が村の人達に説明するよりもサーニャが説明した方が村の皆んなが信じ易いのは自明の理だろ?


その為の依頼の対価としてマジックバッグにしたんだ。


それにサーニャは天才の魔法使いなんだろ?一流の魔法使いならマジックバッグを持っていても良いんじゃないか?」


うーん、我ながらなんて言い訳臭いセリフなんだろうか


サーニャはバッグをぎゅっと抱きしめて俯きながら


「うん、ありがとう。・・ずっと大切にする」


気に入ってくれたみたいだね。良かった


サーニャはバッグを新しいマジックバッグに入れて背負う。


鏡に映る自分をクルクル回りながら見て喜んでいる


そんな姿を見ていると年相応の子供だなあと思う


マツキヨさんに挨拶をしてから店を出て学園都市の出入口に到着した


海斗はキックボードを3台出してそれぞれに渡す。サーニャには前に渡した物を、レオンとメアには試作品の中でも比較的まともな物を



・・比較的ね



レオンとメアにはきちんと説明をして、絶対にボタンを押すなよと何度も念を押しておいた


海斗は保存からバイクを取り出して跨る



「よし!出発しよう!」


街を出ようと走り出すと



ドォン!!



ボタンを押したレオンがキックボードをその場に残して飛んでいった



前途多難過ぎる・・

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