終
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
取り敢えず、自分が賞に送った際の内容はここまでです。
再び、何かアイディアや発想を思いついたりしたら、続けたいと思いますが、今はここまでということで。
ご意見ご感想等があればどんどんください。いや、本当にww
他の作品も進めていき、完結させていく形をなるべく取ろうと思いますので、何卒よろしくお願いします。
王城から少し離れた場所。
雑木林を抜けた所にある、周囲を山岳が取り囲む小高い丘。そこから見た景色の中には、王城やその周辺がある。
ギンの目の前にあるのは、煌びやかに研磨された大きな石碑。その表面には多くの文字が書かれており、それは人の名前であった。
その大きな石碑こそ、竜騎士団の墓だった。
「にしても……こんな所に墓があったとはな……」
「まぁ、知らなくても当然だ。他の騎士団の墓は、王城の近くにあるからな。ここは、初代竜騎士団団長が気に入った場所で、どうしてもここに墓を作って欲しいと頼み込んだそうだ」
ギンは、墓の前に花を添える。
正直、ここにはあまり来たくはなかった。
ここに来れば、自分の仲間だった人達が死んだことを再認識させられる。それが嫌で、ここに来ることは少なかった。
けれど、今日ここに来たのは理由があった。
「今日、お前さん達にここに来て貰ったのはな、この人達にお前さん達を会わせたかったんだよ。これが、俺の部下達ですってな」
絶対に持たないと思っていた部下。二度と作らないと決めていた仲間。もう失うくらいなら初めから持たないと考えていた大切な者達。
それを、見せたかったのだ。
自分は成長した、と。それを言いたいがために。
だらか、心配しなくていい。
俺はもう、一人ではないのだから。
「……さて、そろそろ帰るか。溜まっている書類の整理、お前さんたちにも手伝って……」
振り返りながら言うギン。しかし、三人はギンの横を通り、墓の前へと立った。
「竜騎士団団員、ディスト・ジャッジ」
「同じく、エイミー・ベルモット」
「同じく、アルミス・ショアロー」
いきなり自分の名前を宣言する三人。それは、まるで墓標に眠る団員達に自分の名前を紹介しているような感じであった。
その姿をギンは後ろからじっと眺めていた。
「オレ達は、正直チームワークと協力して戦うとか他人の事を考えるとか、そういう事が苦手な人間だ。っというか、したことがなかった。だから、ギン団長には毎度の如く怒られてる。その度にこの銀髪野郎いつか絶対ぶっ殺してやると思っていた」
何げに殺人予告をされるギン。
けれども、彼はなにも言わず、黙って聞いていた。
「だけど……最近じゃあそれも悪くはないと思い始めてきた。こいうのもアリかってな。こんなロクでもないオレ達が、そんな事を考えられるようになったのは全部……ギン団長のおかげだ」
信じられなかった。
あのディストが……俺様主義のディストが、誰かのおかげだなんて事を言うようになるとは、予想もしなかった事態である。
「多分……っていうか、絶対にオレ達は団長に迷惑をかける。こんな性格がすぐに直ると思ってないし、そもそも直そうとも思っていない。けど、竜騎士団の一員として恥じのない人間にはなっていくつもりだ」
それは、三人の決意表明。
自分達の先輩達に対する敬意と自分達の意思を声に出して伝えているのだ。
「アンタ達がどういう人間だったのか、オレ達は知らない。けど、これからはオレ達が竜騎士団を守っていく。団長だって支えていく。だから……安心して眠っててくれ」
しばらくの間、彼らは黙祷をしていた。その姿をギンは微笑みながら眺めていた。
最初、会った時は本当に性格の悪い奴らだと思っていたが……少しは成長したものだ。
いや、自分も人のことは言えないか。自分も他人と触れ合う大切さを再確認させてもらった。ギン自身も彼らのおかげで成長したのだ。
原因は何であれ、この出会いは良かったものだと改めて思う。
黙祷が終わると、三人はギンの方を見て全員同時に不敵に笑った。
「そういうわけだから、改めてよろしく頼むぜ」
「よろしくお願いしますね、団長」
「よろしく」
ディスト・ジャッジ。
エイミー・ベルモット。
アルミス・ショアロー。
性格に問題ありの自分の部下達。
この三人が竜騎士団に入ったことで、これから先色々な事件が起こっていくであろう。それはごく一般的な小さな事から、国中を巻き込んだ大騒動まで、予想するだけで数多ある。
面倒な事もあるだろう。大変な目にあう事もあるだろう。
けれども。
「全く……困った問題児共だ」
そんな彼らを守っていくのも、案外悪くないものだと思う




